郵政民営化
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トップ > 郵政民営化関連法律 > 附帯決議(平成17年10月14日 参議院郵政民営化に関する特別委員会)
平成17年10月14日
参議院郵政民営化に関する特別委員会

郵政民営化法案、日本郵政株式会社法案、郵便事業株式会社法案、郵便局株式会社法案、独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構法案及び郵政民営化法等の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案に対する附帯決議


政府は、本法の施行に当たっては、次の事項について特段の配慮をすべきである。
   
一、   国民の貴重な財産であり、国民共有の生活インフラ、セーフティネットである 郵便局ネットワークが維持されるとともに、郵便局において郵便の他、貯金、保 険のサービスが確実に提供されるよう、関係法令の適切かつ確実な運用を図り、 現行水準が維持され、万が一にも国民の利便に支障が生じないよう、万全を期す ること。
  簡易郵便局についても郵便局ネットワークの重要な一翼を構成するものであ り、同様の考え方の下で万全の対応をすること。
二、   長期の代理店契約、基金の活用等により、郵便局が長年提供してきた貯金、保険 のサービスが民営化後も引き続き提供されるよう配慮すること。そのため、承継計 画において、郵便局株式会社と郵便貯金銀行、郵便保険会社の間で移行期間を超え る長期・全国一括の代理店契約の締結を明確にすること。なお、基金についても、 二兆円規模まで積み立てること。
三、   持株会社及び四子会社が、統合的な経営戦略に基づき、郵便局ネットワークを維 持・活用できるよう、以下のとおり株式の持ち合いを認めること。
  1.   持株会社について、移行期が終了した後は、特殊会社としての性格を考慮しつ つ経営判断により他の民間金融機関と同様な株式保有を可能とし、その結果、株 式の連続的保有が生じることを妨げないこと。そのため、郵政民営化法第百六条、 第百三十六条の趣旨を踏まえ、株主総会に係る株主の権利行使の基準日を適切に 定款に規定すること。
  2.   移行期間中と言えども、郵政民営化法第百五条、第百三十五条の決定がなされ た場合及び持株会社が郵便貯金銀行、郵便保険会社の全株式を処分した後は、郵 便局株式会社が、特殊会社としての性格を考慮しつつ、経営判断により密接な取 引関係を有する郵便貯金銀行、郵便保険会社株式を他の民間金融機関の例と同様 に保有しグループとしての経営が可能であること。
  3.   前記1、2によりグループとして株式の連続保有が可能となっていることに加 え、民営化委員会が行う三年ごとの経営形態のあり方を含めた総合的な見直しの中で必要があれば更なる措置を講ずること。
  4.   新たに設立される株式会社がそれぞれの経営判断により、新規事業への投資に 加え、必要に応じ前記1、2、3を踏まえた適切な経営形態を採ることを可能と するため、持株会社において財務計画を定めるなど必要な措置を講ずること。

四、   民営化委員会が行う三年ごとの見直しには、設置基準に基づく郵便局の設置状況、 金融保険サービスの提供状況を含めること。また、民営化の進捗状況及び民営化会 社の経営状況を総合的に点検・見直しを行うとともに、国際的な金融市場の動向等 を見極めながら、必要があれば経営形態のあり方を含めた総合的な見直しを行うこ と。
  なお、民営化委員会の三年ごとの見直しに関する意見については、郵政民営化法 第十一条第二項によって国会へ報告されることとされているが、更に、郵政民営化 推進本部がその意見を受けて施策を講ずるに当たっては、国会へ報告し、その意見 を十分聴取するよう求める。
五、   民営化後の各会社については、ロゴマークの統一、活発な人事交流等により、郵 政グループとしての一体感の醸成を図り、職員のモラールの維持・向上に万全を期 すること。特にロゴマークについては、国営、公社の時代を通じて長年国民に親し まれてきた貴重な財産であり、引き続き使用すること。
六、   郵政民営化法附則第三条の運用に当たっては、郵政民営化のための情報システム について、万が一にもシステムリスクが顕在化し、国民生活に支障の生ずることの ないよう、日本郵政公社と協力しつつ適切に対応すること。
七、   日本郵政公社は、民営化後の郵便貯金銀行、郵便保険会社が、預金保険機構、生 命保険契約者保護機構に加入することに鑑み、民営化までに郵便貯金の限度額、簡 易保険の保険金額の管理や口座の管理の徹底を含めコンプライアンス面での態勢 を確立すること。
八、   移行期間における業務範囲の段階的拡大を的確かつ円滑に実現するため、経営委 員会(準備企画会社)及び民営化委員会を準備期間内のできるだけ早い時期に設置 し、関係会社及び関係行政機関で予め先行的に検討と準備を進めること。
  なお、経営委員会(準備企画会社)と日本郵政公社が一体となって円滑に民営化 の準備を進められるよう配慮すること。
九、   民営化委員会の運営については、透明性の高いルールの下、積極的な情報公開に 努めること。
  また、民営化委員会の人選については、広く国民各層の声を反映できるよう公平・ 中立を旨とすること。
十、   毎年巨額の国債を発行しているわが国の財政体質を早急に改善するとともに、そ れまでの間、郵政民営化法第百六十二条の適切な運用により国債の消化に支障を生 ずることのないよう対応すること。
十一、   職員が安心して働ける環境づくりについて、以下の点にきめ細やかな配慮をす るなど適切に対応すること。
  1. 現行の労働条件及び処遇が将来的にも低下することなく職員の勤労意欲が高 まるよう十分配慮すること。
  2. 民営化後の職員の雇用安定化に万全を期すること。
  3. 民営化の円滑な実施のため、計画の段階から労使交渉が支障なく行われること。
  4. 労使交渉の結果が誠実に実施されること。
  5. 新会社間の人事交流が円滑に行われること。

十二、   民営化後においても良好な労使関係の維持に努めるとともに、万一、労働争議 が発生した場合にも特別送達等の公的サービスはしっかり担保されるよう、万全の 体制を構築すること。
十三、   特定郵便局の局舎の賃貸借契約の期間については、業務基盤の安定性を確保す る観点から、民間における契約の状況を参考としつつ、長期の契約とするなど、適 切な対応を行うこと。また、特定郵便局の局舎の賃貸借料は、現在、適切な算出基 準に基づいて算出されているところであり、民営化後も引き続き適切な算出基準に 基づく賃貸借料を維持すること。
十四、   商法等の規定を活用し、敵対的買収に対する適切な防衛策を措置すること。
十五、   税制等に関し、以下の点について十分配慮すること。
  1. 税制については、民営化に伴う激変緩和の必要性の有無、四分社化、基金の設 置など郵政民営化に特別な論点を踏まえつつ、消費税の減免などを含め関係税制 について所要の検討を行うこと。
  2. 郵政民営化により法人税等の税収が増加することを踏まえ、過疎対策や高齢者 対策の充実を図ること。

右決議する。
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