10月6日 記者会見要旨

竹中内閣府特命担当大臣(経済財政政策)・郵政民営化担当 記者会見要旨

(平成16年10月6日(水)12:00~12:15 第4合同庁舎6階 642号室)

1.発言要旨

 それでは、郵政民営化に関する有識者会議、第12回目の会合を開きましたので、私の方から概要を報告させていただきます。
 御承知のように、有識者会議の会合としては12回目ですけれども、私が郵政民営化担当大臣になってから、更に言えば、この有識者会議の役割を改組してから初めての会合ということになります。改組に関しては、これまでは準備室、準備室長に対する助言の機関であったものを、直接担当大臣に対する助言の機関として改めたということであります。
 今日は、私が大臣に就任してから最初の会合ということでもありますので、まずこの有識者会議の性格が少し変わりましたということの御説明、それと資料で、最近の動きとして、郵政民営化の推進本部を立ち上げましたということの御説明、それと制度設計、法案作成に当たって、私の方から3つの指針を示してあります。忠実性、簡素一貫性、透明性、そのような御説明。推進本部では、総理の方からこの3つの指針に則ってしっかりと作業していけという御指示をいただいたこと。更には、郵政民営化情報システム検討会議を設置してこれからやっていくというような、そういう御説明をいたしました。
 その上で、今日は資料6にあると思いますけれども、主要な検討項目としてこのようなものがあるのではないかということを提出しております。
 これを受けまして、今後の進め方等について有識者の方から御意見をいただきました。いろいろな御意見がばらばらにありましたので、ちょっとばらばらに申し上げることになると思いますが、まず、何人かの方が、郵政民営化の中で有識者会議が果たす役割は大変大きいというふうに認識して大変重い責任を感じている、しっかりと議論したいと、そのような御報告がありました。
 更には、やはり今後議論を進めていくに当たって、数字の裏づけが極めて重要であると。シミュレーションをどのようにしていくのか、それに基づいたしっかりとした議論がないと制度設計は行えないので、その体制をしっかりとつくる必要があるという御指摘がありました。
 私の方からは、今まさに同じような問題意識で我々は対処している。どのような形で、その計数的な裏づけ、シミュレーション等々をやっていくかという体制について今検討して、早急に決定したいと思っているというようなことを申し上げました。
 それと、やはり公社の協力が不可欠であるということ、データの提供等が不可欠であるという御指摘がありました。
 今日から、公社の山下専務理事にオブザーバーとして御参加をいただいておりますけれども、山下理事の方からも、これは公社としても、総裁からの御指示も受けているので、積極的にこれを協力していくという決意が述べられております。
 それと、更に問題意識としては、やはり経営の自由度とイコールフッティングという両面をどのようにバランスをとっていくか。それを制度設計の中で議論していくことが大変重要ではないだろうかという御指摘がありました。
 それとの関連で、やはり特に移行期について、何からのコインの両面をどのように保つかというプリンシプル等々についても、何らか考えられないのか、議論をする必要があるのではないかというような御意見も出されました。
 あと、今日ここで示された検討項目というのは、基本的には法案を作成するに当たって、最低限どういうことを急いで詰めなければいけないかということをリストアップしておりますが、一方で、これは法案作成の観点からの検討項目のリストアップでありますけれども、経営全体をうまくいかしめるためにどういう観点か必要かというようなこと、法案の観点だけでは抜けていることがあるといけませんので、複眼的なチェックを行うという意味で、民間の経営に詳しい方々には、そういった法案の観点だけではなくて経営全体としてこれをうまくいくためにはどのような観点がいるか、抜けていないかというようなチェックをお願いするというようことも、これは私の方からお願い申し上げました。
 全体として、民間の有識者の方々は大変大きな作業をしていただかなければいけないわけでありますので、それをサポートする体制もしっかりと準備室でつくっていきたいと思いますし、さらに、前広にこういう項目を検討するというようこと、情報提供を有識者会議メンバーの方々に行って、十分に考える時間も持っていただいて、それで活発な御議論をお願いすると、そういうような体制をつくっていくということを私の方からは申し上げました。 いずれにしましても、今日はキックオフでありますけれども、2週間ぐらいして次の会議をぜひ開いて、実質的な討議に入りたいと思っております。
 検討項目は、ここに書いておりますことに加えて、また少し出てくると思「ますけれども、相当の数をこなさなければいけません。それで、皆様方に対する透明性の確保を言っておりますので、情報提供としましては、私が会議に出られるときは私が直接ブリーフィングを行いたいと思います。国会等々の関係で私がブリーフィングを行えないときは、しかるべく担当に、中城審議官を念頭に置いておりますけれども、していただくことになると思います。できるだけ正確にお伝えするようにします。
 データにつきましても、基本的には提出されたもので、公表できるものは基本的には全部公表するようにいたします。
 また、議事録、議事要旨をどのようにつくるかということは今詳細を詰めておりますが、何らかの形で議事の要旨はできるだけ早く皆さんに見ていただけるように仕組みをつくって、しっかりと説明責任を果たしていくつもりでおります。
 私の方からは以上です。

2.質疑応答

(問)まず、次回以降なんですけれども、今日出された項目を取り上げて1つずつというか、何個かずつ議論していくということなんでしょうか。

(答)そのようになると思います。項目については、ここに挙げられている項目を更に精査してまいりますけれども、ここだけでも10数項目になると思います。それを1回当たり3つとか、場合によっては4つとかこなしていかなければいけないことも出てくるんだと思います。そんなにこなせないものもあると思います。
 私としては、ある意味では優先順位をつけて、法律上早く決めなければいけないことは早く行う。それと、国民の皆さんが心配しておられること、懸念しておられること、例えば郵便局の設置はどうなるのかとか、そういうようなことについては、私はやはり早く議論して、国民の皆さんに御理解をいただくことが重要だと思いますので、その辺の優先順位はつけた上で議論していくつもりです。

(問)最終的な検討が終わるというのは大体いつごろまでなのか。それまでに大体何回ぐらいこの会議を開くのか、そこら辺のところをお願いします。

(答)これは議論をして、それでその場で何かが決まるわけではありませんから、また法律上、どう書くかをフィードバックして、これは法制局とも法律上それが可能かというようなレクもしていかなければいけませんから、どこまでで終わるという性格のものではないと思います。もちろん、その間で与党との協議も緊密に行うつもりでありますから、どこで終わるという性格のものではない。
 さはさりながら、やはりここに書いています項目について議論を一通り、一巡させるのは、できれば11月から12月にかけて一巡できるようにしっかりと頑張りたいと思います。

(問)会議なんですけれども、これは毎回事務方から何かペーパーが出て、それをたたき台にして議論を進めていくという、そういう感じなるんでしょうか。

(答)そのような方式を念頭に置いています。その事務方から出るペーパーについても皆さんに公表させていただきたいと思います。

(問)そうすると、それぞれの項目について、有識者会議としての何か結論を大臣の方にいつかの時点で報告されるということなんですか。

(答)いえ、そうではありません。有識者会議で結論を出すわけではありませんし、有識者の間でも意見が分かれることはあり得ると思います。有識者としてそれぞれの立場で御意見を聞かせていただきたいと。それを担当大臣にインプットしてもらいたいというのがこの会議の趣旨であります。

(問)オブザーバーに参加した山下理事の件ですけれども、これは公社自身が自分の意見をこの場で言うことを許されるのでしょうか。どういう役割なのでしょうか。

(答)オブザーバーとして1人の知的リソースとして入っていただいていますから、これは今日のように、例えば公社の協力は不可欠だというような御意見が出た場合に、公社としてはどのように考えているかというのをお話しいただく。これは大変よいことだと思いますし、ぜひそういうような形で議論を円滑にするための重要な役割を果たしていただきたいと思います。

(問)主要検討項目の中で、例えば一番上の括弧に書いてある郵便の債務超過の解消だとか、自己資本の充実策みたいなことは、今公社自身としても検討をしたりしつつあることだと思うんですけれども、それと有識者会議で行われていることは、どういう違いなり、協調性があるんでしょうか。

(答)基本的には公社の御意見、総務省の御意見、その他の省庁の御意見、いろいろな御意見があると思います。そのような御意見をこの場に出して、それを含めて総合的に有識者に検討していただくということを考えています。
 また、公社と準備室との意見をしっかりと調整するために、何らかの場を設けるということは必要かなと思っておりまして、それについても今検討させております。

(問)先ほどシミュレーションの体制をツくる準備をしているとおっしゃいましたが、具体的にどういうイメージですか。

(答)これはまだちょっとよくわかりません。どういう形が一番よいのか、やはりそういうシミュレーションを行う以上、信頼性のあるものでなければいけませんし、かつやはり実効性、機動性のあるものでなければいけませんし、どういう仕組みをつくるかというのは、幾つかのやり方はあると思いますので、今検討をさせております。

(問)優先順位をつけて議論されるということですが、次回会合でぜひこの点を重点にと決まっていることはありますか。

(答)まだ決めていません。

(以    上)