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郵政民営化情報システム検討会議第3回会合 議事要旨

日時
平成16年11月8日(月) 
10:35~11:55
場所
中央合同庁舎第四号館(4階)
共用第四特別会議室

○加藤座長 本日は、皆様、お忙しいところをご参集いただきましてありがとうございました。定刻になりましたので、始めさせていただきますが、第3回の郵政民営化情報システム会議でございます。
 ワーキングユニットにつきましては、前回以降、2回もお集まりいただきまして、先生方におかれましても、ご多忙の中をご参加いただきまして、ありがとうございました。本日は、竹中大臣にご出席をいただいておりますので、一言、何かごあいさつございますか。

○竹中大臣 皆さん、おはようございます。竹中平蔵でございます。
 今、国会中ということもありまして、なかなか会議に参加できなくて、申しわけなく思っております。委員の皆様方には、本当にお忙しい中、お集まりをいただいて、大変重要な問題について、非常にしっかりとしたご審議をいただいているというふうに承知をしております。
 また、山下CIOにもおいでいただいていますけれども、公社の方でもいろいろご多用いただいてありがとうございます。引き続き、ぜひよろしくお願い申し上げます。
 今日もちょっと私また政務で、途中で中座させていただきますけれども、引き続き、ぜひしっかりとした議論をしていただきたいと思います。
 一点、もう皆様方、いろんなことになれておられるので、言うまでもないと思いますが、本当に、ないことないこといっぱい新聞やいろんなものに出ます。何にも決めていない、こちらがびっくりするようなことを、何か決めたというような記事が週末も出ておりましたし、何か今日も、NHKのニュースでさっきですか、この会議が何か結論を出したというようなことが出ていたらしいんですが、どうぞそういうことに惑わされることなく、しっかりと専門家としての淡々とした議論をお進めいただきたいと思います。よろしくお願い申し上げます。

○加藤座長 ありがとうございました。
 それでは、途中で竹中大臣が退席されると思いますけれども、議題、そのまま議事は進めていただきます。ありがとうございました。
 さて、本日の議題でございますけれども、2007年4月までに民営化、分社化対応を行うことを主要とした場合には、どのような対応が想定されるかにつきまして、公社から説明いただきまして、続きまして、ワーキングユニットにおける検討状況につきまして、事務局から報告を受けたいと思います。その後、先生方からご意見などをいただくことになると思います。
 それでは、早速公社よりご説明をお願いいたします。

○山下CIO 前回の本会合におきまして、2007年4月までに、どこまでのシステム対応が可能か検討するようご指示を頂戴しました。その検討結果につきまして、お手元の資料1、「2007年4月までのシステム対応の可能性」に取りまとめましたので、ご説明させていただきます。なお本件につきましては、先週4日に開催されました第4回ワーキングユニットの場で概略をご説明させていただいておりますので、本日はその後、作成いたしました追加資料を中心に、ポイントのみご説明をさせていただきたいと存じます。
 資料の1ページ目をご覧いただきたいと思います。
 私ども、郵政公社といたしましては、政府の基本方針の実現に向けて最大限の努力を払っていくのは当然と考えております。しかしながら、これまでご説明をしてまいりました諸条件を前提といたしますと、分社化、民営化のためのシステム対応には、どんなに頑張りましても、やはり少なくとも3年間は必要となるとの判断をしております。
 これに対しまして、前回会合等で委員の先生方から、その前提条件を一旦見直し、2007年4月までにできる範囲ということであれば、どこまで対応が可能か検討するようにと、そういうご指示を頂戴いたしました。
 そこで、ここに4つ掲げておりますような前提条件を改めて設定いたしまして検討を行いました。見直しのポイントは、2007年4月まで、対応可能なものに絞り込んだ暫定対応を行い、本格対応は2007年4月以降に先延ばしする。その際、暫定対応と本格対応を分けることに伴って、コスト増が生じる可能性が大きいわけですが、そうしたコスト増等については考慮しない。並びに、法律・政省令・省庁ガイドライン等、システム設計に必要な前提条件のうち、公社外部で決定される事項については、2005年6月までに、つまりシステム稼動の1年9カ月前までにすべての内容が固まること。この2点が大きな変更点でございます。
 2ページ目をご覧いただきたいと思います。
 今回の作業に当たりましては、2007年4月に間に合わせるためには、暫定対応としてどの範囲まで対応が可能かという、専らシステムJ発の視点からの検討を行いました。その結果としまして、後ほどご説明をいたしますように、相当部分の業務が手作業や簡便対応を余儀なくされることになります。そうした業務面での簡便対応等が、法令、制度等の規制面の観点から問題になることはないか、また準備室で現在精力的に進められております制度設計との間でコンフリクトが生じることはないかという点が、クリアすべき課題として残されます。
 また、新会社の経営者にとりましては、b、c、dとして掲げられておりますように、暫定対応期間中は、情報システムから経営に必要な情報が十分に得られない、本格対応の時期が暫定対応を挟むことによって、かなり後ろ倒しになる、あるいは暫定対応を行うことによって、分割損や生産性の低下が発生し、コストがかさむなど、経営上、看過し得ない問題点も発生することになります。こうした視点からの多角的な検討も合わせて必要となるものと考えております。
 3ページ目をご覧いただきたいと思います。
 それでは、まずシステム開発の観点からの対応の可能性につきましての検討結果をご説明いたします。具体的には、対応に長期間が必要と見込まれます窓口ネットワーク会社システム、ゆうちょ総合情報システム、郵便事業会社システム、並びに財務会計システムの4つにつきまして、ベンダー各社さんのご協力を得て検討を行いました。その結果が次の4ページの表にまとめられております。
 この表の網掛けをした部分が、2007年4月までに対応可能な事項、それ以外は先送りを余儀なくされる部分でございます。ここに掲げられております事項のうち、斜字体の部分は、民営化対応に必要なもの、ゴシック体のものが分社化対応に必要なものとなります。また、太い破線で横線がそれぞれのシステムに入っておりますが、これはその破線より上の事項につきましては、法令等を遵守するために必要なものを示しております。さらに下の点線は、新会社の経営を円滑に行っていくために必要なシステムという意味でございます。
 この表をご覧いただきますと、例えば一番左の窓口会社のシステムにつきましては、新規構築にはどうしても3年以上の期間が必要となりますので、2007年4月にシステム対応を間に合わせるためには、新規構築を先延ばしし、既存の3事業システムを改修して転用することが必要になります。
 具体的には、左の上にありますように、各郵便局における事業単位の日計表の作成、これは3事業のシステムからデータをもらって作成することになります。もう一つの各郵便局における資金管理につきましては、ゆうちょのシステムの改修を行うことにより、事業ごとの区分ができるようにいたします。ここまでが精一杯でございまして、その下の販売収入・手数料対応、受託事務の取引実績把握などの業務管理対応、あるいは郵便局単位の収益管理などの経営支援対応などは、システム対応はできません。
 次の、ゆうちょ総合情報システムの場合には、もともと民営化対応だけで、目一杯となっております上に、ただいま申し上げました窓口会社システムへの転用の作業が加わります。このため、分社化対応としましては、窓口会社が新設されることに伴う勘定科目の整理、現金出納方式の変更等への対応が精一杯ということになります。その結果、民営化に伴う納税事務対応の一部が手作業を余儀なくされることになりますほか、手数料対応、預金保険機構への加入対応など、多くの事項が先送りされることになります。
 また、一番右の財務会計システムでは、現在構築中の財務会計システムの作業を中断し、民営化対応に向けて、基本設計をやり直すことによりまして、網掛け部分にあります事項への暫定対応を行うことは可能でございますが、各事業会社の財務会計システムの構築は先送りされ、必要な財務諸表の作成等につきましては、基本的には、財務会計システムから得られるデータをもとに、各社で手作業対応を行うこととなります。
 5ページをご覧いただきたいと思います。
 5ページ以降は、2007年4月の暫定対応のために先送りとなる主要事項と、その問題点が整理されております。ここには全部で9つの項目が挙げられておりますが、このうち3つの項目についてご説明をいたします。
 その第1は、この5ページの窓口ネットワーク会社システムにおける受託業務管理機能、具体的には、上にありますように、各郵便局からの情報収集、全局の販売、受付等の実績情報の管理、分析などの機能でございます。このシステムを先送りしますため、窓口事業会社は、3事業会社から提供される取扱件数等のデータを使用して実績情報を管理する暫定対応を行います。したがいまして、窓口会社は、経営基本情報すら委託先に依存することとなり、経営者による独自のマネジメントが制約されることとなります。また、窓口会社としては、委託者の提供するデータに依存、依拠するしゥありませんので、窓口の契約管理が行えない、あるいは正確な販売実績の把握、受託手数料の算定や原価計算等ができませんので、金融機関代理店向け規制や税法上の取り扱いで問題とされる可能性があると思われます。これでは問題があるということでありますと、何らかの対応を準備室の制度設計に際して、ご検討いただくことが必要になるのではないかと思われます。
 10ページまで飛んでいただきます。10ページでございます。
 2つ目は、このゆうちょ総合情報システムにおける手数料算出対応の先送りでございます。これによりまして、窓口会社とゆうちょ事業会社の間の手数料算出となる数値は、既存のゆうちょシステムから得られる計数を基礎に、手作業集計を余儀なくされますため、迅速かつ正確な手数料の算定・決済ができない可能性がありますほか、両社間で手数料決済額に疑義が生じた場合には、窓口会社側に独自のデータがないため、調査、検証を行う手段がないということになります。このように、取引実績に基づく正確な手数料の算定が担保されず、またデータの算出に時間がかかる場合には、財務諸表の提出期限や金融機関、代理店向け規制に抵触するおそれがありますが、この問題をクリアするためには、何らかの対応が必要となる可能性があるものと思われます。
 次に、12ページまで進んでいただきたいと思います。12ページでございます。
 第3に、財務会計システムにおける各会社の会計システム、資金管理システムの分離の先送りでございます。これに伴いまして、②にございますように、法律・制度面では、銀行業法、保険業法に対応したシステム構築ができず、手作業を交えた暫定対応となります。このため、財務諸表作成に多大な労力を要しますことから、納付税額の確定を含め、所定の期限に間に合わないリスクがございますほか、貯金、保険会社の財務データが、窓口会社や郵便会社から参照できるというリスクもございます。こうした問題に対応するために相当数の手作業要員の手当とともに、金融機関規制面等で何らかの経過措置等を講じる必要がないか、検討が必要となるものと思われます。
 以上のように、2007年4月までにできる範囲内にシステム化を絞り込むことによりまして、多くの必要な機能のシステム化が先送りされ、手作業等での暫定対応が不可避となりますため、場合によりましては、金融機関規制面等で一定の経過措置の付与が必要となる可能性があるものと思われます。こうした前提条件の変化は、準備室で現在進められております制度設計の作業を制約するものとなりかねません。したがいまして、もし仮に、2007年4月に、このような形で暫定対応を行うことでスタートすることを検討する場合でも、本検討会議でそうした結論を出す前に、この前提でシステム開発作業を進めることで問題がないことを準備室でご確認いただくことが必要となると考えます。
 14ページまでお進みいただきたいと思います。14ページでございます。
 この14ページには、2007年4月に暫定的にシステム対応する場合のスケジュールをお示ししております。いずれも上の段が2007年4月までの暫定対応、下の段が本格対応についての想定スケジュールでございます。例えば一番上の窓口会社システムにつきましては、基本的に、ゆうちょシステムの改修で、2007年4月までの暫定対応を行い、本格対応につきましては、別のチームを立ち上げて、ご覧のように、約4年をかけて新規構築を行うスケジュールを想定しております。
 15ページに進んでいただきたいと思います。
 15ページ以降は、2007年4月に暫定的にシステム対応する場合の工数及びその後の本格対応に想定される工数をそれぞれ工程別にお示ししておりますが、時間の関係もございますので、説明は省略させていただきます。
 恐縮ですが、19ページまでお進みいただきたいと思います。
 最後に、ただいまご説明をいたしました暫定対応を検討するに当たっての留意事項について、3点指摘させていただきたいと思います。
 その第1は、この暫定対応は、2007年4月をターゲットに最大限どこまでできるかを検討したものですので、制度変更に関する決定内容、及び決定時期等がシステム構築の成否を決める大きなファクターになります。したがいまして、冒頭に申し上げましたように、2005年6月末までにシステム対応に影響する法律、政省令、ガイドライン等の内容が固まらない場合には、2007年4月の暫定対応が難しくなるリスクが存在することであります。
 第2は、ただいまご説明した暫定対応では、事業会社・窓口会社間の手数料が課税されることを想定しておりません。仮に、これに課税されるということになりますと、手数料算定に関する納税データ作成のシステム対応は困難ですので、手作業対応で行うほかはなく、円滑な納税対応が行えないリスクがございます。
 第3に、この暫定対桙ヘ、システムベンターの皆さんにとっては、構築期間が非常に短く、また、仕様変更のリスクが高いため、受託するリスクは極めて高いものと思われます。
 本日は、ベンダーの代表として、NTTデータの重木取締役に出席していただいておりますが、なかなかベンダーさんにとっても難しいプロジェクトということになるのではないかと考えます。したがいまして、こうした暫定対応を可能にするためには、公社及びベンダーサイドで、作業の前倒しに最大限の努力を行うことは当然として、あわせて早期の要件確定に向けての準備室のご協力が不可欠の前提となることを改めて強調させていただきたいと存じます。
 なお、資料2は、10月29日の第3回ワーキングユニットでベンター各社からの説明資料として説明させていただいたものを、改めて提出させていただいております。私からの説明は以上でございますが、前回、ワーキングユニットで天野委員からご質問がございましたテスト及び訓練の関係の想定等につきまして、間瀬執行役員の方から追加的にご説明させていただきたいと思います。

○間瀬執行役員 説明させていただきます。
 追加資料で、「主要システムにおける運用試験・訓練に係る想定スケジュール・規模」という資料をお開きいただきたいと思います。
 まず、訓練の関係ですが、1ページ目をお開きください。

○山下CIO 一番最後にあります。

○間瀬執行役員 一番、窓口ネットワーク会社システムの職員訓練とございますが、実際は現在一番大きい人数であります郵便局の職員をどのように訓練するかということでございます。訓練の対象は、約8万3,000人。訓練につきましては、端末訓練で約8時間、これに座学も入れますと、2日間コースになります。郵政の場合の訓練で一番ネックになりますのが、ご存知のように、年末年始の繁忙期間がございます。12月初旬から1月中旬まで、繁忙期間のため、訓練期間に使えません。ですから、この時期を除いた期間での訓練になるということでございます。
 2ページ目をお開きいただきたいと思います。
 2ページ目は、ゆうちょ総合情報システムの運用試験、これは訓練を含めた期間でございますが、全システムを連動した連続運転試験を約18週間、この中で、先ほどの職員訓練を含めて展開することになります。
 それから、システムの移行のリハーサル、これにつきましては、約3週間で東日本が2回、西日本計算センター1回を別々に実施する予定にしております。
 それから、今回、窓口ネットワーク会社が新設されますので、全会社間、それから決算システムも大幅に変わるということもありまして、全会社間の連動試験、これらについて2回やるわけでございますが、これらについては、時期的にはこの連続日付、日回し試験と書いてございます中で、2週間をとってインターフェース等の試験をやる予定でございます。
 そのほか、窓口ネットワーク会社の運用試験、財務会計の運用試験の資料がございますけれども、基本的にはゆうちょの考え方と合うことになりますので、省略させていただきます。
 一番最後のページにA3版で資料をつけさせていただきましたが、今回の民営化、分社化で一番大きく影響が出ます、ゆうちょ総合情報システムにおける民営化、分社化対応の想定の要員数をグラフ化したものでございまして、最大のピーク時につきましては、委託先で1,772人、本務者で82名というような形になってございます。
 資料については以上でございます。

○加藤座長 ありがとうございました。
 大変重要なポイントをご指摘いただきまして、大変参考になりました。
 続きまして、ワーキングユニットにおける検討状況につきまして、事務局から報告をしてください。どうぞ。

○高橋参事官 前回に引き続きまして、座長のご指名でございますので、私の方からワーキングユニットの概要のご報告を申し上げますが、重要なポイントもございますので、先生方からもぜひ補足をお願いしたいと思います。
 先ほど、座長からご紹介いただきましたように、前回会合以降2回、10月29日に第3回、11月4日に第4回のワーキングユニットが開催されました。そのワーキングユニットの概要でございますけれども、資料3と4という形でまとめてございます。
 第3回でございますが、10月29日、ほぼこれ3時間強でございますけれども、郵政公社さんの方のところの理事会室で開かさせていただきました。メンバー全員にご参加いただいたわけでございますけれども、郵便、貯金、簡易保険のシステムの現状や、民営化、分社化対応についての考え方等、窓口ネットワーク会社に係るシステム対応の思案につきまして、公社、ベンダーからご説明をいただきまして、その後、質疑応答、意見交換を行いました。その際の概要はお手元の資料で、資料3にまとめてございますが、この回の議論ニいたしましては、基本的には2007年4月というゴールから逆算いたしまして、システム開発を考えるとどうなるのかというご指摘をいただきましたことが重要かと存じます。
 この資料3の方の2つ目の丸、会議メンバーからの主要な意見で挙げますと、この2つ目のポツでございますけれども、2007年については、あくまで現状を分社化することがシステム上可能かどうかに絞って検討すべきという点が重要かと存じます。
 このご指摘を踏まえまして、第4回のワーキングユニットでは、さきに公社から説明がありました資料を議論することになりまして、それを踏まえて先ほどのご説明をいただいたわけでございます。
 次に、第4回でございますが、これは天野先生、宮田先生、中山先生、満塩先生にご参加をいただきまして、先ほど公社のご説明がございました資料、これはワーキングユニットの議論を踏まえて書かれておりますけれども、その前のバージョンの資料につきまして、公社から説明を受けまして、その後、質疑応答、意見交換を行いました。その際の概要がお手元の資料のうち、資料4にまとめてございます。こちらも時間の関係がございますので、本検討会議のミッションにとって重要な部分のみを2点、ご紹介させていただきます。
 第1点でございますが、2つ目の丸、会議メンバーからの主な意見等の最初のポツをご覧いただきたいと思います。
 当初から本格的なシステム対応を進める方が、新経営陣による新たな経営戦略やビジネスモデル策定を受けての仕様変更のリスクが高いのではないか。当初は2007年4月までに可能な暫定的対応を進め、本格的なシステム開発は新経営陣の判断に委ねる方がむしろリスクは軽減されるということでございます。
 従来、公社のご説明のスタンスは、公社の用語法で言いますと、経営支援機能ということになりますが、受委託手数料設定のためのバックデータを典型例といたしまして、いわゆる管理会計的な計数を把握、分析するためのシステム構築を目指すというものでございました。もちろん、分社化後の各事業会社が市場において自立していくためには、最終的にはそうしたシステム構築をすることは不可欠であると思いますが、その点、公社のご主張は、最終的な目標については、基本方針の精神をお酌み取りいただいたものと受けとめております。しかし、各事業会社、民営化、分社化当初は、あくまで同じ持株会社傘下の100%子会社である一方、その後はそれぞれの経営陣の経営判断に基づきまして、グループ内取引のあり方を含め、効率的な業務運営を目指していくわけでございますので、その際どのような計数を把握分析すべきと考えるか、まさに経営判断の重要な一部分でございます。
 したがいまして、現状を前提にシステムを構築し、それがかえって新経営陣の経営判断の桎梏となったり、逆に、新経営陣のニーズを取り入れるためにシステム開発全体がおくれてしまっていたりすることがあってはならないのではないかということでございました。言いかえますと、2007年4月までに可能な暫定的対応といいますと、どちらかといいますと妥協的な、あるいは後ろ向き的なニュアンスととらえがちですけれども、ここではむしろ積極的にその意義を評価することができるのではないかというご指摘がございました。
 第2点でございますが、2つ目のポツでございます。
 読み上げますと、対応できなかった場合のリスクといっても、影響が顧客に及ぶものと社内にとどまるものがあり、その際に必要となるコストも異なるので、リスク評価はそれらを考慮して行わなければならないということでございます。
 公社の方からは、暫定的な対応を進めた場合のリスクをリストアップしていただいたわけでございますが、同じリスクといっても、重大なものもあれば軽微なものもございますし、そうした違いを踏まえ、それぞれのリスクをどう評価し、どう対応すべきかという点が定まってまいります。公社から暫定対応とされるものや先送りされるものがそれでいいのかどうかを検討するに当たっては、そうしたリスクの影響も考えて行う必要があるというご指摘をいただいております。
 なお、リスクを評価する際のファクターとしては、そのほかにもリスクが現実化する確率ですとか、その際のリカバリーの難易度とか、そういったものがございます。さらに、これが法令に触れる話なのか、それ以外なのか。これらの点につきましては、現在公社にお願いしております具体的な工数分布という、張りつけの見積もり等を見ていくことが重要かなというふうに考えております。
 事務局からは以上でございます。

○加藤座長 ありがとうございました。
 それでは、前へ戻って、足りないところを何か、参加の先生方から補足することがありましたら、どうぞおっしゃってください。よろしゅうございますでしょうか。何かございましたら。どうシ。

○満塩シニアマネージャ そうしましたら、今リスクのお話が出ましたので、そちらに関連してお話しさせていただきたいと思います。
 今回、スケジュール等、見させていただくと、やはり何に対応できるかというところの選択、抽出というところがやはり難しいポイントだと一つ思っております。それとまた、やっぱり検討のスタートのタイミングが重要かなというふうに思っております。1つ目の対応できる機能の抽出に関しましては、今お話ありましたリスクをベースに、やはり考えていかなければいけないのかなと。前の4回のワーキングの資料にもありますけれども、代替手段、ご検討されているというご報告もありましたので、そちらの方を検討して、やはり抽出を正確にしていかなければいけないかなと。今の資料の中だと、割とざっくりした、まだ言い方になっていますので、具体的に手作業の中にどれぐらいの精度が出るのかとか、そういったところは若干必要なのかなというふうに思っております。
 あと、検討のタイミングに関して、やはりもうちょっと詳細にやっていただいた方がいいかなと思っていますのは、本当に法令等に関連するところと、一般的な企業で考えられる業務の設計、特に郵便局の、現金の取り扱いだとか、そういったものをまだ今のところ明確ではないということでありますので、そういったところに関しましては、前倒しをして検討されることが重要なのかなというふうに思っています。そういったところは、私がワーキング4回までに関しまして思ったところだと思っています。

○加藤座長 ありがとうございました。ほかにいらっしゃいませんか。

○天野CIO 私の方から2点お願いしておきます。今日は暫定システムの稼動ということで、2007年4月を目標にやっていただけるという話になりますけれども、私どもがこの会議の中でよくわからない点が2つありまして、いずれにしても数百億円規模の開発になります。その量について我々、残念ながら査定できておりません。そういう中で、前提条件として先ほどもおっしゃいましたように、公社さんの方からは、早く法令とか政令をあるタイミングまでに出してほしいと。多分、それはどこまでのものが出るか、私たちはわかりませんけれども、いずれにしても公社さんと政府の間でのその辺の仕様の詰めのところについては、引き続き何らかの、ワーキングつくるなりして、きちっと意思の疎通をとるようなことをぜひお願いしたいなというのが一つと、もう一つ、私特に、民間でいいますと、システムを開発する、とりあえず規模感はわかりましたけれども、システムの開発の手順、私たちでいうと、大規模システムになりますと、社長が出てきて、みずから右だとか左だとか言います。そういう意味でいうと、公社内の、例えば総裁を頭にした開発の手順というか、推進会議をつくって、必ず日程を守るためにはどうしたらいいんだと、これは公社内で解決すべきことなのか、ベンダーさんにお願いすることなのか、大臣の方にお願いすることかということを、例えば月々きっちりフォローするというようなことをぜひやっていただきたいなというのと、もう一つは、出てきました見積もりに対して、どれだけスリム化できるかということも一つポイントになります。それは、公社さんの仕事の仕方を、多分少し変えなければいけないところがあると思いますので、そういう自助努力も含めながら、開発のリソースの投入計画とスケジュール表をきっちり見ていただければというふうに思っております。
 以上です。

○加藤座長 ありがとうございました。ほかの方、どうぞ。

○宮田教授 暫定的なやり方というのは、大きな、資料3、4にありますように、ワーキングユニットでたくさん長い時間議論いたしましたけれども、暫定的なやり方というのが、いろいろな条件とか対応とかあるわけですけれども、それさえクリアできれば、できるのであれば、大きな経営が変化するときに、システムをあらかじめ設計してしまって、新しい経営をするというのはむしろおかしな話で、システムはできる限り最小限の変更にして、新しい経営に委ねていく方が。
 今の公社さんの説明ですと、2段階になってかえっておくれるという説明でしたけれども、むしろその方が、できる限り小さい規模の変更といいますか、システム構築にして、2007年4月以降に経営陣と一緒に、新しいシステムを設計し直すべきだと、最初から私ずっと思っていたんですけれども、公社さんのいろんな今日の資料にありますように、暫定的な処置のやり方を見てみますと、可能であると私は印象を受けました。ですから、そういう方向でやるべきだろうと思います。

○加藤座長 ありがとうございました。ほかにございますか。どうぞ。

○中山委員長 財務会計のシステムについて、今、現行版というんですかね、開発を中断しているシステムというんですか、決算を早期化するための新システムというのが既に存在していて、今、それをとめて、それがないというか、もう一度一から立ち返るという形で、この4ページの網掛けの部分とか、あるいは斜体の部分等をつくられているかと思うんですけれども、少なくとも今の早期決算のためのシステムの開発というんですかね、それに関しては、そのまま使える部分、かなりあるのかと思いますので、それはそのまま進めていただく方が、中断よりは先にとっていいのではないかなと。そこに織り込まなければいけない部分というのは、当然民営化の部分、税金の計算、先ほどですと、19ページですと、消費税について一応今、未対応の状態で用意されていますけれども、これも当然、消費税課税されるという前提が入ってくると思いますので、課税された場合、どこまでだったら、どういう取り引きであれば課税にも対応できるのかという前提で織り込んでいっていただいた方がいいのかなと。これ課税されないで済むということはまずあり得ないと思いますので、逆に言うと、今の場合だと、今のやり方をとると課税されたら、課税に対応できないと。逆に言うと、課税されても対応できるのはどういった取引形態であれば対応できるのかと。逆算式になってしまって、本筋ではないとは思うんですが、それも今回の場合でいうとやむを得ない部分もあるのかなという気がいたします。
 あるいはあと、決算については月次決算、四半期決算と、これ民営化対応で、当然民営化された会社さんは皆さんやられていると思いますけれども、公社さんとして一体どこまで、いつ、四半期決算、月次決算をやりたいと思うのか。そこのスケジュールとあわせて、当然一緒に考えていった方がいいのかなと。いきなり月次というのは難しいと思いますので、年度が半期になって、それをできるだけ早くするというところからスタートして、さらに今度四半期を早くスタートしていくと。四半期が適切にできるようになったら次は月次という、やはり順番もあるかと思いますので、まずは決算の早期化に対応できるようなシステム開発というところを、今中断されているということですが、それをもう一度直していただいた方がいいのかなという気がいたします。

○加藤座長 それでは、どうぞ。

○山下CIO 今のまず中山先生のご指摘ですが、私の説明の仕方が悪かったのかもしれませんが、新財務会計システムにつきましては、現在、2006年4月のスタートを目指して構築中でございます。今、ベンダーさんといろいろ相談しておりますが、2007年4月の民営化対応のためには、現在のシステム開発を一遍とめて、基本設計をやり直さないと間に合わないということでございます。ただ、まだ現段階では、2007年4月にどのような形で民営化するか決まったわけではございませんので、引き続き構築は進めているということでございます。  それから、消費税の関係でございますが、私どもとしましては、政府のご方針により、新たに窓口会社というものができることによって生じる内部取引に、500億円以上もの消費税がかかるということは、なかなか納得がしがたいということでございまして、そこは反対であると主張はさせていただきたいと思います。ですから私どもとしては、そういうことはないということを前提に考えているということをお示ししたということです。
 それから、宮田先生からのご指摘の点でございますけれども、先生がおっしゃることはよくわかるんですが、一方で私ども経営者の立場からは、やはり民営化されて、その日から民間会社として、株式会社としてマーケットで闘うということであるとすれば、一定の、最低限の装備というのは持たないと経営はできないのではないかと考えております。そういうことでいうと、最低限の装備として、どこまで持つべきかという観点から検討し、説明をさせていただいたわけでございます。先生がおっしゃるように暫定対応だけでいって、民営化後に3年間かけて本格対応をやるということですと、その3年間の暫定期間は、別にライバルたちは待ってくれるわけではありません。そういったところの問題をどう考えるかという点が多分経営者と、それから先生方との立場の違いかなという感じがいたします。
 それから、天野委員からのご指摘でございますが、第1の点の、これから暫定対応の方向で行くということであるとすれば、特に業務フローをどうするか、業務が回るのかというのは非常に大きな問題になります。業務フローを詰めて、準備室に対して早く決めていただかなければいけない要件についてリストアップして、早期にご検討いただくということを要望するということになると思います。
 それから、もしこういう形で短期間、1年9カ月なり2年間で、こういった大プロジェクトをやっていくということであれば、天野さんご指摘のようなプロジェクトマネジメント体制をきちっとやっていかなければいけないと思うわけですが、資料の1の2にィ示ししましたように、私ども、IT要員が非常に不足している、また体制も弱いということでありまして、こういったことの強化も含めながら、抜本的な対応をしていかなければやっていけないなというふうに考えております。
 以上です。

○加藤座長 ありがとうございました。
 大臣が退席されましたけれども、天野先生のご意見は、恐らく竹中さん今、考えておりまして、どういうふうに進めようかということで、恐らくお聞きになっておられましたので、お考えになると思います。
 それから、新経営陣もやっぱり新経営形態になってから何かやるという、これは非常に一つの考えですけれども、ある意味でいうと、いつか必ず来るわけですから、そういうシャドーキャビネットをどういうふうにしていくかなんていうことも、ある程度考えながら進めざるを得ないのではないかというふうに思っていますので、恐らくその問題も対応すると思いますが、それと同じように消費税も同じような意味で、どういうふうにすればいいのか、今、税制調査会でもひそかに検討しているようでございますから、よろしくお願いいたします。
 ほかにご意見ございませんか。
 先ほどの公社からのご説明でも、いかがでございますか。何か問題がありましたらお出しいただきたいと思いますが。どうぞ。

○満塩シニアマネージャ 今日、追加資料で出されました試験スケジュールの今までのスケジュールとのマッチングをちょっと確認だけさせていただきたいんですが、今、資料1の14ページのところのスケジュールと、どうマッチングされるか、ちょっとご説明いただきたいんですが。

○間瀬執行役員 お答えします。
 14ページの、今回のスケジュールでは、14ページの下段のスケジュールのそれぞれの会社の運用試験、訓練、ゆうちょは移植、訓練という名前になっておりますが、そこのところに合わせてあります。
 では暫定のときの移植、訓練はどういう状況になるかということになると思いますが、運用試験・訓練は、要らないというわけではなくて、先ほどご提示しました、2ページのスケジュールを見ていただきたいんですが、暫定の場合は、開発期間がぎりぎり12月いっぱいまでほとんどのシステムはかかってしまいますので、残された1月、2月、3月の3ヶ月になります。本来ですと、10月から6カ月間程度の訓練なり確認ができるんですけれども、暫定でやる場合につきましては、ぎりぎり12月までどのシステムも開発にかかってしまいますので、1月、2月、3月の半分でやるということになります。先ほど来、話しておりますけれども、暫定のシステムにつきましては、訓練について、不足気味になるかもしれませんが、半分ぐらいの期間でやりたいというふうに考えております。

○加藤座長 どうぞ。

○満塩シニアマネージャ そうしますと確認ですが、暫定対応の場合は、訓練期間、内容等は、その3カ月等で、十分とはもちろん申しませんが、何とか可能かなというところでしょうか。

○間瀬執行役員 特に、財務会計のシステムは既存のシステム、今開発中の既存のシステムに手をつけてやるということで、そちらの方の訓練の、中でいけるんだろうと考えているところです。本格版になりますと、やはり大幅に財務会計の仕組み等が変わりますので、訓練期間は倍近くは要ると思っております。ですから、暫定でやるために、今の業務フローを基本にしてやるということが前提となります。

○加藤座長 よろしゅうございますか。ほかにございますでしょうか。どうぞ。

○天野CIO 差し支えなければでございますけれども、多分、今度の暫定のシステムのときにはネットワーク会社というか、フロントの業務というか、ハードウェアの設備も含めて、ほとんど対応はされないですよね。本格版になったときに、購入方法とかいろいろなオペレーションの話があって、ハードウェアは多分変更されると思うんですが、それはそういう意味でいうと、どれぐらいのタイミングになりそうだというふうに、お考えがおありになったら教えていただきたい。というのは、これ、多分その次のときも、何万局というところをおやりになるときには、非常にまた大変なことになって、そっちのときの方が今回の話よりも、郵便も含めて随分大変になるなという気がしましたので、質問させていただきました。

○山下CIO その点は非常に大きなポイントでございますが、現段階では、窓口ネットワーク会社というのが、どういう会社になるのか決まっていない。例えば、金融の代理店業務をやるというふうに想定されているわけですが、民間金融機関との関係がどうなるかとか、どういうビジネスをどういう業務フローでやるかということについて、まだ検討が始まったばかりの段階でございます。この間のベンダーの説明にもございましたように、私どもとしては、窓口端末につきまして、そうした窓口会社のビジネスェ一体どういうふうになるかを踏まえた上でないと検討できないということでございます。それから、そのときにご説明いたしましたように、窓口端末自体を抜本的に変える場合には、やはり5年は必要であるということでございまして、これは、まず窓口ネットワーク会社のシステムの本格対応を始める中で、新しい経営陣が、これから窓口ネットワーク会社というのをどういう会社にしていくのか、そのためにはどういうIT基盤が必要で、どれだけの投資をして、投資採算からみて可能かとか、そういうことも考えながら検討していくということです。現段階では、どこの段階でどの程度のことをするかというのはまだ、大きな検討課題として残っているとしか言いようがないというふうに思います。

○加藤座長 どうぞ。

○宮田教授 3年以上必要という、最初の案がありましたよね。あのときも一番変化が激しい、大きい変化が求められているのは窓口システムの方ですから、3年以上かかるという案も究極の案ではなくて、過渡的な案だったんですね。A案、B案とありまして、そのうちのB案の方、現状をなるべく使うという案で3年以上かかるということだったんですね。本格的に全部変えてしまうには、今お話に、5年とかになるわけですから、そういう案があってさらに今度のワーキングユニットで詰めていきましたのがもっと暫定的な案で、7年4月に間に合わせると。いろんな段階がありまして、つまり要するに、窓口システムというのはまだよくわからないという状況なんですね。とすれば、最小限の費用と最小限の労力で現状のものを継続して使うのが一番正しい解だと、私は思うわけです。

○加藤座長 何か。

○山下CIO 先ほどご説明しましたように、私どもは、暫定対応を考える場合には多様な視点からの検討が必要だと申し上げました。大きく3つありまして、システム開発の観点から、リスクをミニマイズしながら間に合うかということが一つ。それからもう一つは、そうした暫定対応が法令上、あるいは今準備室で進められている制度設計との間でコンフリクトがないかということ。それから3つ目は、やはり民営化会社として新しい経営をするわけですから、それがきちっと経営できるような最低限のIT基盤ができるか。この3つの視点から検討する必要があると思います。ですから、宮田先生のおっしゃることはよくわかるんですが、最初のシステム開発の視点に限ればそういうことになるのかもしれませんけれども、あとの2つの視点でどうかというチェックが必要ではないか、システム開発のリスクとともに他の2つの視点からも心配事がたくさんあるということでございます。

○加藤座長 宮田先生、よろしゅうございますか。

○宮田教授 心配事はもちろん取り除かないといけないわけですから、それはそれなりの対応とか、いろいろな条件とか、便宜的なやり方とかいろいろあるんだろうと思いますが、それはもちろんご心配でしょうけれども、それを何とかクリアしてできるのではないかということでございます。

○加藤座長 これは技術訓練なんかはあれですか、今のベンダーの方が皆おやりになるんですか。新しく応募される。

○間瀬執行役員 窓口ネットワーク会社につきましては、新しいベンダーになると思います。そのほかにつきましては、現在やっている、担当しているベンダーでお願いすることになると。

○加藤座長 ほかにございませんか。どうぞ。

○満塩シニアマネージャ そうしましたら、4ページ目のところの、ごめんなさい、資料1の4ページ目のところで、現在対応のところと、対応できないというところがございますが、特に対応できないところが、やはりちょっとお話伺っていますと、まだ詳細にちょっと若干落ちていないような気がして、そうするとちょっと我々としても判断が若干難しい気がしているんですね。納税対応ができないというのも、全くできないわけではないと思いますので、どのレベルでできるのかというところが一つポイントかなと思います。
 あとは、そうしますと、通常考えるとそれを関係者、関係する部門とかに、部門なり組織なりに確認をとるというような作業に落ちるのかなとは思うんですが、その辺が今回の議論の段階でどこまでやるのかというのは、ちょっと事務局的な話かもしれませんが、あとは対応としてもどこまで郵政公社さんができるかというところはちょっと気になるところというところでは思っておりますが。これは事務局なんでしょうか。どうでしょうね。

○高橋参事官 納税対応の話だけでいけば、今でもあれですよね、公社さんは消費税は払っておりますよね。たしかその数字は受けているんですけれども。それで、税務署的にいくと、絶対に対応ができないことというのは、実はないですよね。何らかの形で計算をしてもらって、納税をしないと多分脱税になってしまいますので、それはシステムの有無とか関係なく、税務対応はしていただくわけですね。ですから、それはシステムがないとどうなるのかという問題に多分なるんだと思うんですけれども、それはあれですね、どちらかというと実務の、かなり実務の話になるのではないかと思います。ですから、ここの場で、多分検討はどこまでできるのかどうかと、正直いって思いますけれども。

○山下CIO システムというのは、業務をきちっと円滑にやるための手段でございますから、今、問題になっているのは、システム対応をすることによって実務が、「基本方針」で定められた分社化なり民営化の実務に対応することができるかというのがポイントなんだと思います。
 それで、私どもは、例えば消費税につきましては、今回は本格的にかかるということになるわけですから、それはもう全然物量が違いますので、システム対応ができなかったら実務が回るのかという意味での心配を申し上げているわけでございます。もちろんこれから実務フロー、業務フローを詰めて、いろいろ検討していかなければいけないわけですが、私どもの心配は、今、先生方がこういうふうに暫定対応、ここまで思い切って絞り込めばできるのではないかとおっしゃっているわけです。システム開発的には確かにできるのかもしれません。ただ、それが後になって、例えば準備室なり関連の省庁から、そういうことは認められないということになった場合には、非常に大きな問題になるわけでございます。こういう前提条件でやる場合には、きちっと2005年6月まで必要な要件について、公社と協力しながら決めていただかなくてはなりませんし、必要であれば経過措置をとるなり、前提条件を満たすための対応をとるということで、準備室の方で動いていただかないと、我々としては、これで先生方からやれるのではないかと言われて、しかし準備室からはこれではだめだと言われた場合には、動きがとれないということになります。その辺のところを明確にすることがどうしても必要だということを先ほどお願いしたわけでございます。

○高橋参事官 準備室の話なので。準備室は多分かなり長く残ると思いますね。ですから、必要な情報交換というのはその中で行うべきであるし、行われるのではないかなというふうに思います。

○加藤座長 国鉄の場合もね、やっぱりかなり前後がありまして、いろいろと税法としてはどういうふうにするかということでやりますから、これはほったらかすことは絶対ないです。必ずやりますからね。

○山下CIO 問題は今度、窓口会社という新しい代理店、金融機関の代理店機能を持つ会社ができる、それから、やはりゆうちょ、簡保というのは、金融機関でございますから、金融庁の金融機関規制への対応というのが重要になります。こう言っては差しさわりがあるかもしれませんが、国鉄とか、あるいは郵便事業のような、一般事業会社と違うレベルでのハードルというのがあるわけでございます。その点をどうクリアにするかについて、私どもそれはかなり危惧をしております。そこまで対応できるのかということです。
 ですからその辺のところについて、始まった途端にすぐ業務改善命令とか、まさか業務停止までにはならないと思いますけれども、そういったこともあることを想定しますと、ある程度、例えば2年間とか3年間の経過措置を設けていただくことが今後の検討の中で必要となると考えます。そういった意味で、私どもは仮にこういうふうに決まっていけば開発をきちっとやっていく責任がありますし、ベンダーはそれを受けた責任があるし、準備室の方ではそういう枠組みをきちっとつくっていただくという、そういった3者が責任を果たしていかないと、これだけ難しい難事業はできないのではないかという感じがいたします。

○加藤座長 おっしゃるとおりで、大変重要な変化ですから、簡単なことで、甘い期待でもってやってはいけないと思いますけれども、全体として私はこれからこういう大事業が金融庁の方向と一致できるような調整というのは、当然行われますので、そこのところは私は余り心配していないんですけれども、しかしご心配になった方がいいですね。言っておけば言っておくほど効果がありますから。

○山下CIO よろしいですか、ベンダーの代表として。

○重木副本部長 システムベンダーの代表として、1点ほどお願いというか、意見を言わせていただきたいと思います。NTTデータの重木でございます。貯金さんのシステムを中心にお手伝いさせていただいております。
 今回の変更の中で、私ども一番気になっていますのは、前回の第4回のワーキングユニットで話題になった、対応できなかった場合のリスクで、顧客に影響が及ぶものと社内にとどまるものがあるというご意見があった点でございまして、顧客サービスへの影響があると貯金さんのシステムは銀行業務と似たようなもので、ちょっとでもトラブルがありますと大変な影響を社会的に与ヲかねないという問題がございます。
 それともう一つ、社内のいろいろ管理でやられるシステムにつきまして、若干トラブルが出てもこういう非常事態であれば、若干は許容される余地があるかもしれないということを考えますが、私ども、基幹系の顧客に直結するサービスを担当させていただいている身としては、そこのところを直せと言われると、大変緊張するわけでございます。
 今回の場合、窓口ネットワーク会社のシステムを新たに構築するというと間に合わないということから、暫定的に既存のシステムの変更で対応しようというお考えでございまして、そのためには基幹系の、本当に顧客サービスに直結した部分をかなりいじる必要があるということでございまして、私どもこのお話をいただいて、大変緊張するわけでございますけれども、その中で2つぐらいリスクがあると思っています。
 一つは、仕様がちゃんと期日までに決まって、ちゃんと仕様を提示していただけるのだろうかというリスクでございます。それからもう一つは、決まったと思って着手した途端に、またいろいろ新しい経営陣や何かがご覧になって、これではいけないというようなご指摘を得て、仕様変更を求められるというようなリスクでありまして、実際には、今回のスケジュールでも1年半の期間をいただいているように見えるんですけれども、実際の仕様の調整期間ですとか、導入のための訓練の期間を入れますと、私どもが本当に開発に割り当てられるのは1年ぐらいだと思っております。ということで、仕様を決めたらずっとその計画のとおりやりたいわけでございますけれども、途中、もしほかの変更要因がやむを得ず入ってくると、なかなかスケジュールが本当に間に合うかどうか、やっつけ仕事でやってしまうということはできるんですけれども、社内システムだけだと心配しないんですけれども、基幹系の場合に、エンドユーザーも巻き込んだ混乱を起こすと大変いけないということで、そこのところだけはきちんと仕様を決めて、ある程度のところで凍結宣言をしていただけないかなというのがシステムベンダーとしてのお願いになりますので、よろしくお願いしたいと思います。そこのところは、いつも発注される側としては、それは大丈夫ですというふうにおっしゃっていただくんですけれども、途中になりますとどうしてもだんだん忘れるものですから、そこのところ、お願いしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

○高橋参事官 先ほど、金融機関の代理の話と、今の非常に重要なご指摘の基幹系の話がありまして、金融機関の代理の方の業務というのは、実は規制緩和で今度新しくやることに、今回のこの郵政民営化というのを機にやるという形になっていると思いますので、まだ具体的に規制の対応というのはそれほど決まっていないかなと思います。ただ、やはりこのシステム検討会議のこの議事録とかいうのは、すべて公開されておりますので、担当者の方は全部見ているはずですね。それとあと、この準備室には金融庁の方から出向している人もかなり多くいますので、そういう人を通じて反映されるのではないかなというふうに思います。
 それと、もう一つの今の基幹系の話ですけれども、これもこれから先ほど加藤座長の方がシャドーキャビネットという形で、これから経営準備委員会とか、そういう形でいろいろな次期経営のあり方というか、そういうのを検討する場がどんどんどんどんできてくると思うんですけれども、そこの場には有識者会議の議論とか、それとあとこのシステム検討会議の議論というのは反映されるはずですね。反映されないとちょっと変だ。そのために今、このシステム検討会議というのはフロントランナーとして一番先をやっているわけでございますので、そこのところは、恐らく後からくる人は、この議論をすべて読んで、踏まえてやってくれるはずだというふうに思っております。

○加藤座長 大変、今の問題は非常に重要なことでございますので、私もいいかげんな答えをするわけにはいかないので、おっしゃるとおりだと思っていまして、顧客がとにかくマイナスにならないようにする、これは大前提でございまして、これをひっくり返されますと困ってしまうわけで、内部の方が多少無理してでも、しかし表は絶対守るという、そういうやっぱり方針が私は大前提だと思っています。そんな意味で、今おっしゃった凍結宣言というのはおもしろいですね。しかし、それに近いことが恐らく行われると思いますよ。これでもって変えるのをやめようと、もうこれ以上やらないようにしようということで、やらなければならないですから。それはしかし、弾力的に対応していただくことが非常に重要でございまして、私どももそういうことをよく、システムつくっているときにやるんですけれども、本当に途中で勝手なこと言われるので困るんですよね。そういうことはいろいろ私も経験していますので、恐らくご希望ノ沿えるように、私たちも努力したいと思っています。
 ほかにございませんでしょうか。

○天野CIO 少しくどいようでございますけれども、我々のシステム屋がいつも経営陣からしかられるのは、例えば先ほどのお話ではないですけれども、お客さまが困るという、これは非常にあいまいな日本語でして、どこのところのモデルを変えるとどういう影響がして、それはシステム開発にどういう影響をするという、そこまで踏み込まれてご説明されないと、一般的には私どもの会社では認められません。この分野、間瀬さんも非常に詳しいし、公社の中でもそれなりのポジションをお持ちなので、大丈夫だと思いますけれども、ぜひシステムベンダーさんも、その辺をわかりやすく説明できるように皆さんにぜひぜひ留意していただきたい。それがないと逆に言うと、システムだけではなくて、それを聞いている、例えば高橋さんクラスの方が、何が困るんだと言われたときに、何がが、具体的にわからないということがよくありますので、重ねてそこだけはベンダーさんによろしくお願いしたいなと思います。

○加藤座長 全くそのとおりなんですね。どうぞ。

○満塩シニアマネージャ まさに私もそのところをちょっとお伺いしようかなと思ったんですが、今まで出ている資料の中に、4ページ目に出ている、例えばこれは対応します、対応できませんという話のところで、今、このレベルで見ているだけですから詳細はわかりませんが、直結して今顧客に結びつくという話が見えてこないんですね。どちらかというと今までの話だと、グループ会社機関間のやりとりだとか、内部の経営情報の話だとか、そういう話の方が多かったような気がするので、そういう意味では、ちょっと私としても気にはなるので、具体的にそこの顧客への影響が出るところがあるのであれば、そちらの方は十分教えていただきたいなというふうに思っております。

○間瀬執行役員 4ページの方を見ていただいたときに、結局対応できないよと言っているところにつきましては、これ見ていただくとわかりますけれども、直接お客様に影響するものというのはございません。むしろ、私ども、今回の暫定システムというのは、非常に要件の確定が不明確なままで、今来ておりますということと、先ほど言ったように、いつ固まるのかという話、それから、その後の変化がかなりあるだろうと見ていまして、非常にリスクが高いと見ているのがございます。
 それで、ゆうちょの総合情報システムのところの、先ほどお話ししていますが、勘定科目の整理と現金出納の変更、ここが前から、要は郵便局における日々の現金管理、それから資金管理、ここのところの業務を大きく窓口ネットワーク会社のためにつくりかえるということになります。そうするとここのところは、逆に言うと、こういう勘定科目の整理とか現金出納というのは、取引に直結しているわけでございまして、その1件1件の取引の延長線上でシステムとしては機能します。ですからそこのところは、完全にきれいに品質上もしっかりとれるかというのは一番大きなリスクと考えております。
 ですから、お客様に影響するというのは、あくまでもそちらの方、要はその取引が何らかの形でできなくなってしまうというリスク、ここが私どもとしては一番心配しているところ。これは、私はシステム担当で、長年システム担当をやっていますから、逆に言うと、そこはシステム屋として品質管理もしっかりやるんだろう、試験もやるんだろうということは必ず言われますし、しっかりやるつもりでございますけれども、やはりあくまでもかなり規模のでかいシステムをいじりますので、やはり完全に大丈夫ですというのは言い切れないのがシステム屋のちょっと悲しいところでございます。お客様に関してはそこのところが大きいリスクだと。

○加藤座長 大変率直なご意見でした。どうぞ。

○重木副本部長 今、どこに影響が出るのか具体的にというお話をいただいて、ちょっと補足させていただきます。
 ここの資料の4ページでは、たまたま機能的な要因に着目してご説明されているんだと思いますけれども、私どものシステムをつくる側から言いますと、システムを決定づける要素、一番大きいものは機能でございますけれども、このほかに性能ですとか、運用だとか、信頼性という問題が気になるところでございまして、今までの銀行やなんかのトラブルでも、一番問題になったのは、トラフィックが集中したときにうまく動いたかどうかということで、合併した銀行なんかでもトラフィック、はけなかったために当日中処理できなかったと。機能の問題ではなくて性能の問題とか、隠れたる瑕疵、バグによってコンピューターがダウンしてしまうという危険性がございました。そういうことを考えますと、機能だけではなくて性能、それから信頼性というものの検証に十分な時間が得られるかというのがシステム屋としトは気になっております。

○加藤座長 ありがとうございました。大変ポイントをついていただいたお答えでよくわかります。
 ほかに、いかがでございましょう。

○中山委員長 今のベンダーさんのお話、多分窓口ネットワーク会社のシステムと、このゆうちょ総合システムをつなげるというところで、一番、お金の管理をしつつ、なおかつ窓口ネットワークとしての情報を集めなければいけないというところで、一応全く新しいカツバンだというふうだと思うんですが、これは多分議論にも何度も出ている、窓口ネットワーク会社さんに何をやらせるかによってこれ多分相当変わってくるのかなと。要するに、お金を今は全部扱わせるような形で多分考えられていると思うんですが、例えばお金を扱わない、持っていない、ゆうちょが持っていると。今の仕組みですね。今たしか、ゆうちょが現金管理されているというお話だったと思うんですが、それをそのまま維持したままで窓口ネットワーク会社が立ち上がっていれば、何も出と入りは変わらない。全現金はゆうちょが全部持っていると。それであればシステムの変更は特段ないと思うんですね。もちろんこれは具体的には窓口ネットワーク会社さんの売り上げ、収入はどうするのというそこの岐路にまた行き着いてしまうわけですけれども、そこがちゃんと、例えばゆうちょの出入り、お金の出入り、あるいは保険のお金の出入りに連動してちゃんと手数料とりましょうと、これはもう最後はそうせざるを得ないとは思うんですが、そこまで考えれば確かに、そこの関係で今のゆうちょのシステムと窓口会社独自システムとの間で何かやりくりをしなければいけない。それを全く新しい窓口会社のシステムではなくて、ゆうちょのところにちょっと手を加えてやろうとすると確かにリスクは大きいのかなという気がするんですよね。
 ただそこを、何度も議論やりましたけれども、窓口ネットワーク会社の売り上げの計上方法と取引の方法をとりあえず単純化させてしまえば、そこのやりとりはなしのままでも済むのかなと。全部、ゆうちょがお金を持っていると。窓口ネットワークはお金は一切持っていないという形での会社の立ち上げというのは可能なんでしょうか。何も4社会社があるからって、4社必ず現金を持っていなくてはいけないというものでもないと思うんですが、どうなんでしょう。

○加藤座長 いかがですか。

○山下CIO 公認会計士の先生がそうおっしゃるのであれば、勉強はしなければいけないと思っていますが、政府の「基本方針」では、4つの事業会社が設立されて、それぞれ自立した会社として経営を行っていくという前提で、しかもリスク遮断という考え方が打ち出されている。窓口ネットワーク会社は3事業から業務を受託して、実際に現金を窓口で扱って、それを国庫金も含めて仕分けして、日々管理していくということが必要だと思われます。そうした代理業務を行う窓口ネットワーク会社が、現金の経理を貯金に委託することがシステム的、実務的に可能なのかどうか。中山先生のおっしゃる工夫でリスクが小さくなるということであれば検討しなければいけないと思っていますが、私どもの業務サイドの検討では、やはり窓口ネットワーク会社が基本的に現金の管理を行って、そのシステム自体は貯金のシステムを改修して、日々仕分けをして資金決算を行っていくということが必要なんではないかという結論になっております。ただ、中山先生からサジェスチョンをいただきましたので、その辺については、また検討してみたいと思います。

○間瀬執行役員 全く想定していない、わかってはいるんですけれども、実はやはり今度の窓口ネットワーク会社の業務、細かいところは決まっていないわけでけれども、例えば窓口ネットワーク会社独自の、今やっている業務のうち、窓口ネットワーク会社が独自に受けるものというのもかなり出るのではないかと。例えば宝くじの販売とか、当選金の支払いですとか、要は、現在公社が受けている受託業務について、今は貯金だとか郵便がそれぞれ受けてやっているわけですけれども、独自に受けるという案も出てくるのではないかと。そうなると、そこにはやっぱり窓口ネットワーク会社として、小さいなりにも現金の授受があるということは十分考えていたものですから、そういう形で今のところは完全に現金、資金管理については、やはりリスク遮断という問題もございまして、これは分けるべきであろうというふうには考えて……。もしそういうやり方でもいいんだと、全部今までの貯金のペースでいいんだよということになれば、また考えようもあるかもしれませんけれども。ちょっと今びっくりしたというか。

○加藤座長 どうぞ。

○中山委員長 リスク遮断、多分一番気にされるのは金融機関である、ゆうちょさんのお金を、例えば窓口ネットワーク会社さんが勝手に使ってしまう、これはあってはならない話だと思うんですが、逆に窓口ネットワーク会社のお金もひっくるめて全部、ゆうちょが持っている分には、リスク遮断という意味でいえば、遮断されてしまっているというか、余分に持っているといってはおかしいですけれども、勝手に使われるリスクというのは逆にないわけでよね。そういう意味でいうと、リスク遮断という、要するに個人というんですかね、お客さんから見たリスク遮断はそれではされているのかなと。要するに自分たちが預けたお金、出し入れしているお金は、全部、ゆうちょがとりあえず持っていると。あとは横の関係で、ゆうちょと窓口との間で貸し借りが起きているという考えですから、そういう意味で最低限の、お客さんとの間のリスク遮断は可能なのかなと思っています。
 もちろん最終的にはそれでいいとは私もとても思ってはおりませんで、一番、ベンダーさんがおっしゃっているリスク、お客さんに与えるリスクを小さくして、なるべく不具合がないまま、合併銀行のような不具合がないままシステムを4月1日に立ち上げようとすると、そういう割り切りをしてやってしまってもできなくはないのかなという気がしているわけでして、最終的な形としてはそれがいいとはとても思っていません。最終的には、窓口ネットワーク会社さんがちゃんと現金管理をして、それをちゃんとゆうちょ分、保険分、郵便分、自分の自立したお金と、はっきり分けて、要するに4つに区分して管理すると、これは当然必要だと思うんですが、それを今回の例えば2007年4月1日の分社化当時にすぐにそれを求めることが必要かというと、そうでもないのかなと。
 というのは、一つはシステムの問題だけではなくて、訓練の問題がありまして、8万人の方々を訓練してやるわけですが、皆さん方がちゃんとお金の峻別が果たしてすぐできるかというと、なかなかそれも難しいのかなと。結局集まったお金は一旦全部1カ所に入れてしまいますから、当然システムに入れてシステム側で管理するわけですけれども、本来はやっぱりシステムだけの管理ではなくて、手持ち側でも別な形の管理をしていただいて、それをつき合わせるような仕組みというのは本来あった方がいいのかなと思うんですね。これは私個人の意見というか、例えば監査する側として見た場合、出し入れしたお金というのは、窓口での出し入れのお金、ゆうちょでの出し入れのお金、保険への出し入れのお金、郵便への出し入れのお金、それぞれ別立てして金庫は本当は持ってほしいと。窓口ネットワーク会社さんが持つんであれば。それをシステムだけで持っていて4分割した数字合算したのが、どうたら銀行入っていますというのは、ある程度運用が進んだあとはいいんですが、いきなり全局立ち上げた、新しい窓口ネットワーク会社ができた段階で、果たしてそれでいいかというと、ちょっと不安があって、実は手元の現金もどんぶりではなくて金庫4つ分けて管理していただいた方が安心できるかなと、ちょっと申しわけないんですけれども。やっぱり局数が多いのと人数が多いので、果たしてシステムだけで対応できるかというと、ちょっと難しいかな。お金は預かったけれども、売ったりしたけれどもシステム入力しないとか、お昼休みにまとめて入れてしまうとか、あるいは1日しまっていたり、支払いするのに。ということのないわけではないのかなという気がすると、お金の出し入れだけは別立てで、人が別途管理するような方が本当は望ましいような気がするんですが。ちょっと申しわけないんですけれども。

○山下CIO ですから、やはり窓口会社というのが、一体どういう機能を持つ代理店なのかというところを、これから本格的に議論していかなければいけないと思うんですね。今おっしゃったような形で、例えば現金をそれぞれの受託者ごとに分けて管理する、、あるいは金庫も別々にするというようなことになると、非常に大きなコストになります。代理店として、基本的には各受託者の分をまとめて管理できる形でやっていかないと、2万を超える店舗がありますので物すごくコストがかかります。そういった意味で、一体どういう業務フローが設定されるか、あるいはそれが金融機関の規制上認められるかというところは、まさにこれから詰めていかなければいけない点で、それがまたシステムに影響するということだと思います。
 中山先生から、ご指摘のあった、貯金のシステムをいじらずにというご提案については、やはり4つの会社に分けて仕分けして管理をしなければいけないわけですから、技術的にいじらないで済むのかどうか、重木さん、その点どうですか。

○重木副本部長 やっぱり人間の手作業でやるか、システムでやるかということで、システムでやるというのは、初めから4つに分けるというのをこの短期間でやるというのは、なかなか苦しいと思います。また、訓練の問題もあって、やはり窓口の手作業、8万人のオペレーターの方がいらっしゃることを考えると、窓口の今のやり方に影響を与えないようにして、システム側である程度、暫定対処をする方が導入時点では比較的スムーズにいくのではないかなという気がしております。ちょっと私の権限の範囲を越えたような意見なんですけれども、そういうふうに思っています。

○加藤座長 その辺のところは、私も実は前から思っていたんですが、国家持株会社ですから、そこで何かうまいやり方があるのではないかなということを何となく思っていたんですけれども、今、中山先生おっしゃったので、ああ、そうなんだよと、そういうことで考えたっていいんだよというようなことを思ったんですけれどもね。これはひとつ、まだ時間もありますからご検討をいただいて、やれる可能性があるかどうかというのも検討していただければと思いますね。
 今日は大分突っ込んだ議論が行われましてありがとうございました。時間が大体まいりましたので、この後、どういうふうにするかということにつきまして、事務局からご説明をいただきたいと思います。

○高橋参事官 まず最初に、次回の会合ですけれども、確認ですが、11月22日、月曜日、これは飛び石連休の谷間でまことに恐縮でございますけれども、10時30分から12時までということでよろしくお願いいたします。場所につきましては、追ってご連絡を差し上げます。
 今後の会合での議題とか、及びワーキングユニットの検討事項につきましては、座長とも相談しながら、座長の指示を仰ぎながら、事務的にご連絡をさせていただきたいと考えておりますが、ご関心のある事項がございましたら、事務局にご連絡いただければ、随時ワーキングユニットを開催する等の形で対応させていただくので、遠慮なくお申し出くださいませ。
 以上でございます。

○加藤座長 今、事務局からご説明ございましたように、次の次の週でございますか、11月22日でございますね。飛び石連休の谷間になりますけれども、大変申しわけございませんが、そのときは國領さんもご出席になる予定でございますので、皆様方おそろいになりますので、さらに今回の問題についてもある程度の見通しが出てくればありがたいと、こういうふうに思っております。
 本日の会合はこれで終わらせていただきます。どうもありがとうございました。