印刷用PDF

郵政民営化に関する有識者会議第11回会合 議事要旨

日時
平成16年9月16日(木)
10:30~11:25
場所
虎ノ門10森ビル(3階)
郵政民営化に関する有識者会議室

○中城審議官 それでは、定刻になりましたので、これより「郵政民営化に関する有識者会議」の第11回会合を開催いたします。
 本日は、皆様お忙しいところ、お集まりいただきましてありがとうございます。
 本日は、先週、9月10日に開催されました経済財政諮問会議において、諮問、答申されまして、その後、閣議決定されました郵政民営化の基本方針及びそれに基づき、同じく閣議決定されました郵政民営化推進本部の設置について、事務局から御紹介させていただきまして、それについての皆様方の御意見をお伺いさせていただきたいというふうに考えております。
 それでは、私の方からお手元に「郵政民営化の基本方針について」という紙、これは9月10日閣議決定されたものでございますが、その直前の経済財政諮問会議で諮問、答申されたものでございます。
 それでは、1枚めくっていただきまして「郵政民営化の基本方針」というところから、簡単に御説明いたします。
 郵政民営化の基本方針、前文のところでは、明治以来の大改革である郵政民営化は、国民に大きな利益をもたらすということで、郵政公社の4機能が国民の利便性を最大限に向上させるということ。
 それから、公社に対する見えない国民負担が最小化されて、それによって利用可能となる資源が国民経済的な観点から活用することが可能になるということ。
 3番目に、公的部門に流れていた資金を民間部門に流して、国民の貯蓄を経済の活性化につなげることが可能になるということであり、これを進める上で、以下の基本方針に従って、2007年に日本郵政公社を民営化し、移行期を経て、最終的な民営化を実現するというふうに書いてございます。
 まず「1.基本的視点」でございますが、3つの視点が重要であるということで、まず1番目に「経営の自由度の拡大」、2番目に「民間とのイコールフッティングの確保」。 それからページをめくっていただきまして、3番目に「事業毎の損益の明確化と事業間のリスク遮断の徹底」ということを書いてあります。
 「2.最終的な民営化時点における組織形態の枠組み」ということで、まず最初に4機能ごとにそれぞれ株式会社を設立するということで、窓口ネットワーク会社、郵便事業会社、郵便貯金会社、郵便保険会社とするということ。
 「(2)地域会社への分割」については、新会社の窓口ネットワーク会社、郵便貯金、郵便保険会社を地域分割するか否かについては、新会社の経営陣の判断にゆだねるということ。
 3番目に「持株会社の設立」ということで、経営の一体性を確保するために、国は、4事業会社を子会社とする純粋持株会社を設立する。郵便貯金会社、郵便保険会社については、移行期間中に株式を売却し、民有民営化を実現する。
 その際には、新会社全体の経営状況及び世界の金融情勢等の動向のレビューも行う。それから、国は、持株会社の発行済み株式総数の3分の1を超える株式は保有するということ。
 4番目としまして「公社承継法人」ということで、郵政公社を承継する法人として設立して、公社勘定の負債の管理運用は、郵便貯金会社及び郵便保険会社に委託するというふうにしております。
 3ページ目で、最終的な民営化時点における各事業会社ごとの業務の内容を書いております。
 「(1)窓口ネットワーク会社」ですが、適切な受託料の設定や、新規サービスの提供により、地域の発展に貢献しつつ、収益力の確保を図るということ。
 まず、郵便、郵便貯金、郵便保険の各事業会社からの窓口業務を受託するということ。 それから、次のポツで、民間金融機関からの業務受託のほか、そこにありますような地域と密着した幅広い事業分野への進出を可能にすると。
 それから「(イ)窓口の配置等」ですが、窓口の配置についての法律上の取り扱いは、住民のアクセスが確保されるように配置するとの趣旨の努力義務規定とし、具体的な設置基準の在り方等は制度設計の中で明確化する。
 代替的なサービスの利用可能性を考慮し、過疎地の拠点維持に配慮する一方、人口稠密地域における配置を見直す。
 窓口事業の範囲は、原則として郵便局における郵便集配業務を除く郵便、郵便貯金、郵便保険に対する対顧客業務、それから上記(ア)の業務とするということが書かれております。
 「(2)郵便事業会社」でございますけれども、これは従来の郵便事業に加えまして、広く国内外の物流事業への進出を可能にするということ。それから高齢者への在宅福祉サービス等については、適切な受託料を得て、引き続き受託するということにしております。 4ページ目でございますが、サービスの提供範囲ということで、引き続き郵便については、ユニバーサルサービスの提供義務を課すと。
 ユニバーサルサービスの維持のために必要な場合には、優遇措置を設けるということで、信書事業への参入規制については、当面は現行水準を維持し、その料金決定には公的な関与を続ける。
 特別送達等の公共性の高いサービスについても提供義務を課すということで、このための必要な制度面の措置は、今後の詳細な制度設計の中で検討するとしております。
 「(3)郵便貯金会社」につきまして、業務の内容としましては、民間金融機関と同様に、銀行法等の一般に適用される金融関係法令に基づく業務を行うということ。
 それから、新旧契約の分離ということで、民間企業と同様に納税義務を負うとともに、新規契約分から郵便貯金の政府保証を廃止し、預金保険機構に加入すると。
 公社勘定は公社承継法人が保有し、その管理・運用を郵便貯金会社が受託する。運用に当たっては、安全性を重視するということでございます。
 郵便保険会社もほぼ同様でございまして、民間生命保険会社と同様に保険業法等の一般に適用される金融関係法令に基づく業務を行うと。
 新旧契約の分離につきましても同様でございますけれども、特に生命保険契約者保護機構に加入するということでございます。
 公社管理については、同様でございます。
 それから、5番目に公社承継法人でございますけれども、郵貯・簡保の既契約を引き継ぎ、契約を履行すると。
 次のページでございますが、既契約に係る資産の運用は、それぞれ郵便貯金会社及び郵便保険会社に行わせるということでございます。
 公社勘定の運用につきましては、郵便貯金会社、郵便保険会社に委託して、それぞれ新契約分と一括して運用する。
 運用に関しては、安全性を重視すること。それから公社勘定については、政府保証、その他の特典を維持する。
 公社勘定から生じた損益は、新会社に帰属させるというふうになっております。
 4番目に「移行期・準備期のあり方」でございますが、民営化後、最終的な民営化を実現するまでの間を、移行期と位置づけまして、移行期の在り方は、以下のとおりとしております。
 「(ア)移行期における組織形態」でありますが、国は日本郵政公社を廃止し、4事業会社と国が全額株式を保有する純粋持株会社を設立する。設立時期は2007年4月とする。情報システムの観点からそれが可能かどうかについては、専門家による検討の場を郵政民営化準備室に設置し、年内に結論を得る。窓口ネットワーク会社及び郵便事業会社の株式は、持株会社が全額保有するが、郵便貯金会社、郵便保険会社については、移行期間中に株式を売却し、民有民営化を実現する。その際には、新会社全体の経営状況及び世界の金融情勢等の動向のレビューも行うと。また、国は、移行期間中の持株会社の株式の売却を開始するが、発行済み株式総数の3分の1を超える株式は保有する。
 それから、公社承継法人を設立するということでございまして、そこは旧契約の管理・運用は、郵便貯金会社、郵便保険会社に行わせるとしております。
 「(イ)経営の自由度」につきましては、窓口ネットワーク事業においては、試行期間を設けつつ、民間金融商品等の取り扱いを段階的に拡大し、地域のファミリーバンク、ワンストップ・コンビニエンス・オフィスとして地域密着型のサービスを実施すると。
 それから、郵便事業会社については、国際的な物流市場を始めとする新分野への進出を図るということにしております。
 次のページの「(ウ)郵便貯金及び郵便保険事業の経営」でございますが、郵便貯金及び郵便保険事業は、当面限度額を現行水準(1千万円)に維持する。その際、貯金及び保険は、預金者、被保険者ごとに新契約と旧契約を合算して管理する。その上で、経営資源の強化等、最終的な民営化に向けた準備を進めるということになっています。
 次のポツでございますが、民有民営化の進展に対応して、厳密なALMの下で貸付等も段階的に拡大できるようにするということ。
 それから、大量の国債を保有していることを踏まえ、市場関係者の予測可能性を高めるために、適切な配慮を行うことにしております。
 それから「(ウ)イコール・フッティングの確保」ということで、新会社は、移行期当初から民間企業と同様の法的枠組みに定められた業務を行い、政府保証の廃止、納税義務、預金保険機構ないし生命保険契約者保護機構への加入等の義務を負うとしております。
 「(オ)移行期の終了」ということで、移行期は遅くとも2017年3月末までに終了する。 郵便貯金会社、郵便保険会社は、遅くとも上記の期限までに最終的な枠組みに移行するものとする。そのため、移行期における両社の在り方については、銀行法、保険業法等の特例法を時限立法で制定し、対応することとする。
 次に「(2)準備期のあり方」でございますが、2007年4月の民営化までの時期は、準備期と位置づけ、民営化に向けた準備を迅速に進めるということで、経営委員会、これは仮称でございますが、これを設置して、民営化後の経営や財務の在り方について検討する。 それから、円滑な分社化を図る観点から、現在の勘定区分を見直し、郵便事業の超過債務を解消した上で、4機能別の勘定区分を行う。また、各機能が市場で自立するのに必要な自己資本の充実策については、詳細な制度設計を踏まえて検討する。
 新旧契約の分離の準備、それから国際物流事業への進出を可能とする、投信窓販の提供を可能とする。その他の新規事業分野への進出を準備するということになっております。 それから、関連施設等でございます。郵便貯金関連施設事業、簡易保険加入者福祉施設事業に係る施設、その他の関連施設については、分社化後の在り方を検討する。
 5番目に「雇用のあり方」でありますが、民営化の時点で現に郵政公社の職員である者は、新会社の設立とともに国家公務員の身分を離れ、新会社の職員となる。
 人材の確保や勤労意欲・経営努力を促進する措置の導入等、待遇の在り方について制度設計の中で工夫する。
 職員のモラールと労使関係の安定に配慮する。
 6番目に「推進体制の整備」でありますが、基本方針のとりまとめ後、全閣僚で構成される郵政民営化推進本部(仮称)(本部長は内閣総理大臣)を設置し、民営化に向けた関連法案の提出及び成立までの準備、公社からの円滑な移行及び最終的な民営化実現への取り組みを進める。
 民営化後、本部の下に、有識者からなる監視組織を設置する。監視組織は、民営化後3年ごとに、国際的な金融市場の動向等を見極めながら民営化の進捗状況や経営形態の在り方をレビューする。また、許認可を含む経営上の重要事項について意見を述べる。監視組織の意見に基づき本部長は所要の措置をとるものとするということでございます。
 「7.法案の提出等」でございますが、この基本方針に沿って、早急に民営化の法案策定作業を開始する。また、法案化等のために、この基本方針に基づき、更に詳細な制度設計に取り組み、早急に結論を得る。なお、その過程で必要に応じ、経済財政諮問会議に報告を行うこととする。
 基本的な法案及び主要な関連法案は次期通常国会へ提出し、その確実な成立を図るというふうにしております。
 もう一枚紙がございまして「郵政民営化推進本部の設置について」ということで、同じ日に閣議決定されたものでございます。
 これは、基本方針に基づきまして、本部長を内閣総理大臣とし、副本部長を官房長官、内閣特命担当大臣(経済財政政策)と総務大臣、財務大臣、それから本部長が指名する国務大臣とし、本部員は他のすべての国務大臣ということで構成するものでございまして、先ほど述べたようなこと。
 民営化後、本部の下に、有識者からなる監視組織を設置すること、幹事を置くこと、それから庶務については、内閣府の助け及び総務省、財務省等関係行政機関の協力を得て、内閣官房において処理するというようなことが定められているということでございます。 以上が事務局からの御説明でございますが、何か大臣、特によろしいですか。

○竹中大臣 それでは、改めてですけれども、本当に何とか閣議決定をさせていただいたわけですけれども、先生方のお力によるところが本当に大きいと思っております。改めてありがとうございます。お礼を申し上げます。
 いろいろ回数を数えてみますと、とりまとめそのものは諮問会議の議論で行っているわけですけれども、諮問会議が17回郵政の問題を議論していると。
 しかし、諮問会議へ上げるまでに、実は先生方に、この場で十何回やっていただいていたのかなと思います。
 さかのぼれば、更にその前に、この中の先生方の何人かは、もうそこからお付き合いをいただいているわけですけれども、連絡協議会というのが内閣府、総務省等々でやったと。それを合わせると、50回近くの議論を重ねて、それでここに至っているんだと思います。
 先生方から見ると、いろいろ至らないところもあるかもしれませんが、いろんな考えが幅広くある中で、やはり先生方に本当に重要なポイントを外さないで議論をしていただいたお陰でここまで来れたと思っております。
 最終段階では、御承知のように総理がものすごいリーダーシップを発揮されて、基本方針がとりまとめられました。
 しかし、総理自身がああいう決断をされたのは、やはり皆さん方に少しずつ議論していっていただいて、なにかにつけていろんなことを御報告する中で、総理自身がいろいろ自分のお考えを固めていただいたと。やはり、4社は分社化しないとだめだよなと。やはり、ユニバーサルTービスというのは、本来郵便に限定されるべきだなと。総理は、そういうふうに少しずつ皆さんの議論をお伝えする中で、お考えを固めていただいて、そして最終的にああいう決断になっているというふうに思いますので、これはやはり皆さん方が積み重ねてくれた議論、その量の多さと、質の高さというところを改めて敬服しているところでございます。
 私なりに、今の中城審議官の御説明の中で、やはりポイントが4つあるんだろうなと思っております。踏み外してはいけないポイントについては4つ、この中にはきちんと書き込めたと思っています。
 1つは、一言で言えば、民間と同じ法律の枠組みの中でしっかりと業務をしていくということが明記されたことだと思います。
 例えば、4ページの3分の1ぐらいのところに郵便貯金会社の業務のことが書いていますけれども、民間と同じ法律の枠組みの中で、その前の2ページ辺りにも納税義務等と書いていますけれども、市場経済の中にインテグレートしていくというようなことの枠組み、大枠がやはりきっちりと示されたという点が、一つの大きなことだと思います。まさにイコール・フッティングの話です。
 同時に、経営の自由度もちゃんと保っていただいて、経営の自由度とイコール・フッティングをコインの両面として、しっかりとよい組織になっていったということ、これが第1だと思います。
 2番目がリスク遮断の問題で、リスク遮断の観点からも4社分社化をすると、そこでスタートすると。
 そして最終的に、金融部門については、実質的な民有民営にしていくということ、この点もしっかりと決めることができたと思っています。
 第3番目が、これは政策論としては、私は技術的には一番難しいところだったと思うんですけれども、政府保証の付いた旧債務について、承継法人という別の公的な保有を行うと。
 しかし、ALMは一括して新銀行に渡す。かつ、その収益はきちんと記録するという、そういう仕組みをつくれたということが枠組みとしては、大変大きかったと思います。
 今、各方面の方々にいろいろお話ししているんですけれども、実は、ここが一番政策的には難しいポイントだったと思いますよというふうに説明申し上げたら、そうなんですかというふうに、ほとんど問題意識を持っていない方が多いんですけれども、私はここは重要であったと思っております。
 4番目が、7ページ目の5.のところに書いてありますけれども、民間企業である以上、非公務員化すると。
 勿論、これに関しては御承知のように、裁判所の特別送達の問題をどうするのか、それとか内容証明郵便をどうするのかと、こういう問題は制度設計で本当にしっかりと今後議論していかなければいけない問題だと思います。
 いずれにしても、制度設計が今後重要になってきますけれども、私としては、改めて今日は先生方の御意見もお伺いしたいんですけれども、制度設計の中で重要なポイントがたくさん出てまいります。それについては、引き続き先生方に是非御議論をいただいて、担当の大臣及び室長にいろいろ直言をしていただいて、それを更に諮問会議で議論をしてもらって、そして党の先生方と御議論していくと。与党のプロセスもしっかりやっていくと、そういうルールが私は必要だと思っております。
 また、御相談しますけれども、そういう点についても御意見があれば、是非お聞かせいただきたいと思います。
 もう一つ、これはお願いですけれども、なかなか非常に大きな制度設計ですので、相当問題意識を深く持って考えてくださっている方でないと、ほとんど部分しか見えない、そういうところがあると思います。広報活動については、我々も努力いたしますけれども、場合によっては、また、例えばですけれども、論説懇なんかをやるときに、先生方に順番で少し御出席を賜わりたいとか、そういうお願いもあろうかと思いますので、その点も一つよろしくお願いを申し上げます。

○中城審議官 ありがとうございました。それでは、この基本方針に関しましての、御質問、御意見をいただきたいと思いますので、どうぞ。

○宮脇教授 これは最初にお尋ねすることではないと思いますが、お尋ねさせて頂きます。基本方針の7ページ目最後の「7.法案の提出等」のところです。そこの最初のポツの2行目のところで「法案化等のため、この基本方針に基づき、更に詳細な制度設計に取り組み」というふうに記載されているわけですが、今、感じているのは、基本方針という大きな理念系のところが明確に書かれた後に、具体的な制度設計に結び付けていくプロセスでのガバナンスが必ずしも十分に機能していないのではないかという懸念を持ちます。
 その結果、でき上がったものが基本方針、理念系とは距離感のあるものになってしまうというようなことも見受けられると思います。
 最後に大臣が若干Gれられた点かと思いますが、これから非常に、ある意味で言いますと、技術的な面も含んだ、法案作成のプロセスの中で我々がどういう関わり方をしていくのか、どういうふうにサジェスチョンするのかもう少しお聞かせていただいきたいと思います。

○竹中大臣 今日の先生方の御意見も伺って、ちゃんとしたルールみたいな、工程表みたいなものもつくっていかなければいけないと思うんですが、私のイメージとしては、今、申し上げたように、やはりまさに宮脇先生がおっしゃったように、基本設計と、それと実際の制度の間には、やはり相当の距離があると思うんです。
 これは、よく言われるんですけれども、オーソリティーという言葉は、英語のオーサーから来ていると、オーサーは書く人だと、何を書くと、法律を書く人だと。法律を書く人というのは、やはり基本方針があっても、書き方によってものすごい幅ができるわけで、そこにすごい力が集まる、それでオーソリティーが形成されると。
 そのプロセスは、やはり透明でなければいけないと思います。今回のように、特に大きな問題については、本当に制度設計がたくさんある。例えば、4社化に分社すると言ったって、一体どう分社化するんだと、これは大問題でありますから、これを一つ取ったって、制度設計のものすごく大きなエネルギーを割いて議論しなければいけない問題だと思うんです。
 そういう問題については、やはり、これは皆さんに議論していただくというのは、絶対不可欠であると私は思っています。
 まず、そういう重要な問題についてリストアップして、しかも法律をつくっていくという時間的な制約がありますから、いつまでに決めなければいけないというものも明確化しなければいけませんし、その上で、先生方には従来以上に精力的に御議論をいただいて、それで、この中にも書いてありますけれども、逐次諮問会議に対しても報告を求められていますし、同時に、この制度設計のプロセスで与党の先生方とも御相談をしなければいけない。
 むしろ、これから大変インテンシブに、そういうことに先生方には関わっていただきたいと、それ以外に方法はないんじゃないかなというふうに私は思っております。

○中城審議官 ほかに、どうぞ。

○奥山相談役 いわゆるシステムが間に合うかどうかという点で、これからそういう関係の民間の人を入れてやっていくんだろうと思いますけれども、どんな議論があって、どうなったのか教えていただければと思います。

○竹中大臣 分社化するにしても、2007年4月には、実務的に大変時間的制約が大きいと。生田総裁もそうおっしゃっていたわけですけれども、私も何度もお話をさせていただきましたけれども、究極的に煮詰めればシステムの問題であると、システムが間に合うかどうかの問題であると。生田総裁は、最後はやはりそのようにおっしゃったわけです。要因は幾つかあるけれども、究極的にはその問題であると。
 したがって、4年、5年かかると、幾つかの専門家、ないしはそれに出入りしてる専門の会社にも相談したけれども、やはりそういう答えであったというお話がありました。
 一方で、諮問会議で奥田会長や牛尾会長を中心に発言があったのは、いや、システムというのはどこまでつくるかの問題だと、自分たちの経営の今までのやり方からしても、すごく完璧なものをつくれというと、それは5年でも10年でもかかるんだけれども、2年でやらなければいけない。そうすると、その範囲でシステムというものをつくるわけだし、1年でやらなければいけないということであれば、その範囲でシステムをつくるわけだし、その意味では、これは一つの決めの問題というか、決断の問題であるから、2007年4月から分社化するということでスタートすべきではないかと。諮問会議でも議事録等々をごらんいただいたらわかりますけれども、そのような御意見を言っておられると。
 そういう御意見の中で、しかし、やはり実務を預かる生田総裁の御判断というのは、最大限尊重されるべきであると、これも大変ごもっともだと思います。総理としては、御自身なりの政治決断として、2007年4月でやりたいと。しかし、生田総裁のお立場も十分尊重しなければいけない。
 そこで、直接先週の火曜日の午後にお話し合いになって、生田総裁も専門家に一応検証してもらいましょうと、2007年4月に分社化民営化をする、システムについては専門家を集めて実現可能性についてしっかりと検討をしてもらうと。そのような形で、まさに書いているとおり、非常にシンプルにここに書いてありますけれども、総理の最終的な御決断があったということです。

○奥山相談役 そうすると、その結論が出る期間というのは、いつごろになるんですか。

○竹中大臣 これは年内というふうに、ここに書いてあると思いますけれども。
 これは、やる以上は専門家にしっかりとAある程度2~3か月の時間をかけて調べていただきたいということと、法律との関係で半年、1年かけるものではないということで、年内ということになったと思います。そういうふうに聞いております。

○宇田プリンシパル システムが2007年の間に合う、間に合わない問題について、外部から検証するときに、システムだけを見てわかるのかという問題があると思います。
 私は、奥田さんと牛尾さんがそれは要件定義次第でしょうとおっしゃっているのは正しいと思います。結局、これは法律とは別に、この事業をちゃんと2年間で立ち上げていくとしたらば、まず、事業モデルというのが1つありますね。それから、それに沿った戦略というのが次のステップであります。それを実行しやすい組織というのがあります。それから経営のインフラというのがあって、それで変革をどうやってやっていくのかという5段階を普通は考えるんですね。このシステムというのは経営インフラなんです。
 そうすると、最初のことがない中で、システムの人がシステムの問題だけを見て、間に合う、間に合わないという議論をすること自体がおかしい。むしろ一刻も早くやらなければいけないのは、要件を2年で間に合わせるにはどういう要件にすればいいのかということを決めることだと思います。そのために経営情報の出し方というのはどうすればいいのかなということを考えるのが、大事ではないでしょうか。
 これをシステムの技術的な問題でブラックボックスにすべきではないというふうに思うので、準備室自体も少しお考えになった方がいいのではないかと。準備室がシステムのものを見ていくときに、システムの専門家だけを置いて、システムを見て、これで2007年5月ですとか、こういうわけにはなかなか行かない話ですよと、そういう感じがしますけれども。

○竹中大臣 御指摘のような点を、ほかからもいろいろ伺っております。だから、そもそも専門家を集めてと言うけれども、専門家とはだれなのかと、ハードの専門家、ソフトの専門家、それが本当に専門家なのかと。多分そういうことではないんだろうなとは思っております。
 そういうことも含めて、どういう体制で、どういう理念でこのチームをつくるかということが大変重要になると思います。

○宇田プリンシパル もう一点、法制はプロの方がそろっているから、これで済むだろうと思うんだけれども、その中でいろいろな制度設計というのがあるかもしれないけれども、今、言った5つのステップを考えてみると、公社がどういうふうに関わり合うのかというのはすごく大事になってくるんではないかと思います。
 何が大事になってくるかというと、もし3つ大事なことがあるとしたらば、やはり公社のリーダーシップです。これはこういう形にしていくというところの合意の下に、徹底的に前に向かって進めるリーダーが必要ではないかなということですね。これがまず1つ。
 2つ目は、やはりよく練られた、マスタープランが必要です。ちゃんとフィージブルなものが必要だと思います。3つ目はそれを実施していくのはラインじゃできないから、既存のラインとは分けたような形で、タスクフォースなどをつくって変えていかなければいけない。
 この辺のところというのは、果たして、いつ、だれが、どう考えていくのか。それは普通、公社側のリーダーシップのはずだけれども、今、そういうレディネスはあるのか。時間もかなり限られている中で、事業をつくっていくために、どのような準備をされていくのか、だれが音頭をとられるのか、この辺はどういうふうに見ていったらよろしいんでしょうか。

○竹中大臣 その制度設計、まさにどのような体制で、どういうようなガバナンスでということと関連しますけれども、それについては、全政府を挙げて考えていかなければいけない問題だということだと思います。
 実は、この方針を閣議決定したというのは、まさにそこにポイントがあるわけで、政府の正式の方針として閣議で決定したと。
 したがって、全政府を挙げて同時に推進本部をつくって、すべての省庁がこれに関わって、責任を持たなければいけないと、そのトップに内閣総理大臣がいると。その下で、今のような体制をつくっていくということだと思います。
 言えることは、これは政府の正式の決定であると。その下で、しっかりとした政府が全体として責任を持って、今、おっしゃったようなことをやっていく。そのスタートラインができたということだと思っています。

○宇田プリンシパル わかりました。

○中城審議官 どうぞ。

○翁主席研究員 今回の基本方針で3点ばかり申し上げたいんですが、やはり私が最も重要な点だと思っているのは、今後、移行期間のイコール・フッティングと、それから郵政の自由度の拡大ということの兼ね合いをどういうふうに付けていくか、どういうふうに道筋を付けていくかということだというふうに思っています。
 10年後の経営環境は大きく変わっているという面はあるとは思うんですけれども、このイコール・フッティングと自由度のかじ取りを誤ると非常に大きな影響を及ぼすということがありますので、特に公正競争の確保の観点とか、経営の安定性の観点とか、そういった観点から、しっかり監視していくと、そこを制度設計で非常に重要な点ではないかと思っております。それが1点目です。
 2点目は、リスク遮断というキーワードがたくさん出てきていて、やはりこれをきちんとした制度設計に落としていくということが極めて重要ではないかと思っています。
 さっき大臣が同じ民間との法律でということを強調しておられたんですが、まさにそういった、例えば銀行については銀行法、保険業法については保険業法で、アームズ・レングス・ルールの話とか、親会社の監督の話とか、それから顧客情報の管理とか、こういったルールがございますので、これを移行期間についても当てはめていくということが重要ではないかと思っておりますし、あと、旧勘定の分の、政府保証の分とのリスク遮断とか、これも制度設計でしっかりと付けていくということが重要ではないかと思っております。
3点目は、金融分野だけでなく、恐らく物流の関連もあるんだと思うんですが、金融なんかにつきましては、特に規制改革との関係というのは、非常に重要だなと思っております。
 例えば、今回、銀行代理店の規制緩和というのが一つのトピックになっていくと思うんですけれども、これは、民間も同様に適用されていくと思いますので、そうすると、例えば過疎地の金融窓口の拡大という点では、絵が随分変わっていくという可能性もあると思っています。
 こういう意味で、こうした規制改革なども並行的ににらみながら、例えば窓口ネットワーク会社の拠点の設置の努力規定とか、そういったことも密接に絡んできますので、この規制改革の絵も示しつつ、我々もそれに議論していきたいと思いますし、国民に対しても全体像をどういうふうに進むのかということがわかりやすくなっていくように御説明していく必要があるんではないかなと思っております。
 以上でございます。

○竹中大臣 まさに、今、翁さんが言われたように、制度設計の中で、実は本当に注意をしてやっていかなければいけない重要なポイントが随分たくさんあるということなんだと思います。
 今、御指摘くださったように、この移行期間というのは、実はかなり行政の判断に依存せざるを得ないということだと思います。コインの両面を判断するというその判断、その場合に、これは本当に制度設計ですね、判断の何か原則とか、ルールみたいなものをつくることができるんだろうかと。それの判断をするに当たって、この組織というのは、どういう構造にしたら一番いいんだろうかと。そこは本当に大いに知恵を絞っていただきたい。
 そこの決め方で、私はタウンミーティングなんかでもよく言うんですけれども、恐らく10年経っても民営化の議論をしていますよと。コインの両面のことで、我々は議論しているんだと思うんです。そこの知恵ですね、移行期間の在り方、そして組織の在り方、是非、先生方に知恵を出していただきたいと思います。
 2つ目の点は、今のは、関連する銀行の規制のことでおっしゃいましたけれども、関連する周辺分野での制度改革というのが、実は非常に大きい、これも郵政改革の大きな特徴だと思います。総理がよく、これは黒船だというふうに言われるわけですが、確かに郵政が変わることによって周辺も変わらなければいけない。代理店規制の話というのは、その典型だと思います。
 そうであるからこそ、先ほどの話に戻りますけれども、本部をつくって、それぞれの所管大臣が直接責任を負ってもらうような形は一応できていると思います。制度設計の項目を検討する段階で、郵政の制度づくりだけではなくて、周辺の制度の改革についても、やはり視野に入れて行かなければいけないというふうに思います。

○中城審議官 どうぞ。

○伊藤教授 大臣がおっしゃった3つ目のポイントで、旧勘定を一括して、運用はほかの新しいものと一緒にするということに関わり、ほかにもいっぱいいろいろとあると思うんですけれども、こういう問題を考えていくと、多分制度設計の話に入っていくと思うんですけれども、リスク遮断ということを考えたときに、いろんなことがあり得るわけですね。
 実際に郵政の金融に関わるリスクで一番問題なのは何かというと、これから新たに入ってくる資金の間のリスクというよりは、既に350 兆ある資金がどう動くかと。それは、単に経営としてのリスクだけではなくて、例えば国債の市場価格だとか、マーケットにも影響を及ぼすと。
 そういうときにちょっと気になるんですけれども、いわゆる旧勘定は一括すると「うのは、いわゆる国の保証を適用するという形で預金者に対して安心感を与えると。しかし、それを運用した上で、損益の帰属は新会社に行くと。これは利益が上がった場合には、頑張ってもうかったんだから、その利益はいいんですけれども、損失が被ったときにも、そこに付けるということになって、しかし、一方で、旧勘定は国の保証があるということで、勿論、いわゆる新しい郵便貯金会社というのは、しっかり機能すると思いますけれども、やはりある種の利益相反がそこにあるわけですね。全く規制がなければ、とにかく多少旧勘定の政府保証を逆手に取ってということで、そこで、いわゆる承継会社による新しい会社が運用していくのに対して、ある種のガバナンスみたいなものが当然必要になってくるんだろうと思うんですけれども、そういうことについては、何か議論があったのか、あるいは大臣がおっしゃるリスク遮断というときに、その2つの問題というのがあるんですけれども、そこら辺について、何か議論があったかというのを教えていただきたいんですけれども。

○竹中大臣 実は、こういう政府の機関にこの分を持たせて、それで運用というような議論は、何か民間の有識者で改革案として、こういうものを唱えていた方がおられたかなというと、おられたかもしれないんですけれども、ほとんど余り表面には出てこなくて、翁先生は、もう少し別の形でいろんな御提言をしておられたと思いますけれども、そういう意味では、いろいろなことのバランスの中で出てきた一つの考え方なんだと思います。
 今、伊藤さんがおっしゃったリスクというのは両面から見なければいけないと、全くそのとおりで、その両面から見なければいけないリスク、例えば、組織として政府が損を被らないリスク、それと新勘定が影響を受けないリスク、それと国債変動が大きく生じないようなリスク、そういうことをすべてバランスさせて制度をつくっていかなければいけない。
 こういう枠組みの中で、何らかの制度がつくることができるのではないだろうかという見通しの下に、これが決められているわけですけれども、御承知のように、政府が保証しておりますと、それに見合った安全資産のアセットがあります。これは当然のことながら、運用は新会社が行うわけですけれども、保有している政府としては、何らかの要望、それがインストラクションなのか、どの程度の強い指導なのか、インストラクションなのか、要望なのかはともかくとして、何らかの枠組みでやはり考えていただかなければいけない。そうでないと、そもそも別に保有する意味合いがないわけですね。何もやらないんだったら当初から保有してもらえばいいわけですから、そこがまさに制度設計なんだと思います。
 それについて踏み込んだ議論がなされてきたかという御質問でしたが、これはなされていません。今の枠組みの中で調和を図ることができるのではないだろうか、その調和をどのように図っていくか、どのような制度をつくるかというのは、まさにこれからの問題だと思っています。

○中城審議官 どうぞ。

○吉野教授 郵便の国際的な物流への進出なんですけれども、各国ともやはり出ていく場合には、政治力がそこに伴って、いい意味での政治的な力のバックアップというのが必要だと思いますから、ただ、おまえ海外でやれというのではなくて、いろんな国の法律制度とか、そういうのも考えながら是非いい意味での政治力を使っていただきたいと思います。
 2番目は、先ほどの安全性を重視してというところで、6ページの一文のところには「貸付等も段階的に拡大できる」ということなんですけれども、ビジネスモデルとしては、安全性でコアバンクとしまして、それで別会社として貸付をして、そこは投信で販売して、それを窓口ネットワークを通じて売るというようなこともあるんではないかと思います。ですから、やはり今後のビジネスモデルだと思いますけれども、そこをいろいろ考えていただきたい。
 最後は、翁さんの意見と似ているんですけれども、既存の民間の金融業も、やはりもっと頑張って国際的にやっていかなければいけないわけですから、ここで新しい郵政が、それを阻害しないような形にしないと、やはりいけないんではないかと。
 ですから、新郵政が1つだけ民間として強くなるというのではなくて、やはり既存の民間もその中で切磋琢磨して強くなれるような、そういうプレイングフィールドを是非つくっていただきたいと思います。
 以上です。

○竹中大臣 国際進出する場合に、いろんな政治力があるというのは、現実にはそのとおりなんだと思います。
 諮問会議での議論の中では、一部にはむしろ産業政策的な観点からも、こういう会社が国際的なビジネスを拡大するのをバックアップすべきであるというような意見もあったように思います。
 貸付云々については、別会社云々というのは、な驍ルどというふうに思いましたが、どうでしょうか、これは多分経営判断の問題で、制度設計の問題ではなくて、先生もビジネスモデルだとおっしゃいましたけれども、経営者がどのような判断をする、一義的なそういう問題なんではないのかなと思います。経営判断が自由に、柔軟に行っていただけるような、そういうやり方がいいのか、悪いのかは直ちにはわかりませんけれども、そういう仕組みをつくるということなんだと思います。
 民間もしっかりしなければいけないと、民間もそれに合わせて頑張らなければいけないと、これもそのとおりだと思うんですね。さっきの翁さんの言われたことに若干重なりますけれども、そのためにはどうしたらよいかと、何か制度設計で我々が考えておくべき問題はあるのかと、こういう点は、ちょっとまた先生方にも考えていただいて知恵を出していただければありがたいと思います。

○中城審議官 どうぞ。

○伊藤教授 ちょっと、さっきはプロセスみたいな話だったので、内容の話なんですが、 「(エ)イコールフッティングの確保」というところなんですけれども、これは制度的に、法的に、当然それは枠組みで一緒の土台にするというのはそうなんだけれども、もう一つ中でクロスサブというか、利益補填を互い同士しないというのは、はっきりさせておかなければ、これは必ずクロスサブが起きるわけですね。
 そうすると、例えば窓口というのは、最初厳しいからということによって、多少あらゆるところの事業からの補填があったときに、この事業が、例えば第三者のものを売るときに、低コストで売っていいのかどうかとか、こういうような問題がいっぱい出てくるわけですね。
 そうすると、1つは、経営としては成り立たせたいという方の要求と、もう一つ、これを透明にしてディシプリンを持っていかなければいけないんだという方の要求と、これは両方出てくるわけですね。
 そのときに、今後、どういうふうに判断していくのか、制度設計もそうなんだけれども、やはりガバナンスというか、今後2年間もそうなんだけれども、ここがどう設計するかとか、今、言ったようなところをどう決めていくんだろうかと。
 それから、先ほど若干裁量の余地というのは残ると、それは維持させて、テイク・オフしていくときにはそうなんだけれども、先にまず維持する側に行ってしまうと、イコール・フッティングの問題というのは、かなりいろんなところで衝突が出てくるというようなところもあるので、まず、最初に透明化して規律を持たせると、自由度と同時に規律を持たせると。これはだれが、どういうガバナンスのストラクチャーをつくっていくんだろうかと、果たしてそれはできるんだろうかという辺りは、やはりすごく気になるところですね。
 だから、それは制度設計なのか、どこで議論されるかよくわかりません。私は経営という視点でしか余り見ていないのかもしれないけれども、イコール・フッティングの確保一つ取ってみても、それをいかに透明化して、自分のところで規律をもって判断できるようにできるか、あるいはそれを第三者が決めるのであれば、それがちゃんと決められるようなことをしておかないと、これは無数にその辺りのコンフリクトが今後出てくると、こういう感じであります。

○竹中大臣 問題点は、まさにそのとおりだと思います。それで、最初の話で、経営として成り立たなければいけない、しかしディシプリンはちゃんと確保しておかなければいけない。
 そういうことで、現実にどうなるんだということを、例えば党の議論なんかでも、より詳細なシミュレーションで確認してもらわなければ困ると、これはそのとおりだと思うんです。
 そういうことのデータをオープンにしていくと、データをオープンにできるように、やはり公社や皆さんにも御協力をいただくと、そういうプロセスをまず経なければいけないと思うんです。
 それと、裁量的な問題というのは、いろんなところに出てくる可能性がある。だからこそルールを、原則というのをきっちりとつくっておかなければいけないと、そういう問題があるんだと思うんです。
 我々が今後制度設計を行っていきますけれども、制度設計を行うに当たっても、やはりルールがあるんだと思いますね。コストを最小化するとか、できるだけシンプルにつくるとか、そういうルールも決めなければいけないのかなというふうにも思っていますし、どういうルールをつくったらよいのか。裁量的な部分というのは、どうしても残るんだけれども、繰り返しますが、裁量が残るからこそ、ルール化できるところのルールは明確にしておきたい。そういうところは、本当に知恵の問題だと思いますので、いろんな事例を御存じの皆様方には、是非その知恵も出していただきたいと思います。

○中城審議官 ほかによろしいでしょうか。
 それでは、御意見もないようですので、本冾フ議事はここまでにさせていただきたいと思いますが、最後にもう一言何か。

○竹中大臣 私ばかりしゃべって、むしろ室長、副室長、審議官の皆さんで、これはちょっと言っておきたいということがありましたら、先生方に聞いてもらう方がいいということがあったら、付言していただいたらどうですか。

○渡辺室長 頭の中は、法律案をつくるのでいっぱいなんですけれども、本当に難行苦行の連続で、こういう場で統一的に御相談することもさることながら、個別またいろいろと御助言、御指導を賜わりたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

○中城審議官 よろしいですか。どうぞ。

○翁主席研究員 質問なんですけれども、どういう頻度で、どういう形でこの有識者会合というのは開催されていき、それでどういうふうに我々がそれに関わっていくということなのか、ちょっとお伺いしておきたいんですけれども。

○渡辺室長 内閣全体の進み方との兼ね合いだと思いますね。1つは、一番肝心かなめの竹中大臣から申し上げましたシステム設計のところを総理と御相談の上、どういうふうに滑り出していくかということになりますが、それがある程度合意ができましたら、恐らく内閣の方の進み具合としては、推進本部をきちんとやらなければいけないと思うんです。そこで、逐次いろいろな報告をしていきますので、その前提として、それは恐らく制度設計に関わることが多いでしょうから、この会合もそれに合わせて開催させていただくことになろうかと思っております。
 ちょっと、まだ頭の中固まっておりませんので、竹中大臣の続投も含めて、新大臣とも御相談をしなければいけない話なものですから、今、固めてしまってはいけませんので、そういう状況でございます。

○中城審議官 それでは、ちょっと次回以降の会合は、今、室長からお話がありましたけれども、事務局から御連絡したいと思います。

○利根川参事官 今、室長からも申し上げましたとおり、今後の開催日程につきましては、内閣全体の大きな動きを把握しながら、必要に応じてまた御連絡をさせていただきたいと思いますので、また、その節はよろしくお願いいたします。
 以上でございます。

○中城審議官 それでは、本日の会合は以上でございます。本日は、お忙しいところどうもありがとうございました。