10月4日 記者会見要旨

竹中内閣府特命担当大臣(経済財政政策、郵政民営化)記者会見要旨

(平成16年10月4日(月)19:30~19:48 中央合同庁舎4号館 記者会見室)

(竹中大臣) それでは、郵政民営化情報システム検討会議の設置について、内容が決まりましたので、御報告をさせていただきます。御承知のように、9月10日に閣議決定されました基本方針の中で、情報システムの観点から4事業会社と持株会社の設置時期を2007年4月とすることが可能かどうかについて、専門家による検討の場を設置すること、年内に結論を得るということを基本方針の中で示しておりますけれども、そのメンバーについて資料の2枚目にあるような形で決定をいたしました。
 先ほど夕刻総理のところにまいりまして、最終的に御指示・御確認をいただいて、以下のような形で発表させていただきます。
 まず、検討会議の基本的な考え方でありますけれども、このシステムの問題の専門家というのは、なかなか誰が専門家なのかわかっているようでわかっていないようなところがありまして、基本的にはプロジェクトマネージメントという考え方にのっとって、しかるべき専門家を集めるというのがよいというふうに判断をいたしました。
 まず、経営側と言いますか、発注者の代表という意味で、トヨタのCIOの天野さんにお入りをいただくことになりました。
 そして、プロジェクトマネージメントの日本の第一人者というふうにお伺いをしておりますけれども、東京大学の宮田教授に御参加をいただけることになりました。
 システムそのものの専門家になりますけれども、KPMGのコンサルタントでいらっしゃいますけれども、環境省のCIO補佐官もしておられます、満塩さんに御参加をいただけることになりました。
 それと、財務が重要でありますけれども、特にIT関係の財務ということで、公認会計士協会IT委員会委員長で、新日本監査法人の公認会計士でいらっしゃる、中山さんに御参加をいただくことになりました。
 それと、経営管理専門家でいらっしゃる、慶應大学の国領教授に御参加をいただくことになりました。
 郵政公社の問題でありますので、郵政公社のCIOの山下専務理事にもオブザーバーとして御参加をいただくことになっております。
 そして、そうした議論を統括するという観点から、国鉄の民営化等々でこうした大きな組織の民営化に御見識をお持ちの、加藤寛千葉商科大学学長に座長としてとりまとめをいただくというのが、基本的な考え方でございます。
 構成メンバーとの調整を行いまして、第1回会議を速やかに開催したいと思っております。
 事務局については、庶務は郵政民営化事務室が担当しまして、日本郵政公社との密接な協力の下で運営をして、スムーズに御検討・御審議をいただきたいと思っております。
 私の方からは、以上です。

(記者) それでは、幹事から。今日は、総理から具体的な指示ということは、何かあったのでしょうか。

(竹中大臣) このメンバーに関しましては、以前から何回か総理と御相談をしておりますので、指示としては、加藤先生を座長にこのような形でしっかりと御議論をしてくださいという御指示でございます。

(記者) あと年内に結論ということなんですが、具体的な時期で12月とか11月とかあるんでしょうか。

(竹中大臣) 年内にということが決められていることでありますけれども、できるだけ早くまず皆さんに集まっていただいて、どのぐらいの作業量が必要か、どういう手順で議論するのか、そしてどういう手順でまとめていくのか、そういうことをまさに専門家としてしっかりと話し合っていただきたいと思います。

(記者) それから、このシステムの問題については、ビジネス上の判断で、これぐらいのコストをかけたらできるとか、できないとか、うちの会社はやるとか、やらないとか、そういうような判断もあるかと思うんですが、そういう面のビジネス上の判断というのはどのようなことになっているんでしょうか。

(竹中大臣) ちょっとビジネス上の判断ということの意味が、必ずしもよく理解できませんけれども、まずこのメンバーを選定するに当たっては、直接的な利害関係者は入っていただかないようにしているつもりでおります。人選の前提としては、中立的、かつ独立的。中立的ということは、前もってできる、できないというような、先見的なお考えを持っておられない。しっかりと中立的に見ていただくということ。独立的ということは、あらゆる経済的な利害、政治的な利害から独立、これは受注者の方々に対しては大変大きな額の発注を郵政公社はしておりますので、そういう方々に決定に参加していただくと、いろいろ御批判も出るのかと思います。勿論、中の事情を知っているということ。仕事の中身を知っているということは重要でありますから、そういう方々、そういう会社からは、是非しっかりとヒアリングをして、ヒアリングは大変重要だニ思っておりますので、ベンダーの方はそのヒアリングの対象としてしっかりと入っていただくと。しかし、決定そのものは中立・独立のこの先生方にお願いをしたいと思っております。
 あとは、プロジェクトマネージメントの考え方の中で、それこそどのような経営、どのような期間の設定、どのような予算の設定、そういうことをトータルに御議論いただく必要があると。この場ではですね。プロジェクトマネージメントの観点から御議論をいただくということになると思います。

(記者) 結論までに何回ぐらい行われて、それとこれはオープンで行われるのか、クローズで行われるのか。それから、議事要旨等は出していただけるのか。その辺のところをお願いします。

(竹中大臣) 今日の時点では、基本的にメンバーの公表ということで発表させていただいております。設置の基準という、設置の基本的な事務の詰めというのは、これからしっかりと行わせたいと思います。

(記者) 幹事からは以上です。各社お願いします。

(記者) プロジェクトマネージメントというのが、何となくぼんやりわかるんですけれども、これを説明するとどういうことなんですか。

(竹中大臣) 一度専門家の方に是非聞いていただきたいと思いますけれども、基本的には1つのプロジェクトを一定の期間内に、一定のコスト内にいろいろマネージしていくノウハウ、その集積であるというふうに思っております。これはシステムの場合もそうであると思いますし、またシステム以外にもプロジェクトマネージメントの概念というのは大変重要であると聞いておりますけれども、そういう観点から目指すべきものがあって、それと時間の問題があって、コストの問題があると、すべての問題そうだと思いますけれども、そういう問題をしっかりとマネージしていこうというのが、このプロジェクトマネージメントの考え方であるというふうに聞いております。

(記者) 情報システムの開発というプロジェクトをマネージメントしていくということですか。

(竹中大臣) 狭義にはそういうことだと思いますし、より広義には、どういうビジネスを想定してシステムを組んでいくのかということも入るんだと思います。

(記者) そうすると、この期間については07年4月というのも、ある程度政治的決められた期間でもあると思うんですけれども、それを優先して、その分採算を度外視してとまでは言いませんけれども、採算を多少通常のビジネスよりも多くかかっても、この期間に達成してほしいとか、そういうオブリゲーションは全くこのシステムの検討委員会の人たちにはないと理解していいんですか。

(竹中大臣) これは、この委員会の皆さんに何らかの制約条件を付しているということは、全くありません。我々としては、2007年4月に分社化民営化するということを基本的に意思決定しておりますけれども、それがシステム上可能かどうかというのは、客観的に専門家で検証するという立場でこの委員会を組んでおりますので、この委員会でまさに専門家の立場としてどういうことを考えなければいけないのかということも含めて、根本的に御検討いただきたいと思います。

(記者) このメンバーの中で、民間企業としてはトヨタが入っていますけれども、もう一度トヨタ自動車の天野さんを選定した理由というのを教えてください。

(竹中大臣) 人事のことでありますので、なぜこの人なのか、なぜあの人じゃないのかというようなことについてのコメント差し控えさせていただきたいと思います。
 さまざまな方々から御意見を伺いまして、それぞれの分野で、恐らく大変名の知れた方だと、それぞれの分野で企業のCIOとして、ないしはプロジェクトマネージメントの専門家として経営管理の専門家としてそれぞれ大変御活躍して、世間的に評価の高い方々に御参加をいただいたというふうに思っています。

(記者) 済みません、郵政公社の中から、このメンバーでもしできるという判断をして、間に合うという判断をして、その結果、仮に間に合わなかったとしたら、責任をとっていただく必要があるというような意見もありますけれども、さっきのお話ですと、この方々に何かしら責任を負わせるということではないという理解でよろしいでしょうか。

(竹中大臣) あなたが責任を負いなさいというような契約を結ぶようなことは、勿論あり得ないわけです。
 我々としては、先ほど言いましたように、基本にのっとって、2007年4月に分社化、民営化を行うということがシステム上可能かどうかについて、それぞれの専門家の立場でしっかりと、まさに中立的・独立的に御議論をいただいて見解を示していただきたい。それに尽きております。

(記者) ではこの方々が、例えば開発が実際に間に合わなかった、あるいは間に合ったけれども、発足した後にシステムがダウンすると、事故が起きたという場合のモ任はどうなるんでしょう。

(竹中大臣) そういう議論は、現時点において余り意味がない議論だと私は思います。例えば、何が起こるかわかりませんから、すごい大地震が起きて、システムが全部つぶれてしまったと、その場合に、じゃ政界が責任を負うのか、つまりどういう状況が起こるかは想定できないわけでありますから、そのときに特定の状況だけを想定して、その責任云々の議論をするというのは現実的ではないと思います。

(記者) 天災の場合と、人為的なミスの場合は区別して考えられると思うんですけれども。

(竹中大臣) 人為的なミスがあった場合は、ミスをした人が当然負うわけです。どういうミスがあるかというのはわかりません。

(記者) 済みません、システムの開発時期というのは、多分どういうシステムをつくるかによってかなり変動が見られると思うんですが、そのシステムが、例えば業務系にしろ、管理系にしろ、どこまでつくるかと、そういうのを決めるのがこの検討会議でやるということですか。

(竹中大臣) どういうシステムをつくるべきだというようなことを決めるのは、これは経営の判断ですから、これはそういうことも含めて可能かどうかを検証するわけです。
 したがって、どういうシステムをつくりなさいというようなことは経営の判断ですから、それは別次元の問題になります。

(記者) だから、麻生大臣、それから生田総裁は2007年4月にまず間に合わないだろうとおっしゃっていますが、そこのところをはっきり決めておかないと、また結局、言った言わないとか、やれる、やれないとか、そういうところに行ってしまうだろうと思うんですが。

(竹中大臣) いやいや、生田総裁も御自身の今の感触ではそれなりの感覚はお持ちだけれども、でもそこはやはり客観的に専門家に是非御検討をいただきたいと、そのように言っておられるんではないですか。

(記者) すみません、生田総裁はメンバーについて個人よりは法人のような組織が望ましい、あるいは学者については、ちょっと難色を示されたというふうにはちょっと伺っているんですけれども、生田総裁は、このメンバーについて納得されているんでしょうか、あるいはそのやりとりはあったんでしょうか。

(竹中大臣) 基本的には、私の責任と権限において決める問題であるというふうに思っておりますけれども、当然生田総裁には御相談をしております。法人云々の問題については、これは利害関係がある法人に直接入っていただくわけにはいきませんから、これはヒアリング等々で対応しましょうというふうに申し上げて、それはそうだねということになっております。
 メンバーについては、御連絡を事前にしておりますけれども、なかなか豪華なメンバーですねというコメントをいただいております。

(記者) 結論が出て、かくかくしかじかの要素が必要であると、その要素が成り立った下に2007年4月に間に合うよという結論が出た場合は、今後手続の中でこのシステム検討会議で出された結論の中の要素みたいなものには従わざるを得ないということになるんですか。

(竹中大臣) 今もすごい仮定の問題なものですから、こういうふうなものが出た場合はということ、そういうのが出るかどうかもわかりませんし、そのような結論が出る場合でもさまざまな現実的な、恐らく御回答があり得るわけでしょうから、それをちょっとスペシフィックに事前に、今、私の立場でコメントするのは適切ではないと思います。

(記者) 生田さんからのお話で、豪華なメンバーですねというコメントがあったんですけれども、麻生大臣からは何かございましたでしょうか。

(竹中大臣) 麻生大臣にもこのことは申し上げてあります。これは、私の所掌の問題でありますので、麻生大臣から私の方でしっかりと御対応いただければいいのではないでしょうかと、そのような趣旨の、正確な言葉は記憶しておりませんが、そのような趣旨のことを伺っております。

(記者) 会議での検討状況であるとか、あるいは最終的な結論に関しての情報開示についしては、どういうふうに進めるお考えですか。

(竹中大臣) 先ほど言いましたように、そもそもこの組織をどういう設置の根拠にしてやるかとか、それで運営をどのようにしていくかということについては、詳細を事務的に更に詰めて、また御報告をさせていただきます。
 今日のところは、委員会を設置するということになっておりますので、このメンバーについて総理と御相談の上、公表させていただいております。

(記者) 少なくとも最終的な報告については、例えば、さっきの質問にあったように、こういう条件設定であれば、こういう日時に可能だとか、ある程度詳細なものが出ないと、外部からどういう報告だったのかというのが判断できないと思うんですが、それは外部からも判断に足るぐらいの情報は当然開示されると考ヲてよろしいんでしょうか。

(竹中大臣) 基本的には、ブラックボックスで、何かわからないけれども、0か1か、オフかオンか決まりましたと、そんなことはあり得ないと思っています。

(記者) もう一点、ビジネスとの関わりで、システムが間に合うのか、間に合わないのかという作業をする中で、どんなビジネスを組むのかということを同時並行的に進めていかないと、検討はなかなか難しいかと思うんですが、片一方で具体的に制度設計を詰めるところは、これからたくさんあるというのは、大臣自身も御指摘されていらっしゃると思うんですが、そことのこの検討会議との兼ね合い、作業の進め方、それはどんなふうに。

(竹中大臣) これは二人三脚というか、並行して当然議論をしていかなければいけない問題だと思います。

(記者) そこは何か連絡会議というか、連絡の取り方というのは、どんなイメージなんですか。

(竹中大臣) 基本的には準備室がその作業を行って、準備室の組織になりますから、そこは全く別の組織ではありませんので、そのような懸念は現状では持っておりません。

(記者) すみません、この後大臣は予定が詰まっているようなんですが、特にありましたら、よろしいでしょうか。
 では、ありがとうございました。

(以    上)