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郵政民営化情報システム検討会議第2回会合 議事要旨

日時
平成16年10月25日(月) 
17:58~19:32
場所
中央合同庁舎第四号館(4階)
共用第四特別会議室

○加藤座長 皆様おそろいでございますから、時間がまだまいりませんけれども、始めさせていただこうと思います。
 今日は、大変皆様方にお忙しい中を、夜間の時間もいただきまして、ありがとうございました。これより第2回目の郵政民営化情報システム会議の会合を開きたいと、こう思っております。
 前回、既に申し上げましたけれども、ワーキングユニットをつくって、機動的、弾力的に検討を進めてはどうだろうかというご提案をさせていただきましたが、これを受けまして早速前回の会議の後、もう2回もワーキングユニットを開催していただきまして、また先生方におかれましても、ご多忙の中をご参加いただきまして、本当にありがとうございました。
 今日の議題でございますけれども、前回の会合におきまして、システムの現状や民営化、分社化対応についての考え方について、公社から発表いただけるとのご発言がありましたので、まずこれにつきまして、公社から説明をいただきまして、続きまして先ほどご紹介いたしましたワーキングユニットにおける検討状況につきまして、事務局から報告を受けたいと思っております。その後、先生方からご意見などをいただくということになるかと思います。
 それでは、公社のシステムの現状や民営化、分社化対応についての考え方につきまして、公社から説明を受けたいと思います。よろしくどうぞ。

○山下CIO 前回会合でご指示のございました郵政公社の情報システムの概要及び民営化、分社化に伴う情報システム対応に関する郵政公社の基本的考え方につきましては、お手元の資料の3、資料4、及び参考資料を取りまとめまして、あらかじめお届けさせていただいております。
 これらの資料につきましては、既にご覧をいただいていると存じますので、なるべく議論にお時間をとっていただくという観点から、詳しい資料説明は省略させていただきまして、これまでの2回のワーキングユニットでいただきましたご議論を踏まえまして、私どもが分社化に伴って最低限必要となると考えておりますシステム対応の前提につきまして、改めて整理をしました追加資料、今日追加的に席上に提出させていただいておりますが、これをもとにご説明をさせていただきたいと存じます。
 配付資料の一番下にあると思いますが、追加資料の「分社化後のシステム検討の考え方について」、この1ページをご覧いただきたいと思います。
 まず、分社化に向けての検討ポリシーでございますが、主としてここに掲げております3つを念頭において検討いたしました。
 第1は、分社化後の新会社発足当初の姿と、そのために必要な対応を検討することであります。第2は、分社化後の新会社発足当初から、事業毎の損益の明確化や事業間のリスク遮断を行うことが必要であるとの観点から、システム設計を行うということ。第3に、窓口会社、郵便会社、銀行、保険会社という、それぞれ異なる事業の特性や新会社の経営陣の経営方針によりまして、当初から人事制度、会計制度が、各社において異なり得ること。この3つを前提として検討を行っております。
 2ページ目をご覧いただきたいと思います。
 こうした基本ポリシーに基づきまして、分社化に伴う具体的な対応といたしましては、主としてこれからご説明いたします5点を想定しております。
 第1は、現在、各事業において共用しております人事給与システム、財務会計システムにつきましては、少なくとも論理的には分割すること。具体的に申し上げますと、窓口事業、郵便事業、金融事業とは、それぞれビジネスモデルが大きく異なりますため、各社の人事制度は異なるものとならざるを得ない。労働条件をそれぞれの事業のマーケット環境に即応して分けるようにできることが、分社化のそもそもの目的であることを考えますと、人事システムは当初から各社別に対応することが必要ではないかと判断しております。
 また、財務会計システムにつきましては、同様な理由から、各社の勘定科目を初めとする会計制度は異ならざるを得ない。銀行法、生命保険法等の要求する会計制度と窓口会社、郵便会社は異なるスタンダードが必要であり、分けて対応せざるを得ないのではないかと考えております。もちろんハードの共用など、できるだけコスト削減努力も行うことは当然としましても、システム自体は各社ごとに少なくとも論理的には分割することが必要だと考えております。
 3ページ目をご覧いただきたいと思います。
 第2に、郵便局窓口端末につきましては、現行端末の改造で対応するということであります。窓口会社の立場で考えますと、ここではA案としてお示ししております謔、に、新たなビジネスモデルにフィットする新システムを構築することが望ましいわけですが、そのためには少なくとも5年以上が必要となります。したがいまして、分社化当初は各事業会社の現行端末を最小限改造することで対応するほかはないものと考えております。
 4ページ目をご覧いただきたいと思います。
 第3は、事業会社3社と窓口会社間で受委託事務の取扱状況を把握、集計、突合することが必要と考えられるということであります。すなわち窓口会社は、事業会社3社から窓口業務を受託し、その受託手数料を最大の収益源とすることになります。損益の明確化、原価管理等の観点から、受託事務の取扱状況を正確に把握できることが必要と考えられます。
 他方、事業会社3社も損益の明確な把握や、リスク遮断の観点から、手数料支出管理を厳密に行うことが必要となります。各事業会社間での利益操作、納税額操作ができないようにするためにも、手数料の計算根拠を明確にする必要があると考えています。そのためには、受委託事務の取扱状況について、それぞれの会社が把握、集計し、互いに突合して、場合により必要な修正を行えるような仕組みとすることを前提としております。
 したがいまして、窓口会社は受託事務管理システムの新規構築が、また、3事業会社は業務システムへの委託事務管理機能の追加が必要となるものと考えております。
 5ページ目をご覧いただきたいと思います。
 第4は、現在は貯金業務で行っております現金管理・資金管理は各会社で行うということであります。すなわち、郵便局の窓口業務によって生ずる現金管理・資金管理は、窓口会社、一方、郵便会社の集配拠点、貯金会社・保険会社の直営店などの現金管理・資金管理は、それぞれ各事業会社が行うことが想定されます。これに伴い、現金管理・資金管理手順が大幅に変更になり、ゆうちょシステムを初めとする既存システムは相応の変更が必要となることです。
 金融庁の基準を満たすためには、銀行業の代理店である窓口会社が各社から委託を受けた業務に係る現金及び顧客情報を分別管理できるようにシステム構築する必要があると考えております。
 また、日次での各事業別の現金・預金ポジションの把握が現在はできておりませんため、この点については、分社化までに整備しておくことが必要です。具体的には、窓口で保有する現金は、窓口会社自身が保有するもの以外に、貯金、保険、郵便、国等から預かっているものがあります。それを日次ベースで把握するためには、システム構築が必要であり、またそれ以前に現金管理・資金管理の業務設計が必要となります。
 6ページ目をご覧いただきたいと思います。
 最後に、窓口会社は、ただいま申し上げました受託業務管理システム、財務会計システムのほか、発足当初から店舗管理システム、管理会計システムが必要となると考えられることです。すなわち窓口会社は、約2万の郵便局において、手数料ビジネスを行う巨大企業でございますので、情報システムによるマネジメント支援が必要だと考えられます。現在は郵便局の経営情報は3事業が異なる基準でばらばらに把握しておりますので、窓口会社としましては、2つ目のパラグラフの、このため以降に掲げられておりますようなさまざまな経営情報を把握するシステムの構築が、発足当初から必要になるものと考えられます。
 大変恐縮ですが、資料の4番、「情報システム対応への日本郵政公社の基本的考え方について」の5ページをご覧いただきたいと思います。
 民営化・分社化が影響する情報システムの主要なシステムの分類というところでございます。
 ただいまご説明いたしました考え方に基づきまして、民営化・分社化が影響する主要なシステムをA、これは大規模なシステム改修ないし新規構築が必要で、お客様等、社外への影響が大きいシステムです。それからB、これは大規模な改修ないし新規構築が必要であるが、社外への直接的な影響は小さいシステムです。それからC、改修等が必要となるが、その規模が比較的小さいシステム、この3つのタイプに分けたものがこの表でございます。このうち二重丸を付したものが特にシステム対応に長期間が必要となると想定されるものであります。
 次の6ページをご覧いただきたいと思います。
 こうした民営化及び分社化に必要な開発規模をラフな前提を置いて関係ベンター各社にお願いして試算を行いましたところ、ここにございますように、現時点では想定が困難な新規サービス関係を除きますと、約3,700万ステップ、またラフな前提のもとで人月ベースに換算をいたしますと、ここには書いておりませんが約7万5,000人月が必要となると想定されます。
 2枚おめくりいただいて、8ページの想定スケジュールをご覧いただきたいと思います。8ページ目は、4、スケジュールのところでございまキが、ここでは、開発規模が最も大きくなることが想定されます窓口会社、それからゆうちょ総合情報システム、財務会計システムの3つのシステムの新規構築ないし改修の想定スケジュールを示しております。いずれも業務要件確定、仕様凍結から最後のシステム連動、運用試験、訓練まで3年間がかかるものと想定しております。
 一度に90程度のシステムに手を入れる必要があるわけですので、最後のシステム連動試験が大変重要になると考えます。
 私ども日本郵政公社としましては、政府の基本方針実現のため、最短時間でのシステム構築を図っていくつもりでございます。ただ現時点では、まだ具体的な中身ははっきりしないわけですが、基本方針で定められた分社化を前提にいたしますと、ただいまご説明させていただいた形でのシステム構築が必要ではないかと考えております。専門家の先生方から100%子会社の分社化であれば、ここは省略できる、簡素化できるということでございますれば、その点についての前提条件の変更をお示しいただければ、それに基づきまして試算の見直しを早急に行うこととしたいと考えておりますので、よろしくご指導のほどお願いいたします。
 提出資料に関するご説明はとりあえず以上とさせていただきます。

○加藤座長 ありがとうございました。
 続きまして、ワーキングユニットにおける検討状況につきまして、事務局から報告をしていただきます。

○高橋参事官 それでは、先生方にご参加いただきました議論を事務局から紹介させていただきます。
 甚だ僭越でございますけれども、座長のご指名ということで、私からご紹介を申し上げます。
 先ほど座長からご紹介いただきましたように、前回会合以降、10月15日と22日の2回にわたりまして、ワーキングユニットは開催されました。
 第1回でございますが、1回目には天野先生、宮田先生、中山先生にご参加いただきまして、山下CIO以下の日本郵政公社の担当者から公社のシステムの現状や民営化、分社化対応についての考え方について説明を受けまして、その後質疑応答、意見交換を行いました。
 その際の議論の概要ですけれども、お手元の資料の資料1にまとめてございます。
 この簡単な2枚紙ですけれども、本日の議題とも重なりますが、本検討課題のミッションにとって非常に重要な部分を3点ほどご紹介させていただきます。
 まず、1点目でございますけれども、この1ページ目の2つ目の丸、会議メンバーからの主要な意見等という点で、最初のポツをご覧いただきたいと思います。
 民営化後の新業務に係るシステム対応は、本検討会議の守備範囲外ということでございます。民営化後は、新規業務は当然可能になりますが、そうした業務は実際に開始するかどうかというのは、民営化後の会社の経営判断、基本的には民営化後の会社の経営判断に委ねる事項であろうと思います。その経営判断の一環として、当然ながらその業務を行うために必要なシステム対応についての判断も行います。
 したがいまして、そうしたシステム対応はまさに民営化後の経営陣の判断と責任において行うべき事項ですので、2007年4月に分社化が可能かどうかを検証するという当ミッションと検討会のミッションの中の検討対象ではないのではないか。もうちょっと具体的に言いますと、何をするかわからないシステムをつくるというのはほとんど難しいということでございます。なお9月に生田総裁から公表されました、いわゆる3年から5年程度を有するというベンダーのラフな見積もりは、こうした新業務への対応を含まれておりまして、それを除いた場合にはどの程度の作業量になるかということですけれども、私たちの方で公社から提出された資料をまとめましたのが、資料1の次のページにございます。
 左右の対照表になっておりますけれども、これは私たちの方の責任でまとめたものですけれども、基本方針策定前という話で見ますと、例えばステップ数ということですと、左の方で分社化プラス民営化が5,200万ステップということでしたけれども、新業務を除きますと、3, 700万ステップということで、約3割ほど減少をしております。
 第2点でございますけれども、この資料1の4つ目のポツ、これはWTOの話ですけれども、WTOの調達協定の問題でございますが、既存のシステムの機能拡張を対象とせず、新規構築を対象とするものなので、基本的に窓口会社に係るシステム構築に限られるのではないかという点でございます。
 これはいろいろ規定がございますので、政府調達協定の関係規定をこの資料1の3ページ目に用意させていただきました。3ページ目をご覧になっていただきますと、政府調達に関する協定ということで、15条が書いてありますが、15条に限定入札としまして、いわゆる競争入札にかけなくてもよい契約が列挙されております。その中の (d)、」争入札にかける必要がないというのは、一番上のところにアンダーラインが書いてありますけれども、公開入札及び選択入札の手続を規律する第七条から前条までの規定は、次の場合には適用する必要がないということで、 (d)です。
  (d)の方の下のところに下線があるんですが、既存のサービスの拡大若しくは既存の設備の拡張のための追加の納入又は堤供を当初の供給者から受ける場合ということでして、これはソフトウェアもこれに含まれるという注記がございます。注記がありますけれども、既存の供給品若しくは設備には、ソフトウェアの当初の調達が協定の適用を受けた場合には、当該ソフトウェアを含むということに書いてありますので、ワーキングユニットの場でも、公社に確認をいたしましたが、既存のシステムの分社化対応の相当程度はこれに該当するのではないかと思います。ということになりますと、入札等の手続に6カ月を要する点につきまして、多くの部分については問題にならないという点でございます。
 次に、第3点目でございますが、この1ページ目の最初の5ポツ目のポツ、公社の想定するシステム対応というのが、これは先ほど山下さんの方からご説明ありましたけれども、各持株会社、各事業会社が独立した上場企業であることを前提としているようなものというご指摘がございました。同じグループに各社が属する2007年4月の段階では、公社の想定よりも相当程度少なくてもいいのではないかというご指摘でございます。
 先生方にいただいた具体的なご指摘としましては、例えば人事管理システムですけれども、これを持株会社と各事業会社とそれぞれが独立に備えなくても、例えばデータコードで所属会社にイヤーマークとかフラグを追加するといった対応が可能ではないかということです。これは山下さんの方からもなるべく物理的にコストをかけないようなやり方というので軌を一にすることかもしれませんけれども、いろいろな民間企業なんかでもかなり人事管理の話については省略化ができるのではないかという点がございます。この点につきましても、公社から詳細な制度設計を見ないと、どの程度対応すべきか判断することはできないということでしたけれども、山下CIOは本検討会議のオブザーバーであるとともに有識者会議のオブザーバーでありまして、私は準備室の一員としまして、有識者会議の運営に携わっております。あと、中城審議官も携わっておりますけれども、ワーキングユニット等も活用しまして、有識者会議における制度設計の議論を適宜情報収集するなりフィードバックするなりすると、今後どのように検討を進めていくかということがわかるかと思います
 続きまして、2回目でございますけれども、これは天野先生、宮田先生と中山先生、満塩先生にご参加いただきまして、第1回の議論を踏まえまして、公社のシステム対応の前例としまして、本年3月期決算におけるシステム運用状況と現在公社が構築を進めております新たな財務管理システムの概要につきまして、山下CIO以下の日本郵政公社の担当者からご説明を受けまして、その後、質疑応答、意見交換を行いました。
 その際の概要はお手元の資料のうち、資料2にまとめています。これは実は先週の金曜日だったんで、我々もちょっと十分にまだ咀嚼していないところもございますけれども、とりあえず本検討会議、ミッションについて非常に重要な部分について2点をご紹介させていただきたいというふうに思っております。
 第1点でございますけれども、2つ目の丸で会議メンバーからの主な意見等というところの3つ目のポツは、政省令が固まらないと概要設計が開始できないということはないのではないか。ちょっと回りくどい言い方ですけれども、政省令を待ってやらなくてもできるのではないかということです。法案ですね。具体的に言えば法律段階の話が固まれば開始できる部分は多いのではないかということでございます。
 郵政公社の民営化、分社化からのシステム対応が間に合うかどうかというのは、要するに非常に誤解を恐れず簡単に言いますと、いつから作業が開始可能であるか、その作業がどれだけの時間を有するかという2点での判断が必要だと思います。
 その前者につきまして、いつからスタート、今の公社のお考えで、我々が知っているところというか、見ると、先ほどの資料1の基本方針策定後というところで、システム開発作業の見積もり状況の一番下にありますけれども、公社によると、一番下のところにちょっと米印が書いてあるんですけれども、公社によると、法律、あと政省令が決まらないと、システム仕様凍結ができない。要するに、政省令が決まるというのは公社の方では2005年末ということで、今から1年後というのが想定されているようですけれども、私も法律をやっている関係でいきますと、政省令と法律の段階でどの程度違うのか、ほとんど政省令がなくても法トの段階では大体のことはわかるのではないかなと思います。
 今申しましたように、仮に公社のおっしゃるように来年末までに作業を開始できないということですと、2007年4月までに残された時間というのは1年少しになってしまいますが、例えば法案が提出されるタイミングであれば2年以上、普通にいきますと12月にはかなりの程度わかります。いろいろなことの関係があります。少なくとも来年には法案が出ることですから、2年以上の期間が確保というか可能になりますので、この点をきちんと詰めていく必要があろうかと考えております。
 次に、2点目ですけれども、資料2の4つ目のポツ、対応に当たっての想定ステップ数や想定スケジュールだけを見せられても検討の範囲は限られると。現在3年ということを想定しているシステムについて、例えばですけれども、2年半、または2年でやるとしたらどのように基本設計と開発プロセスを変更する必要があり、その結果どのようなリスクとか影響が出てくるのかといったことを示してもらえれば、その妥当性についての議論がより深められるのではないかなと思っております。
 先ほど申し上げたお話との関連でいきますと、システム開発作業にどれだけの時間を有するかでございますけれども、こうしたご意見を受けまして、公社において作業は進められると聞いておりますので、今後、ワーキングユニットを含めたこの検討会議で、ぜひ仮に2年なり2年半でしたらどのような問題が出るかという点についてお示しいただければ非常にありがたいというふうに考えております。
 事務局からは以上でございます。

○加藤座長 ありがとうございました。大変要領よくご説明いただきまして、大変問題点がクリアになってまいりましたが、今の公社及び事務局の説明につきまして、皆様方からご意見をいただきたいと思いますが、いかがでございましょうか。
 どうぞ、どなたからでも結構でございますので。どうぞ。

○宮田教授 山下さんからの資料、それから2回のワーキングユニットの資料に、山下さんので一番最初の1ページ目、すべて基本的には前提みたいなものを明確にしないと、今後の議論ができないかなということなんですが、例えば山下さんの資料の考え方についての1ページ目、分社化後の発足当初から事業特性や新経営陣の経営方針により何とかという話があります。これは、こういうことは考えないと、もう一つ前提条件だと思うんですね。考えると、現時点では、システムを考える段階ではこういうことはもう考えない、考慮しないとか、それから3ページ目にはB案しかできないだろう、これ妥協ですね、一種の。まあこうしかないだろうというのがあったり、それから5ページ目に括弧で、分社化当初は、そこまでは不要とするなら、特例法でその旨規定することが不可欠とか書いてありますけれども、要するにいろんな前提条件でシステムができるんであろうと思うんですけれども、その前提条件がこういうふうに変更可能な状況だということが質問されていますね。
 つまりこれは前提条件が明確になっていないと、システムを分割する、改良すると、もしくは新しくつくるということの作業設計ができない、システムの設計ができないだろうと思うんです。将来どういうふうに経営が変わってくるとかそういうことと、それからもう一つは前提条件として、ともかく今の業務を分割してスムーズにやることだけを考えてシステムを構築してくださいと、それに合わせて政省令や何だろうがフィットさせますよということであれば、そういう設計ができると思うんですよね。
 ところが、分割した段階で非常にうまく経営できるようにということを今から考えてやるということは、ほとんど現実的ではないと思うんですよね。そこのところはシステムを考える段階の前提条件として、最小のコストでともかく今の業務を分割しても円滑に動くようなシステムとしてできるのかどうか、これがミッションであるかどうかですね。そこのところ少しあいまいなまま、このステップ数の話になってしまっているんだろうと思うんです。それ次第でシステムは非常に簡単にできたり、例えば、非常に細かいところで言えば、今ソフトそのままコピーして与えて、自分のところの分だけそのまま動かすとか、非常に極端な簡単な分割の仕方ありますよね。そういうことだって、基本設計といいますか、基本構造としてあり得るわけなんです。そこのところは、必ずしも十分議論されていないまま、ステップ数にいってしまって時間になっているんだろうと思うんですね。ですから、作業時間限られていますので、早い段階で前提条件みたいなものを明確にして進めていかないと、私たちのワーキングユニットも、だんだんだんだん細かい話になってきて、そこまでの話、実は前提の基本設計の考え方が違うところから出てきたものに対して細かい議論をしている可能性があるんですね。そこのニころの合意、コンセンサスは非常に大切だろうと思います。

○山下CIO よろしいでしょうか。

○加藤座長 どうぞ。

○山下CIO 私どもは今どういう前提でシステム対応に3年以上が必要だということを言っているかをご説明させていただいたつもりです。私どもとしては基本的な考え方は基本方針に従って、しかも、かつ、例えば銀行法とか新しい業法とか、あるいはリスク遮断とか、そういうものが一体どこまで求められるかがわかりませんので、我々はこういう前提で、当然基本方針に書いてあることを考えると分社化ということですし、その分社化をするのはなぜかというとリスク遮断をきちっとするため、あるいは損益の明確化をするためということですから、そういうことであればこういう前提を置いてやるとすればこうだなということで、システム対応することを考えたわけでございます。ですから、この前提について、今、公認会計士の中山先生とかあるいは委員の先生方から、いや、これはここまでやらなくてもちゃんと分社化と言えるんだとか、あるいは、多分基本方針の具体化の中で決まってくるんでしょうけれども、金融庁関連の規制はここまでやらなくても、一般、民間はここまでやらなければいけないけれども、新会社の場合は特例法でここまでやらなくてもいいとか、そういうことであるとすれば、そこは落としていきますので、そこについては先ほど申し上げましたように、計算のやり直しをしたいというふうに私どもは考えております。
 それから、先ほど高橋参事官がおっしゃった新規業務に関するシステム対応の件でございますけれども、私どもの立場からいたしますと、民営化、分社化によりまして、法人税等の税負担とか、預金保険料のコスト負担、あるいは民営化に伴う膨大な分割コストが当初からかかりますので、それをある程度コンペンセイトする新ビジネスを当初から手がけられないと、ただ業績が悪化だけということになります。
 したがいまして、私どもとしては民営化当初からそうした負担がふえるのであれば、当初から新ビジネスに取り組む、つまりそれに伴うシステム対応が必要となりますけれども、現時点ではどの範囲まで新ビジネスが認められるのかを含め未確定ですので、今回の検討には確かに間に合わないということだと思います。しかしながら、基本方針に基づく民営化の実施に当たっては、この新ビジネスを行うための必要なシステム対応分のアルファが別途必要なことはぜひご留意いただきたいと思います。
 民営化や分社化対応のシステムは今、宮田先生のお話があって、ともかく間に合えばいいじゃないかということですけれども、民営化、分社化対応のシステムは間に合ったけれども、会社自体がつぶれてしまうというようなことになったら、それは非常に困るわけでございまして、会社がきちっと経営ができるような形でシステムをできるということが必要です。私どもは、最大限間に合わせるように頑張りたいと思っておりますけれども、一方では、システムトラブルが起こるようなシステム開発になっては大変なわけでございます。その両方を立てなければいけないところに我々の難しさがあるということだと思います。

○高橋参事官 今、私の方に新ビジネスという話になったんですけれども、今確かに新ビジネスはたくさん可能性としては考えておりますけれども、今のこの段階ではちょっと考えようがないということだと思いますね。少なくともシステムというときに、具体的な話でないとシステムって考えようがないと思うんですよね。具体的な話なしのときには、やっぱりこれは具体的な話を考えてから考えるということしか言いようがないと思うんですよね。ですから、この段階ではちょっとどれだけあるかわからないと言われているものを一応考えることはできないのではないかなと思いまして、検討外というふうに申し上げました。

○山下CIO この検討会の題材ではないということは事実ですから。ただそれは我々経営陣としては、システム開発の中でやっぱり考えていかなければいけないものとしてはあることはご留意をいただきたいと申し上げた次第です。

○加藤座長 今のことで、ちょっと私なんか現実的に感覚がずれるんですけれども、今、新規の事業がどんなものがあるかわからないとおっしゃったでしょう。どんな組織だって、必ずわからないんですよ。つまり我々だって大学でもってやるときに、この条件を入れるか、この条件を落とすかとかいうのは、毎年毎年変わってくるんですよ。だからそんなもの全部決めておいて、さあシステムつくりましょうというのは、それはよほど悠長な組織のあり方ですよね。だから私から言わせると、そんなことで新しい時代に適応できるんだろうかということがむしろ頭に先にきてしまうんですけれども、どうですかね。

○山下CIO もちろん我々としては、新ビジネスの候補は考えていますが、まず第1にそれが有識者会議、経済財政諮問会議等の議論で認められるかどうかが全然わからないということですね。それと、あと、当然法律が通れば新経営陣が任命されることが想定されますが、新経営陣が打ち出す新しいビジネスモデルでどういうビジネスをやっていくかどうかというのは、現段階ではジャッジできないということで、そういう意味で申し上げました。一方では私ども、先ほど来、何度も申し上げていますけれども、やはり民営化に伴う負担がふえますので、それを補う経営の自由度、新ビジネスからの収入の拡大がないと、経営は悪化するだけということになりますので、その辺は我々としては、やはり税金等を当初から民間並みに払うのであれば、ある程度民間並みの新ビジネスをやっていかなくてはいけないというつもりでいるということでございます。

○加藤座長 國領先生どうですか。

○國領教授 ちょっとやっぱり議論の整理として、この会議のミッションとしての判定基準の話と、それから実際にどういうシステムを構築するかというのはやっぱり切り分けて考えるしかないなというのが多分ほかの委員の皆さんの意見なんだと思うんです。
 つまり、やはり新しい民営になったときの会社としてやっぱり新事業展開をするというんだったら、これからやっぱりもう今からすぐにでも考えて取り組み始めたいというのは、これはもうむしろ尊重すべきことで、それはどうぞやってくださいということなんだと思うんですけれども、その話とここでの判定基準というのが可能ですかと聞かれてしまったので、可能だと思うか思わないかの判定基準というのがやはり今のある事業が民営化でかつ4会社に分かれるということの前提で可能か否かを判定しなさいということだということだと思うんですね。なので、逆にそこにとどめておかないと、この会議が変な縛りを新会社の事業システムに課すのは何かおかしいということになると思うので、そこはちょっと、この会議のミッションが何かというレベルで考えないといけないのではないかと思っています。
 それからもう一つは、先ほど来、やはり前提条件が変わるとすごく変わるということだと思うんですけれども、そうすると逆に、逆転と言ったら変なんですけれども、ここの部分がすごく大きなクリティカルパスになっているので、ここの部分についての前提条件、こういうふうに変えると対応が可能になるんだけれども、ここの制約条件がとても重たいので、結果的に非常に長くかかるんだというのがもし逆にあれば、それは提案してもよろしいんじゃないかという気がするんですが、そういう点があるのかないのかということがあると思います。
 それからもう一つ、ちょっと長くなって恐縮なんですけれども、ちょっと私の素人考えで恐縮ですけれども、やっぱり民営化に伴って発生する新しい、例えば勘定を貯金の分別、今までの貯金とこれからの預金との分別管理をしなければいけないとかというのは、これは民営化に伴うもので、これはちょっと避けがたいものが多分あるという話、その話と、分社化に伴う方の話というのは、もういろんな特例を逆に認めていただけるならば、対応可能な部分ではないかという気がするんですけれども、ちょっと民営化するからにはどうにも避けられない話というのがどこの部分で、どこの部分は分社化の話であって、そこはいろんな制度的な対応の問題なんだというところについて切り分けていただけると、ちょっと何か単なる綱引きやっていたらとても非生産的なので、何とかならないかという感じがいたします。

○加藤座長 どうぞ。

○山下CIO いや、全然そういうつもりで申し上げているわけではなくて、私どもとしては先ほど申し上げましたような前提を置いてやるとこうだということを示しているわけです。資料の4の1ページ目をちょっとご覧いただきたいんですが、この1ページのところに、民営化になっての対応事項と分社化への対応事項と分けて書いてございます。民営化については、納税義務を負うということでございまして、これが多分業務フローの設定を含めて非常に大変であろうと。それから今ご指摘の新旧契約を分離して、新たに預金保険とかに加入しなければいけないということで、これに対する対応、しかも新旧通算して限度額管理等もやらなくてはいけない。それから、ゆうちょ、郵便保険会社はそれぞれ銀行、保険業法の一般に適用される金融関係法令に基づく業務を実施しますので、今、私どもにはそれは適用されていませんので、その差分見直しに関してシステムを改修しなければいけない。
 こういうのが民営化対応事項でございまして、私どもの感覚ではこれだけでも相当、2007年4月までにやるのは大変だけれども、これは何とかやれるのではないかと考えています。それに対して、これに加わりまして、分社化、先ほど来ご説明しましたようなことが加わりますと、ご説明しました前提を置いてやると先ほどのようなシステム開発負担と期間が必要になって、2007年4月までに間に合わせることはなかなか難しいという判断をしたというご説明をしたつもりでございます。

○國領教授 例えば、ではせっかくこの1ページが出てきたので、民営化への対応事項というところにつきましても、これちょっと僕、私的感覚から言うと、2ポツはちょっと逃げようがない、要するにお客さんの資産が絡むものなので、逃げようがない話だと思うんですけれども、1ポツとか3ポツとかというのは、そういう意味では分社化の話と性格的には似ているような気がするんですけれども、この辺で、こういうような制約条件が外れるんであれば対応ができるんだとかというような、そのレベルで議論するということは可能でしょうか。

○山下CIO 前回の先週金曜日の会合で、宮田先生や皆さんから、要するにもっと簡素化して間に合わせるためにはどういうことを外せば、どういう前提を置けばいいか検討するようにとありましたので、なかなか短期間でできるかどうか不安な面はありますが、来週中にはご説明できるように、作業は始めたところです。

○國領教授 ありがとうございます。

○加藤座長 ほかに。どうぞ。

○天野CIO 今の答えで、僕、お聞きしたいんですけれども、資料4の6がもともとのこの民営化した場合だけの話と、民営化アンド分社化のシステム対応というふうに僕は見ていたんですけれども、これが答えになってはいないんでしょうか。資料の6ページのところに、いわゆる3,600万ステップというのは、これは民営化してなおかつ分社化した場合のステップ数で、右側の方が民営化だけというふうにお聞きしていたんですけれども。

○間瀬執行役員 そのとおりでございます。
 右側の方の、1,375は民営化で、それから左側の3,690は民営化プラス分社化という形になっております。

○天野CIO だから、今の議論は、全部やった場合には左のステップ数になって、ただ分社化と民営化のところでどこが違うかというのは、この表ではわかりにくいので、それを分離していただければ、多分國領先生の答えにはなるんだと僕は理解するんですけれども、そういう理解でよろしいんでしょうか。

○間瀬執行役員 そうですね。分社化のそれぞれの機能について、どれぐらいかかるかというのに分離すればできないわけではないです。

○宮田教授 それは違うんだと思うんですよ。出ているそういうところが前提条件に、例えば今日の追加資料がありますね。追加資料の3ページのA案をとるのか、B案をとるのかとか、5ページの分社化当初はそこまで不要とするならとありますね、特例法で。つまり追加資料の5ページの3項目みたいなことを、必要があるというようなこと、ちゃんとやればこうであって、これを不要だということにすれば、話は全然変わってくるのか。

○山下CIO ええ、それはそうです。

○宮田教授 そうですよね。ですから、それで今出ているステップ数というのは規定されないということを前提でやってこうだということなんでしょう。

○天野CIO だから、この今6ページで議論している3,600万ステップというのは、マキシマムな話ですよね。というふうに理解すればよろしいですよね。

○山下CIO マキシマムというか、今日ご説明した前提でつくった場合にはこうだということです。

○天野CIO そういうことですね。

○山下CIO はい。

○天野CIO はい、わかりました。

○宮田教授 今お願いしているのは、前提を変えるとどういうふうに変わってくるかということですね。どの程度までいくかということで。

○高橋参事官 これも前にお願いしていて、多分、細かい話は別として、多分前提変えるとこの6ページが変わるというふうな理解でよろしいんですか。

○山下CIO もちろん、前提が例えばこれとこれは要らないということになれば、それは当然作業量も変わってきます。例えば、最初から財務会計を別に分ける必要はないとか、現金はまとめてどんぶり勘定でやればいいんだということであれば、それはかなり話は変わってきます。

○高橋参事官 ちょっと細かい話ですけれども、今ですとこの分社化の考え方(2)でA案をとって、一応3,690万という、そういう形になっているということですか。A案で。

○間瀬執行役員 端末の関係ですよね。

○高橋参事官 ええ。

○間瀬執行役員 それはそういう形です。

○高橋参事官 A案ですか。

○間瀬執行役員 B案。B案をとったということで。

○山下CIO そこに書いてありますように、A案をとるともう5年以上かかるんで、これはとても間に合わないんで……

○高橋参事官 確認ですが、これはB案ですね。

○山下CIO ええ。

○満塩シニアマネージャ 今の、そうすると6ページの資料にもなるんですが、ちょっとまずは理解という話ですけ黷ヌも、調達物流とかは共用という形になっていますけれども、財務会計、管理会計もシステムに関しては、これはもうまったく個別のものを持つという前提に今のところこれなっているんですかね。

○山下CIO そうです。

○満塩シニアマネージャ そうすると、多分そういったところで大きな数字になっているところの一つは、議論が、一つは前提をどうするかという話にもなるかと思いますし、あとやっぱりちょっと、若干資料があちこちいって恐縮ですが、今日の追加資料とかでも若干思いますのが、例えばリスク遮断のお話とかがあって、2ページ目の方で各事業のビジネスモデルは違いますよねと。ですからそういったものではそれぞれ構築しなければいけないと書かれているんですが、私の個人的意見かもしれませんが、これ分社しなくても、事業としては全く別で、やはりリスク遮断をある程度はやらなくてはいけない、それこそ業法上問題がない程度はやらなくてはいけないということになると、本当にここに書かれていることが私の幾つか、全部とは言いませんが、幾つかが若干、分社化というところに本当にかかっているのか、単に民営化というところで既にこれやらなくてはいけないことではないかなというふうにも見えてしまうところがありますがいかがでしょうか。

○山下CIO おっしゃる意味は、例えば財務会計システムについて民営化された時点では、もちろん先週金曜日にご説明したような形でいろいろな対応をしていかなくてはならない、決算の短期化とか、納税の関係とかやっていかないといけないわけですが、それに加えて財務会計システムについては、私どもとしては、ここで想定しておりますのは、窓口事業、郵便事業、金融事業とは全く前提となる法体系も違いますし、勘定体系も異なるので、別の論理的な区分をしてやらなければいけないのではないかという、別につくらなければいけないのではないかという考え方です。

○満塩シニアマネージャ その場合、それは1事業体であっても同じではないでしょうかという疑問ですが。わかりやすいところで、例えば郵便と金融事業、こちらの方は分社化しない場合でも同じようにリスク遮断を相当制度やらなければいけないのではないかと思いますが、いかがでしょう。

○山下CIO 確かに、民営化されて銀行法、保険業法が適用されたならば、そういった意味での対応が必要になるというのは同じということかもしれませんですね、そこは。

○満塩シニアマネージャ そういう意味で若干、資料4の頭に書かれている分社化への対応事項の中で、そうすると、今ポツ3つございますが、1個目のことが結構上の方に入ってしまうのかなというふうに個人的には思っています。そうすると、今の1事業会社でやるとしたら窓口ネットワークに関してのビジネスモデルの構築というのが若干確かに気にはなるところですがというところかなと。そういう意味では先ほどの宮田先生の前提条件は私もちょっとこの辺は前提条件として上にいってしまうのかなという気はしているんですが。

○山下CIO その辺のところ、むしろ専門家のお話を伺いたいんですが、私どもの感覚では3事業一体の特殊会社というか、株式会社で発足した場合には、例えば人事異動も中での人事異動ですし、分社化になりますと出向とか転籍とかいろいろ変わってくる。同じように、財務会計についてもやっぱり独立した会社で、例えば税務当局のチェックがかかるのと、3事業一体でやっている場合とは違うのではないかという前提でこういうふうに考えたわけです。その辺はむしろ中山先生から教えていただければと思います。

○中山委員長 財務会計につきましては、昨日のお話で今、新しい会計システムを構築中ということで、あれがいわゆる民間の企業としての財務会計システムに相当するのがあれで出来上がるとするんであれば、全く同じものをコピーして郵便、貯金、保険という3社は使うことは可能なのかなという印象は持っています。ただ、窓口ネットワークはちょっと全くあれ想定していない範囲ですので、どういうことをやってどうやって売り上げを立てていくのかということは決まっていない段階ではあの中に当然まだ織り込まれておりませんので、あのままコピーというのは難しいのかもしれませんが、残りの3つにつきましては、既にやっている事業で、それをそのまま財務処理していくわけですから、当然使わない機能が残ってしまうというのはありますけれども、全く同じものをコピーして3社で並行運用して、いずれの時期には入れかえるということも対応可能かなと思いますね。
 あと、税金のお話なんですけれども、資料の4の1ページ目の下にありますように、連結決算、あとどこか先日の話だと連結納税の選択というようなこともお話にもありましたので、連結納税になってしまえば、持株会社の下にぶら下がっている全部100%会社全体を対応とした税務対応ということになってまいりますので、当然個別の税金計算って必要だとありますけれども、それだけではなくて連結納税の対応ということで、同じシステムを使ってそれをコピーするということであってもそれは別に支障は出てこないものというふうに思います。
 当然税務上どうするという、これからまだ折り込まなければいけないものはたくさんありますので、そこがちゃんと織り込まれているという前提ですけれども、それであるならば対応できるのかなという気がいたします。
 それとやはり今までの前提でお話にもありましたように、業法の関係での規制というものは当然我々会計士が監査するだけでも非常に気にするところでありまして、当然銀行業と保険業というのは業法に特有の規制があって、それに従ったデータを出さなくてはいけないと、貸借対照表、連結決算以外のものもたくさん出さなくてはいけなくて、チェックする項目も非常に多くなっていくんですが、これはちょっと私の個人的な感想なんですけれども、例えば今日の追加資料の5ページ目、当然郵便局の中で現金管理を一元的に行っていますが、これをどうしようかという話もありますけれども、例えば郵便局という店舗というのは当面そのまま残っていくわけですと、この5ページ目の3番目のポツにあるように、顧客情報の分別管理というのは、現実には相当難しいのかなと。
 要は端末を例えば保険と貯金と分けて、当然それぞれの情報が見えないようにしましょうというのはもともとの業法の考え方だと思うんですね。それぞれが相手の情報を利用してお客の拡大に、顧客の拡大につなげてはいけないよというふうなことがあるかと思うんですが、ただ実際に郵便局の中に、例えば数名の方がいて、端末を分けたとしても、今だったら当然いろいろ入れかえながら、交代しながら作業を当然されていると思うんですが、この運用の仕方というのは当面こうせざるを得ないのかなと思うと、ここの顧客情報の分別管理というのは現在の郵便局の形態が残っている限り、ちょっと物理的に難しいのかなと。この人は貯金担当、この人は保険担当と分けてもいいんですけれども、担当を分けても、隣の端末をのぞけば見えてしまうという状況では、ここをどう対処したらいいのかなと。これは別にシステム云々というのは別に、果たしてこういう状態の会社ができたときに、一体どこまで金融庁の基準をクリアしなければいけないのかと全く別の問題になってしまうと思うんですけれども、そこは普通の銀行、あるいは保険会社に適用されるのとは全く別な規制というんですかね、これあくまで特例法的な対応をしていただかないと、もう発足した瞬間に郵便局自身はこの業法に反してしまうというようなことが言えてしまうのかなという、ちょっと気にはなるんですが。これはちょっとこのシステム会議とは別なんですが、こういったものもありますので、やはりあらゆるところで特例的な対応というのは当面の間は必要となるのかなと。分社化したとしても、それは残さざるを得ない部分というのは出てくるのかなという気がいたします。

○高橋参事官 今の最後の点について、ちょっと補足しておきますと、私らが郵政公社さんからお話聞いていると、今でも顧客情報はちゃんと分けている。あと郵便局は実は銀行とか保険会社そのものではなくて、実は代理店ですね。代理店の中で、いろんなものをやるというのは、実は今までの法規制にはほとんどない世界です。今までの代理店は、その業法の金融機関だけなんですね、基本的には。ですからそういう意味ではいろんなものをやる代理店というのは結構珍しい話なんで、ですからちょっとこれは金融庁とも相談しなければいけないんですが、新しい法規制というか、そういうのが必要になるのかなというふうに思っております。
 先ほどの税金が大変だとちょっとおっしゃった資料が何個かあったと思うんですけれども、これ中山先生の方からも出ましたけれども、普通の民間のパッケージの会計ソフトを買ってみると、それを一般的には各事業にカスタマイズするという、そういう作業だと思うんですけれども、そうなりますと税金というのはほとんど入っておりますよね。ですからそこは何かちょっと大変だとか言うのは、ちょっとよくわかりにくいんですが、ちょっとご説明していただけますか。

○山下CIO 國領先生がNTTで多分体験されておられるのではないかと思いますが、私どもがNTTさんからいろいろお話を聞いておりますと、納税というのは、要するにシステムはSAPなり何なりが入っているのかもしれませんが、それに対する業務フローをつくるのが大変だということです。私ども、2万局以上の直営の郵便局があって、そこで現行の事務フローとは全く違う、税務署の方から経費として認められるような仕組みをつくっていかないといけないわけですね。そういうものを2万の郵便局でそれぞれやって、それをずっと上げてきて、業務フローをツくった上で、そのシステムに乗せるわけですから、それは私どもとしては途方もない大作業だというふうに理解していますし、それが業務フローの確定の結果としてシステムにつながっていくんだと思います。そういう意味で言うと、決して、SAPに乗っているんだから簡単にできるだろうというような話では全然ないような気がしますが、いかがでしょうか。

○國領教授 ごめんなさい、今公社としてお入れになっている仕組みの会計基準というのは、民間の会計基準に準拠していらっしゃるんですか。

○山下CIO 公社になってから企業会計原則にのっとってやっていますが、まだ例えば中間決算はやらなくていいですし、それから前回ご説明したんですけれども、まだ55日かかってやっとできて、3カ月後に出すというような形で、手作業の部分がかなりありますので、かなり苦労してやっているというのが現状です。

○國領教授 もう発生主義でやっていらっしゃるわけですね。

○山下CIO 形はそうですが。

○間瀬執行役員 一応のっとってということになっているんですが、ちょっと発生主義にはなっていないんです。いわゆる現金主義の部分がかなりまだありまして、ですからそこら辺のところはどんどんどんどん新しい総合的財務会計システムの中でちょっとこれからつくっていこうということになっているわけです。だからちょっとそこら辺はまだまだ郵便局の方は、あくまでも現金主義という状況になっております。

○國領教授 大変だろうというのはとてもよくわかるんですけれども、多分それはいずれというか、どうせやらないといけないことだし、今できてないんだとすると、何かちょっと急いだ方がいいですよという感じのことなんで。大変なのは大変だと思います。

○山下CIO ですから、パッケージがあれば納税対応は簡単にできるというような話ではないと私どもは理解しているんです。

○中山委員長 補足させていただけば、集計計算は会計できるんですね。一番問題なのは、多分実際に作業されている現場の方々、全員の方々だと思うんですね。例えば消費税の処理にしても、これは課税なのか非課税なのか、今まで余り意識していなくてお支払いしたものをそのまま収支に切ればよかったんだと思うんですが、そこの判定を各現場の人がしなければいけないということですね。当然、発生主義の会計になってきますから、発生しているか、していないかという判定、何が発生なのかということをまず理解していただかないといけないという、そこの理解の部分ということですね。やはり法人税の中で見れば交際費になるのか、ならないのか、会議で終わるのかというところも判定基準は何なんですかと。個々の現場の方々がご理解していただかないといけない部分は多数あるとは思います。まさにその辺は今、山下さんがおっしゃっているように、業務フローの見直しというところで、そこのところを現場の方がしっかり理解していって、適切に入力処理していただかなければ、その先いくらいい入れ物があってもうまく計算できませんので、そこがちゃんとできているという前提であれば、今、見直しされている新しい財務会計の中で、必要な法人税、消費税等々の計算というのは可能であろうかなというのは私の理解です。

○加藤座長 ほかにいかがですか。

○中山委員長 今日いただいた資料4の6ページ、先ほどから出ています3,600万ステップの表なんですけれども、この中で、ゆうちょに並んで大きいのは、いわゆる窓口会社のステップ数、約1,000万ステップ以上ということで、新たに追加するやつの3分の1近くがこれにかかってくるということなんですが、窓口会社につきましては、我々の理解もそうなんですが、まだどういった会社になって、どういった会社でほかの3社とやりとりしていくのかというところが全くまだ見えていない部分がたくさんあるかなと思います。この辺もあるので、多分公社さんの方もステップの見積もりというのはかなりラフにやらざるを得ない部分があるのかなと思いますので、この3,600万をいかに短縮、圧縮するか、あるいは期間を短縮するという観点からでは、窓口会社と残り3社との間の手数料の授受をどうしていったらいいのかということを早めに決めてあげないと、本当に窓口会社というのは、コストプラスアルファで、いつも収支とんとん、損益とんとんで生きていければいい会社という認識にするのか、いわゆるコンビニの店舗のように、独立採算的にどんどん収益を拡大していって、自分たちでどんどん新しい店舗を拡大しているとか、そういうことをやっていくように、コストプラスアルファではなくて、完全な請負型にして、中の手数料収入を集めたらいいのかとか、あるいはその基礎をどうするのかとかといったところを相当早目に詰めてあげないと、窓口会社の業務システム、これだけで430万ステップというふうな見積もりになっていますが、これが本当にこれだけ必要なのか、あるいはもっとかかるのか、あるいはもっと簡略化したもので済むのかというのは相当変わってくるのかなと思いますので、非常に単純なコストプラスアルファにすれば多分業務施設はもっとシンプルになってくると思うんですが、いろいろここを複雑にしようとすると、もっともっと倍ぐらいかかるかもしれないというふうな、非常にここは幅がある部分ではないかなと思いますので、ここは相当、公社さんとしてどうしたいのかという意思もあろうかと思いますし、どうあった方がいいのかというところもありますので、ここを早目に詰めていくことが全体数の見積もりには重要なのかなという気がいたします。

○高橋参事官 それは多分最も重要な指摘だと思うので、今有識者会議の方でもそれを進めておりまして、今おっしゃったまさしくコストプラスアルファ的なものか、もしくは取引高に応じた市場ベースなのかという2つの考え方があろうかと思います。それで、どちらにするかということを詰めていっているわけなんですけれども、いずれにせよ詳細制度設計というのを並行して有識者会議でやっておりますので、それが大体決まるというのはそんなに先ではないのではないかなと思っていまして、もちろんこれは山下さんもオブザーバーで出ているので、よくわかっていると思います。
 もちろんそれは移行当初から取引高という考え方もあるし、そういうような考えはあり得るかもしれませんけれども、でもここでしたら、例えば2つの考え方がいずれすぐ出るわけなんで、公社さんで、もしコストプラスアルファ的だったらどうなるのか、それとあともしくは手数料に応じた取引だったらどうなるのかと言っていただいたら、それはそれで非常にわかりやすくなるのではないかなという気がしていますけれども。今の段階で、多分公社さんの方で難しいかもしれませんけれども、有識者会議の方で多分、このあと随分議論が出ると思いますので、それを見ながら、こういう考えだったらこうなるしと。それは有識者会議来ておられればわかるのではないかなと思いますけれども、どうでしょうかね。

○山下CIO ですから、今回の検討の経緯というのはご承知のとおり基本方針が決まって、ただそれは中身が詰まっていないわけです。それで私どもができるかと聞かれたときには、経営に責任を持つものとして相応のリスクを想定しなければいけないわけですから、我々はこういう前提を置いて計算をして、それが3年以上はかかりますと申し上げたわけです。その前提が変わってくれば、期間も縮まるかもしれないということだと思います。それから今日お示ししましたように、大きなものはやはりゆうちょとそれから窓口ネットワークシステムと財務会計、この3つが非常に大きなものでございますから、そこにおいてそれぞれ、いろいろな前提条件を変えてもっとラフにやってもいいということであれば、それは見直しができるわけです。ただ、それは私ども経営の立場から言うと、前提条件がはっきりしないところでできますと言って、その後にいろんなことが決まって、実際にはできない、間に合わない、トラブルが起こるというようなことは、経営責任のある立場からは、とてもできません。従いまして私どもとしましては基本方針を前提とした必要な作業は一応こういうものが想定されるということを申し上げたわけです。その前提条件をここでお示ししましたので、この前提条件は要らないということであればまた計算をし直して、ということだと思います。

○高橋参事官 要らないというか、今言ったように窓口の手数料って2つ考え方あるわけですよね。要するに人件費プラスアルファという考え方と、あと取引高に応じたという考え方があるわけですよね。そしたら人件費プラスアルファだったらどうなるか、それで、あと取引高に応じた考え方というんだったらシステムはどうなるかということは、多分、机上計算だと思うんですけれども。それも難しいですか。

○山下CIO それは来週のワーキングで、先週いただいたご指示を踏まえて、期間を短くするためにはどうすればいいかという点についてご報告します。手数料の問題も当然その検討のファクターの一つになると思います。

○宮田教授 ちょっと一般的な感想みたいなことを言っているんで、ちょっと申しわけないんですけれども、世間一般では、システム少しでもわかる方であれば、郵便とゆうちょと保険というのは今だって独立でほとんど行われていて、システムが問題だというのはよくわからないという意見が割と多いと思うんですよね。ほとんど独立だと。しかし、窓口になったら確かに実は混在していて、これはどうするんだろうか、それは大変だというのはよくわかると思うんですよ。現実にはやはり本来そうだと思うんですね。業務としては、窓口スケジュールはこう、ずっと議論ありますから、ポイントで、そこのところに特例とかいろいろなことで、便宜的なことをA便宜を図れば、もう既に完全にやっていることは不可能と中山さんおっしゃっていますから、そういうことを持ってくれば、そこが簡素化されて、結果的にそれが3事業に対しても特別に、やはり今のシステムをそのまま使うのではないかということにつながってくるような気がするんですね。私は直感的にそうだろうと思うんですよね。
 ですから、今検討していただいているのを窓口会社に対して特例だけを適用すれば、430幾つに減るという話ではなくて、全体の構造自身が変わってくるんだろうと思うんですね。そういうふうな、これは私、基本設計のとおり言っているんですけれども、そういうふうになってこないのかなと思うんですね。そういう検討をしないと、分解したものの一部が変わるのではなくて、全体が変わってくる、基本的な考え方も多分そこだと思うんですね。

○加藤座長 どうぞ。

○天野CIO 少し、僕ら民間ですので、こういう資料を見るときも、お願いで、資料4の6ページ目と、資料4の8ページ目をできれば次回ぐらいにミックスしていただけませんでしょうかというのがお願いでございます。というのは、まず8ページ目でいいますと、窓口ネットワーク会社とゆうちょと財務会計、最後には同じサービスのところになりますので、テストをしなければいけないと、それはわかります。そうすると、この3社の関係のシステム的にどこのところでリンクをすればいいのか、最後だけでいいのか、例えば窓口ネットワークの基本設計のときには既にゆうちょのところのどこかとリンクしなければいけないのかという、多分そういうことはある程度想定されてみえると思うんです。そこが一つと、もう一つは、一番上で窓口ネットワーク会社のところで言うと、概要設計、WTO、ここに書いてある口数、いわゆる人月の、我々で言うとステップ数をどういうふうに読まれたのかというのが、できれば教えていただきたいなというふうに思っています。
 具体的に言いますと、概要設計で、例えば5人の人がこれでいうと6カ月かかりましたとか、民間でいうと、こういうところでのポイントは、概要設計とか基本設計するところは、基本的にはこのユーザー要件というか、どういう業務のプロセスをとるかによってシステム側が決めるというところよりも、ユーザー側のところの決めるところが一番大きいわけですね。そうするとそのところに公社さんの方でそういう方がみえるのかを含めて、実際に頭数は我々の会社なんかでいうと、頭数は、量は集まったんだけれども、全部兼務で仕事が回らないとかいうこともありますので、その辺も含めて教えていただければ、現実解として、もう少しわかりやすいのではないかというような話と、もう一つは多分最後になると思うんですけれども、総合試験のときに、システム屋さんプラス開発ベンダーさんは当然おやりになると思うんですけれども、それ以外にユーザーのところでかなりの教育も含めて、大変な作業が出ると思います。
 先ほどの中山先生ではないですけれども、これ、本当に消費税要るの、要らないのとか、それはシステム側でサポートされているのか、マニュアルで勉強しながらやるのかによっても随分変わりますので、システムの話と実際にユーザーのテストのときにどれだけの人をどれぐらい、期間は書いてあります。どれぐらいの人をこれに充てられるのか、それも分けて教えていただければというふうに思いますけれども。

○間瀬執行役員 今、窓口ネットワーク会社の組み立て方、それから試験のやり方、ご指摘のとおりのところであるんですが、次回のワーキングのときに、そこら辺はしっかり、今、準備しておりますのでお出ししたいと思います。
 ただ、一言だけ言わせていただきますと、先ほど来からお話が出ておりますが、郵便、貯金、保険の今の3事業の縦割りのシステムが現在のシステムでございます。そこを今度、窓口ということで横に切ってしまうというのが今回の会社のやり方、会社の分社のやり方ですので、そこでやはりシステムをやっている当事者としては、非常に苦慮しております。先ほど来からやっぱり出ておりますが、結局どこで切ればいいのかと。どのような事業をやることになるのか、そこら辺のところが、基本方針だけを読んでいると、すごく幅が広く見えるし、ではスタートの段階ではここでいいよと言っていただける人もおられないということで、結局それがどこでどのように決まっていくのだろう、と。
 それから、今日は山下の方から説明させていただきましたけれども、スタート当初を考えるんですが、スタート当初を考えるときにそこまで用意しなければいけないのか、それとも、特例があって、2、3年後にそういうふうになればいいんだと言っていただけるのか、その辺りが多分有識者会議等で決まっていくんだと思うんですが、まだそこが全く見えないために、我々としては幅をどう見ていいのか、そこが非常に苦慮しトいるところで、特に資金の動きとか、それから先ほどの手数料の話とか、そこら辺が直接システムに影響しますものですから。
 それともう一つ先ほどあった訓練、これは全国の郵便局の職員を訓練しなくてはいけないとなりますと、かなりの期間を要しますので、今のところはこれぐらい要る、というふうに、次回、ワーキングのところではご説明させていただきたいと思います。

○高橋参事官 これはどこの切り分けというのは、有識者会議で前に話があって、4つぐらいのパターンが出ましたね。ですから、あの中の議論では、4つ全部ではないですけれども、その中の真ん中の2つぐらいというのが一つの有力なということでしたので、そういう情報というのが公社の方にもいっている、山下さん経由でいっていると思うんですけれども、有識者会議の方のやつというのは資料も全部公開ですし、その中の議論というのも一応公開されているので、そのあたりを見ていってやっていただくと、そんなに全くわからないわけではないのではないかなと。確かに基本方針のところは、ほとんど何も書いてなくて、それはですから今有識者会議でやっているわけなので、もちろんこの切り分けというのは一つの考え方で、全くそこで結論がそうどうこうというわけではないかもしれませんけれども、何かシステムやるときにあのあたりも見ていくと、かなりイメージがつかめるのではないかなと私は思います。もちろんすべてがそこで出るわけではなくて、これから全部見ていって、10月か11月ぐらいになるとかなり具体的になっていくのではないかなと思いますけれども。今週もちなみに27から29日で集中審議やりますので、そのあたりの情報を入れて、あとはすべてのことは最後までなかなかわかりづらいんですけれども、ある程度見ると、大体システム設計に必要な情報というのはかなり入れられるのではないかなと思いますけれども。

○山下CIO 例えば前回の有識者会議の議論をとると、システム設計のための前提としてはほとんど役に立たないと思います。郵便局の、例えば郵便の内務の分け方をどうするとかというアバウトな話はありましたけれども、それはいろいろな仕事がありますから、郵便は集配のための窓口は別途持てるのかとか、その現金管理はどうするのかとかいった、そういった具体的な話をしないと、システム設計の参考とするのはなかなか難しい。大きな方向性は確かに基本方針よりは大分具体化されてきていますけれども、それでシステム面での仕事がすぐ始められるという状況にはないと思います。

○高橋参事官 あのときに要するに組織で分けてしまったんですが、組織で分けるのはいかんという意見が出ましたよね。やっぱりもう一度機能ではないかと。それでしたら、そういう機能で分けてどうなるかというのでしたら、多分、公社さんの方よくわかりますよね。そうすると、そういう機能というか、実際に課の人たちとかそういうのではなくて、やっている仕事というのでひとつ物を考えていただいて、それをベースにちょっとは考えられるし、それがもうちょっといけばもうちょっと具体的になるのではないでしょうかね。

○加藤座長 どうぞ。

○國領教授 大まかな考え方として、有識者会議の方に逆提案するというぐらいがあっていいのではないかという気が私しまして、多分こういう前提条件、最終的にこの会議はできるかできないかということを言うんだろうと思うんですけれども、このときに単にできる、できないというよりは、こういう前提条件があるならばできる、できないとかという話で、ところがそれがアクセプタブルかどうかという、受け入れられるかどうかというのは、我々がとても決められない話なので、こういう前提条件、こういう前提条件、こういう前提条件を想定すると、できるとか、できないとかいう話になったときに、それこそもっともっと高いレベルのところで考えていらっしゃる方々にとってそれがのめるか、のめないかとか、そこはのめないから、ここはのまずに、それでも間に合わせろというから、そのときにはもうこの会議が最終的にやっぱりできないと言うか言わないかと、そういうような話になると思うんですが、余り待って決めてもらう、逆にそうやって外堀埋めると、大抵余計な口数かかるものなので、キャッチボールはしてもいいんですよね。

○加藤座長 今度山下さんが出されるというのは、そういうことを入れて出すわけですね。これはできる、これはできないですね。

○山下CIO 私どもで仕事をしていただいているベンダーさんと一緒作業をやりますけれども、来週までという非常に短い期間でどこまで先生方のご納得のいただけるものが出せるかどうかはちょっと心配ですが、ベストエフォートベースで、例えば2年でやるためにはどこまでの範囲ならできるかということについての前提条件のチェック、今日、私どもは前提としているところをお示ししたわけですけれども、例えばこの前提を先ほどからいろいろご意見が出ていますように、これは特例で認めると、現金管理は一括で構わない、どんぶり勘定で構わないとか、そういった前提を置けば、私どもの能力では本当に民営化だけでも大変だと思っているんですけれども、ここまでであれば何とかいけるかもしれないという、そういった前提条件の見直しに伴う検討結果はお出ししたいと思います。

○加藤座長 ちょっと、私が思うんですけれども、何か話が逆になっている気がするんですよね。つまり2年間でやるとしたら、何をやらないでおくかという考え方が必要なんですよね。とにかく全部すべて完成させようと考えたら、これは大変だと思いますよ。私は天野先生がおっしゃったように、見ているとこれ、COBOL言語でしょう。これ全部そうですか、もう郵政は。古すぎますね。

○山下CIO いや、換算です。

○加藤座長 換算ですか。では実際は使っていないのね。使ってない。ではSEは集まるんですか。

○間瀬執行役員 SEについては、各委託ベンダーのところで、やはり十分に集まるかというと、日ごろの集まっている人数から見ると、もうぎりぎりかちょっと不足するぐらい。というのはSEについていえば、やはりそれなりにシステムを理解している人が来なければ、どれだけ人を集めてもどうにもなりませんので、最大限今やっているメンバーは確保するとして、ぎりぎりかなというふうに考えております。

○加藤座長 いかがでしょうか。どうぞ。

○満塩シニアマネージャ そういう意味では、天野さんがご指摘いただいたところがやはりリソースの今回配分も最後は問題になるのかなというふうに、今の議論もそうだと思いますので、ですからそういったところも現実論として踏まえていくためには必要なことだと思っていますしね。あと、今、今日は6ページとスケジュールの話に結構なっていますが、そういう意味では今特に差が出ている、ステップ数でいえば差が出でいるところに関しては、今後、ご説明があるという理解でよろしいですよね、まずはワーキングなりで。それがあるという、まずは一つ、確認ですが。

○間瀬執行役員 それについては、ご説明できると思います。

○満塩シニアマネージャ ですよね。あとは、ちょっとワーキングの報告資料の中にもありましたけれども、やはりいつから開始するんだという、今日は余りそっちの議論になっていませんが、その議論も踏まえて、多分次回の資料を出していただけるのかなと期待しているというところですね。ちょっとその2点だけ確認したいなと思います。

○宮田教授 山下さんの方ですかね、これでいいというのは前提条件ですよね。これでいいという前提条件をやはり公社さんだけではなくて、もちろんこの会議だけでもなくて、有識者会議があり、準備室がありますから、これでいいというのはやっぱりもう少し明確にしてあげないと結構つらいところがありますよね。しかも業務が窓口会社どこまでやるかもまだ決まっていないという状況ですから、それはそれでステップ数という話が余りにですね、それはぜひ有識者会議も準備室も急いでやっていただくべきだと思いますし、公社としてもシステム的にこれはいいというものは仕分けにとってもいいかもしれませんし、逆提案もあっていいはずなんですよね。私、有識者会議、どういう議論をされているか知りませんけれども、全く独立にやっていけるものではないでしょうから、前提条件とか、これでいいよというのをもう少し明確に共有できるようにしていけばいいのではないかと思うんですけれども。

○山下CIO そういう観点から、今日私どもとしては、大枠として、前提条件としてこういうふうにお出ししましたので、先生方から見て、こういうところはとりあえずいいんじゃないのとかいうのがあれば、来週の作業に向けて役に立ちますので、それをむしろ教えていただけると助かります。来週の作業に向けて、じゃ、これとこれはもうやらないというような形で進められますので、もし皆様から見て、ここは、ここまでは少なくとも最初の3年とか5年ぐらいはやらなくてもいいんじゃないのというような感じがあれば教えていただくと大変幸いなんですが。

○國領教授 それは追加資料、1個ずつ洗ってほしいということですか。

○山下CIO いや、1個1個とは申し上げませんが、ご覧になって、これはもうこんなの要らないんじゃないのというのは、すべてとは申しませんが、何か感じられたものがあったら作業に向けて非常に役に立ちます。

○満塩シニアマネージャ 1つ、最初にちょっと申し上げたところもあるので、ある意味、ある程度明確に申し上げておくと、例えば1番と3番のあたりのリスク遮断の観点からという云々というのがありますけれども、すみません、これ申しわけないですけれども、逆に、分社とは関係せずに必要なのかなというふうに1番と3番などは思ってしまうところなんですがと思います。だから逆に軽減にならないので、申しわけないなと思うんですが、いずれの場合でもこれはある程度、程度問題ももちろんございますが、やらなければいけないところかと思います。

○加藤座長 これは助かりますね。

○山下CIO いやいやそうではなくて、今がむしろ、足りないとおっしゃっている。ただリスク遮断の意味なんですが、今度は基本方針でリスク遮断というのが表に出て、それで分社化しろという話が出てきたわけですから、私どもの今の3事業一体の中でいうと、例えばどんぶり勘定はしていないという意味では、つまり例えばいろんなコストについては分計をして、それぞれ事業ごとに決算をしているという意味でのリスク遮断については我々はしているつもりです。今度はさらにそれを徹底しろということで、この分社化という話が出てきたと思いますので、今よりもさらにそれを進めなければいけないというのが分社化かなというふうに理解して、ただその中身自体まだはっきりしないわけですよね。何を具体的にしなければいけないかという、その辺のところはわからないので、我々としてはこういう形で、例えば財務会計については各会社別にして、あるいは手数料についてもきちっと、税務当局に対してちゃんときちっと説明できるような体制をとるとか、そういうふうな形で考えたのが、今日お示しした前提条件になるわけです。

○高橋参事官 分社化することがリスク遮断ですね。ですから分社化をして、当然に伴うものというのはあると思いますけれども。それは例えば手数料の話なんかはそうかもしれませんね。それは今まで要するに、勘定内取引だったのが、会社間取引になるとか、そういうのはあるかもしれませんけれども。それ以上の話というのは、これは本当に程度問題かもしれませんけれども、例えば、いろいろな金融機関なんかでもシステムというと、どこまでシステムかというのはいろいろあるんですけれども、共有するときもあるし、それでも分社化はしているし、ですから、几帳面に全部分けるかどうかというのは、もちろん全く独立した会社でしたら、それは分けるんでしょうけれども、一つ持株会社の下に入っているというのを考えると、既に4社が上場間近だということではないのですから、そこまでやる必要はないということが、前のワーキングユニットの時に議論されていました。

○國領教授 多分、顧客資産の分別管理の話と、それから損益上のレポーティングの話とで分けて考えた方がよくて、やっぱり政府保証から外れてしまうので、やっぱり資産の分別管理をもうちょっとちゃんとやった方がいいという話は、これは僕、ちょっと逃げられないような気がしました。その話と、当面持株会社のもとでの、そういう意味での事業ポートフォリオの中での損益のリスク管理という話を少し緩やかに考えるという話とは切り分けて考えるべきで、ここで多分おっしゃっているのは、資産の区分管理の話は逃げられないよという話をおっしゃっているんですね。

○満塩シニアマネージャ しかりですね。

○高橋参事官 新旧勘定を分けると基本方針にははっきり書いてあります。ですからそこは分かれますね。ただ、一方で、それを一体的に運用するというのも、書いてあります。そういうふうに考えると、私はシステム的に何がどのくらい難しいのかなと、今まで勘定分けてやったこともありますけれども、非常にきちんと資産と負債をきちんと管理できているときには勘定を分けるというのはかなり計算の話なんですよね。

○宮田教授 私、余り専門ではないですけれども、非常に乱暴なことを言えば、例えば今の考え方、2ページ目、人事給与システムなんていうものは放っておけば、今のままでいいのではないかとか、人事給与システムというのは、給与システムというのはそれは経営のすごい重要なところですから、それは新しい会社がどういう経営方針なのかで変わってきますよね、こういうのは。それを今からつくってしまうということはむしろおかしくて、なるべく現状のままにしておいて、新しい経営に任せれば。ですから、人事給与システムはなるべく基本、現状を守って、当面やらないとか。それから、5ページ目のところは中山さんのご指摘にもたくさんいろいろ特例法を使うというような話がありましたけれども、たくさん入れてくるんでしょうね、多分。
 それから、(5)ですよね。各窓口会社の郵便局、マネジメント支援とありますけれども、これも今は3事業ばらばらでやっているのはそれは3つ並べて管理すればそれでいいのではないか、それを足して合わせるということは一体どういうことなんだろうか。あとお店ごとに、郵便局ごとにいろんな営業形態があって、重みも違うし、それはいろいろ経営が出てきますね、多分、大規模から田舎から。ですから、一括してマネジメント支援のシステムをつくるということは、とりあえずやめておこうと、現状の3つ並んだら3つ並んでそれを足し合わせると、いや、システムだけつくればいいと思うんです。そういう考え方、少し乱暴、大分乱暴かもしれませんけれども、そういうふうな見方はあるのではないかと思うんですよね。特にマネジメント支援については、窓口ネットワーク会社もマネジメント支援というのはこういうことなのか、本当にそうなのか。これやって本当にプラスになるんだろうか、費用対効果が上がるんだろうか、いいんだろうか、それは疑問が残るような気がしますね。これはむしろ、独立もしくは民営化した後に業務改善プロセス、もしくは収益構造を改善するプロセス、こういうのを考えなくてはいけないんだろうと思いますね。いかがですかね、民間会社からすると。

○加藤座長 どうぞ。

○天野CIO 今回とは直接関係ないかもしれませんけれども、分社化、民営化された後のシステムの維持管理というのは、ゆうちょさんならゆうちょさんという各会社で別々に管理されるのでしょうか。

○山下CIO まだそれはこれから議論する問題ですが、とりあえずはそれぞれ全く独立の縦割りで今やっていますから、当初はそれでいかざるを得ないと思うんですよね。ただ将来的には、例えば持株会社のもとにシステム子会社をつくって、そこが全体をまとめて担当するとか、いろいろ議論はしておりますけれども、当面はともかくそこまでの余裕がないので、それぞれで走っていこう。今は存在しない窓口ネットワーク会社については、別途新たなチームをつくって対応していくことで当面はいかざるを得ません。ただ将来的には統合を考えなくてはいけないねという議論はしているんですが、まだ具体的な検討作業にまでは到達しておりません。

○高橋参事官 当面は別々にやるということですか。

○中山委員長 財務会計のシステムなんですが、現在既に見直しの作業を着手されていますので、先ほどの民営化、分社化でなく民営化の部分だけを前提としたような税金、消費税とか法人税とか印紙税の部分、あるいはその見栄えの形状のどこまで範囲で広げていくのかといったような内容については、例えばこの8ページの線表でいうと、もっと前の方にいって、既にスタート済みという部分もかなりあるのかなという気がするんですね。逆に今もしその辺の議論が新しい財務局システムの中でまだ織り込まれていないとするならば、もう既に民営化することを前提として、株式会社化にすることを前提にそういった仕組みもあらかじめ、概要、基本の中に織り込んでいったらこの部分でいうと、左側にずれてくる部分があるのではないかなという気がしますので、すぐには使わない部分だってありますので、なかなかやりづらい部分はあるのかなとは、それはわかるんですけれども、できるだけそれについては前倒しで織り込めていけるのかなという気がいたします。

○山下CIO 今の点については、実は私どもは今経営レベルで議論していますのは、18年4月に向けてやっている現在の作業をとめて、今おっしゃったような形で民営化に向けてプロジェクトを組み直すかということです。ただ、仮に作業をとめても、今日ご説明したような前提で考えると、2007年4月には間に合わないという形になるんですよ、我々の計算でいくと。今、止めてやったとしても。したがいまして、先週金曜日にご説明しましたように、今、手計算でやっている作業をシステム化するとか、中間決算をできるようにする、あるいは決算を早期化するなどの対応をするためには、ともかく今構築中のシステムを先にやらなければいけないという考え方から、18年4月に向けてともかく完成させて、それからまた別途民営化・分社化対応のシステムを再構築する。こうした2つの案を検討しているところです。いずれにしましても、私どものこの前提でいきますと、どちらのアプローチをとりましてもなかなか2007年4月には間に合いそうもないという状況でございます。

○加藤座長 まだ、残っている問題もあるんですけれども、しかし時間がございませんので、もうこれで今日は終わりたいと思っておりますが、この次、山下さんの方で今、出ましたご議論の中でも既にここは猶予してもいいよとかありましたので、その辺のところをぜひ整理していただいて、そしてどんなふうにすれば期間短縮とか、あるいは可能性がどこまで強まるかとかいうことをぜひご報告していただければありがたいと思っております。
 あと、次回につきまして、事務局から説明をお願いいたします。

○高橋参事官 次回会合の確認ですけれども、11月8日月曜日、10時30分から12時でございます。場所につきましてはまた追ってご連絡させていただきたいと思います。
 また、ワーキングユニットなんですけれども、今週の後半に、これはやはりかなり技術的なこともありますので、公社さん立ち会いのもとで、面談、システム会社からヒアリングを行いたいと思っておりまして、この場所の方は一応公社さんの方でご用意いただけるということですね。かなり長時間になろうかと思いますけれども、非常に、よろしくお願いいたします。
 今後の会合での議題とか、ワーキングユニットの検討事項というのは加藤座長の指示を受けまして、今具体的には公社さんの方にいろいろお願いしたところでございますけれども、事務的にご連絡させていただきたいと考えておりますけれども、仮にいろいろなご関心事項、先生方ありますれば、言っていただければ、事務局から随時ワーキングユニットを開催するという形で弾力的に対応させていただきたいと思いますので、遠慮なく申しつけくださいませ。
 以上でございます。

○加藤座長 ありがとうございました。
 大変先生方にはご負担をおかけしますけれども、よろしくお願いいたします。
 今日はこれで終わりたいと思います。どうもありがとうございました。