11月17日 記者会見要旨

竹中内閣府特命担当大臣(経済財政政策)・郵政民営化担当 記者会見要旨

(平成16年11月17日(水)11:52~12:58 第4合同庁舎6階 642号会議室)

1.発言要旨

 それでは、先ほど18回目の郵政民営化に関する有識者会議を終えましたので、概要をご報告します。
 今日の主要検討項目は骨格経営試算、それに関連する大きくは各組織へのヒト・モノ・カネの切り分け等々でございます。骨格経営試算の話は、基本的には数字の話ですので、どのような前提で、どのような数字が出ているかにつきましては、後ほど担当の高橋参事官の方から説明をしてもらおうと思っております。
 確認のためにぜひ骨格経営試算の性格という資料の1ページ目からごらん頂きたいと思います。この試算は有識者会議の議論に資するよう郵政民営化準備室において4民営化会社について一定の前提条件のもとで将来収支などを具体的に試算したものです。税制や委託手数料などを含め、すべての前提条件については、政策意図や経営判断とは無関係でありまして、郵政民営化準備室として決定したという性格のものではありません。
 前提条件にはさまざまなものが考えられ、本試算で用いられたのはあくまで一つの条件です。計上された計数は試算の前提条件等に応じ、当然に変化することになります。この試算は、一定の前提条件のもとでの将来収支の骨格になると思われますけれども、さらに新規業務などの要素を付加し、肉づけを行えば、これは将来の民営化会社の経営戦略を練るための第一歩にはなると思います。
 骨格経営試算は次のステップに当たる政策シミュレーション、経営シミュレーションにつなげていくべきものだと思っています。この試算の結果は4民営化会社の将来を保証し、拘束するものではありません。
 ちょっと重複するかもしれませんが、前回申し上げましたように、こういう試算というのはやはり3つの段階で行わなければいけないと思います。まず、今回骨格の姿を示して、その後で政策シミュレーションを行う、その後に経営シミュレーションを行うということになります。今の段階では、そうした政策判断や経営判断を極力排除して、まさに骨格、スケルトンの部分をぜひしっかりと確認をしたい、その作業になります。
 その上で、例えばですけれども、政策シミュレーションとして何をやるのかというと、資本政策、出発時点でどこにどのぐらいの資本を与えるのか。どこにどのような資産を持たせるのか、これは資本政策になりますけれども、そういうのは政策の枠組みの中で、これは法律を書く上で決めないといけませんから、それをどのようにしていくかというのは政策シミュレーションというふうに申し上げてよいと思います。そういうことは次の段階として行います。
 そうすると、今はどうしているのかということになりますと、例えばですけれども、ヒトを切り分けて、それに付随する資産等々はもちろん今の骨格試算でも配分しているわけですけれども、資産の帰属が必ずしも明らかではないもの、現金、非常に巨額の現金を持っていますけれども、そういった現預金については、便宜的に4分の1ずつそれぞれの会社に持たせていくと、そういう形でその政策判断、経営判断を極力排除するような試算を今回行っています。
 例えば、将来的には新規事業を行っていかなければいけませんが、どの程度の新規事業を行えるようにするのかというのは政策判断であります。そういうことはやっていない。それと、さらにはどの程度のコスト削減を行うのか、そういうのは経営判断です。そういうのは行っておりません。現在のトレンドに基づいて行っている。新規の事業については特にこの中には織り込んではいないということにしております。それらを加味して行うのが経営のシミュレーションというふうにご理解を頂きたいと思います。
 数字については後で説明しますが、基本的には現状のトレンドで公社の中期経営計画、この公社の計画数値は途中まででありますけれども、それと基本的に大差ない数字になっているというふうに申し上げておきたいと思います。
 今日の議論ですけれども、基本的にはその経営試算の前提条件、数字の意味等々について質問形式でたくさんの質疑が行われております。質問等々でありますので、一々ご紹介することは避けたいと思いますが、議論を踏まえましての有識者の意見の中にもありましたけれども、私の認識も加えて簡単に整理だけしておきますと、基本的にはこの骨格の経営試算によって4事業の本質的な構造がクリアになったという点が1つの重要なポイントだと思います。この経営体として見る限り、外部要因としては金利、それと資産、預金等の残高ですね、それによって非常に大きく影響を受けると。一方で、コストの削減余地というのは人件費等々非常に漸減的なものになっていくだろうと。
 そうした中で、今後10年ぐらいに関しては、これはこうした経営の基本的な問題というのは、民営化するしないにかかわらず、経営環境はだんだん厳しくなっていくわけでありますけれども、それでも今回の試算では、この試算の期間の10年間にわたっては、黒字を出せるという結果になっておりまして、そういう期間にこそ、経営の自由度を広げて、それでしっかりとした経営の体制を整えていくということが必要だということが示唆されているのだと思っております。
 かつ4事業が成り立つか、特に窓口ネットワーク事業が成り立つかという議論があります。これは最終的には経営のシミュレーションを通して判断をしなければいけませんが、骨格シミュレーションによる限り、少なくとも事業採算が成り立たないということはない。制度をしっかりつくって経営をしっかりすれば、これは成り立つということを前提に、よい政策的な枠組みとよい経営の仕組みをつくっていくということが重要だ、そのような点が示唆されていると私は認識をしております。
 もう一つ、この試算の性格でありますけれども、これは郵政公社のご協力を得て郵政民営化準備室の責任において行った試算でございます。今後はさらに議論を深める中で、政策シミュレーション、それと経営シミュレーション、そういったものにしっかりとつながるようなステップを踏んでいきたいと思っております。
 ちょっと技術的な点ですけれども、後でいろいろなご疑問が出て、高橋参事官の方からお答えすると思いますが、これは骨格でありますので、政策判断、経営判断を極力排除しております。収支に関連して言うならば、新規の事業は織り込んでいないということと、それと金利については同様の利ざやが稼げる。金利は上がるかもしれないし、下がるかもしれない。金利は上がるかもしれませんけれども、その場合はきちっとしたALMを行って、利ざやはきっちりと稼げるということを前提にしていると。したがって、その意味では、新規の新たな分野も織り込んでおりませんけれども、リスクについても今と同じだと。リスクがふえるというふうな織り込みもあえてしていない。そういう意味での骨格試算であるということを申し上げておきたいと思います。
 詳細の前に、もし少し私の方でお答えすることがありましたら、お答えをいたします。

2.質疑応答

(問)シミュレーションの結果は骨格試算で4会社とも黒字は確保したということであれば、これまでの郵政の基本方針、これは変更することなく、それに従って着々と整々と進めると、そういう理解でよろしいでしょうか。

(答)これは経営シミュレーションではありませんので、黒字がしっかりと保証されるとか、そういうことではありません。そういうことが成り立ち得るだろうということを前提に、しっかりとした政策をこれから決めて、政策シミュレーションを行い、経営判断をして頂いて、経営シミュレーションを行い、そういうことにつなげていきたいという趣旨のものです。基本方針に対して忠実にやっていくのかということに対しては、これは当初方針通り、基本方針を忠実に制度化していくと、法律に反映していくというのが我々の努めであると思っております。

(問)もう一つ、政策シミュレーション、これは次の段階だと思われるんですが、これはどの段階でおやりになるんでしょうか。

(答)時期的なことはまだ考えておりません。例えば、さっき言ったように、政策シミュレーションの分かりやすい例としては、資本政策ですね。資本の切り分け、資産の切り分けをどうするかということでありますけれども、それはそういったことを制度設計としてきちっと決めて、法律に反映させていくと。その段階ではきちっと確認のためのシミュレーションは行わなければいけないと思っております。時期的にはそういった意味での進捗に合わせてしっかりと行っていくことになると思います。

(問)次回の有識者会議はどんな議論が、今週の金曜日にありますけれども。

(答)これは既にもう公表させて頂いていると思いますけれども、11月19日、10時から12時に開催させて頂く。議論となりますのは、これは第1ラウンドで終えたことを今、第2ラウンドで議論しているわけですけれども、各事業会社の法的な位置づけでありますとか、窓口ネットワーク会社の受委託関係でありますとか、郵便の中の第三種、第四種郵便物の提供範囲について、そうした問題について議論をして頂くべく、今準備をしています。

(問)先ほどの骨格シミュレーションで事業が成り立ってくるというような趣旨のことをおっしゃったと思うんですが、であれば、逆に新規事業についてやる必要があるのかと。現在の事業でも成り立ち得る、基礎的な部分が確認されたのであれば、民業圧迫を懸念する人たちからは、やはり新規事業をやる必要はないのではないかというご意見も出かねないかと思うんですが、その辺はどうお考えですか。

(答)基本的にこの数字で確認していただけるように、これは残高が減ってくる中で収益ェどんどん低下してくるという構造、そういう構造を持っています。それはそのままでいいではないかというふうに経営者が判断されるのであれば、そういうことはあり得るかもしれませんが、普通、経営者はそういう判断はまずされない。これは、その先に行けばさらにどうなるのかと言えば、当然のことながら、基盤をしっかりと強化すると。経営の自由度を持ってやっていくというのは、これは経営の側からは当然、そういう発想になると思います。
 同時に、我々としては郵便ネットワークというのは国民にとっての資産ですから、資産を有効に活用して頂いて、国民の利便性に供するというのは、不便なままで置いておいてよいということではありませんから、これは政策的にも経営的にも今の方向に沿って、しっかりとお答えを頂くというのが当然の方向だろうと思います。

(問)シミュレーションの前提で、ケース1、ケース2とヒトの切り分けを2つ示されましたけれども、今日お示し頂いている資料としては、基本的にP/L1本の数字だと思うんですが、このあたりはどういうふうに理解したらいいんでしょうか。

(答)ケース1、ケース2というのがあるかと思いますけれども、組み合わせですから、計算しますと、2の数乗通りのものが可能なわけですね。それは大変ややこしいと思いますので、そこに書いておりますのは、基本的にはヒトの切り分けはケース2で、あと金利の前提等々がどうなるかということは一番最後のページにあります感応度分析、センシティビティーの分析で金利を変えた場合、ケース1だったか2だったか忘れましたけれども、ケースを変えた場合にその影響が大きいか小さいかというようなことについて、その状況を示しております。

(問)確認ですが、持ち株会社の人員が載っていないんですが、これはどのようになっていますか。

(答)基本的には持ち株会社のというのは株を持っていますけれども、日常的な事務だけだと思いますので若干名だと思います。詳細は後であると思います。

(問)細かくて申し訳ないんですが、貯金のB/Sのところで、自己資本が随分、現在の郵政公社の郵貯事業よりさらに小さい状態になっているんですけれども、これはどのような調整でこうなっていますか。それはBIS基準の4%とか8%を意識して何か設定されたのかという点をちょっと教えて頂けますか。

(答)ここは先ほど言いましたように、政策判断を何もしておりません。資産の切り分けに当たっては、帰属が明らかな資産、負債については当然そこに帰属させています。例えば、この貯金部門の負債で、貯金、定額貯金というのは当然ここに入っているわけですけれども、その他のものについてはほとんど等分、典型的には多額のキャッシュを持ちますけれども、それは4等分やっていますので、だからこの数字が大きいか小さいかということに対して政策的な割合で判断をしていませんので、政策的にご照会頂く必要もないんだと思います。

(問)では、それは政策シミュレーションのときに反映されたものが出ていると。

(答)当然のことながら、制度設計のときには、例えばBISの規制がどのようにクリアできるのかとか、そういうことは当然のことながらしっかりとやらなければいけないことになります。今日は民間の有識者からもそういうご指摘は出ていまして、そこは政策シミュレーションの中でやるということです。

(問)それからもう一点、政策シミュレーションを法律に反映できるようにと仰っていましたけれども、これは準備室が内部的に行うものなのか、それとも有識者会議などでお示しされる考えがおありなのでしょうか。

(答)もちろん示します。これは制度をつくるときに、最終的に法律ではそれぞれ4社をどんなふうに切り分けるかということをきちっと書いていかなければいけないと思いますけれども、それがそのときにちゃんとBIS基準を満たせるのかとか、それは確認しなければいけません。そのためにシミュレーションをやるわけですから、それはきちっと、その都度お示ししていくということになると思います。ただし、タイミングはまだどのぐらいになるかはわかりません。
 それともう一つ、政策判断、経営判断を行っていないということでありますけれども、利益が上がって、それを配当するのかとかという社外流出についても、これはもちろん税金は決められているので払いますけれども、配当については考えておりません。そういう形でここに書いているような形で資産、自己資本勘定が積み上がっていくということに、便宜上しております。

3.発言要旨(内閣官房郵政民営化準備室:高橋参事官)

 それでは、技術的な点をご説明いたします。
 骨格経営試算の性格で、1ページ目から3ページ目は今、大臣が説明したとおりでございますけれど、4ページ目から大きな前提が4、5、6と書いてありますが、切り分けの話はち蛯チと後で、7ページ以降で説明します。ほかの前提についてはそれぞれの会社のところで説明をいたします。
 7ページ目、これは人員の切り分けの前提条件を書いておりますが、前に出した資料と同じでございまして、基本方針では分社化の時点では基本的に郵便の集配業務を除く対顧客業務に係る郵便局員は窓口会社ということになっておりまして、ただ、有識者会議の議論の中で、現在の帰属部局にとらわれず、業務の内容に応じて人員を各社配分ということになっています。それでいきますと、この特徴的なケース1とケース2は、この一番下に書いてありますが、集配特定局の外務員がケース1は全員窓口会社、ケース2は郵便会社、窓口会社へ案分という形で、ケース1、ケース2を設定しております。
 次の8ページ目をめくって頂きます。そういう形で、ケース1、ケース2を分けますと、ケース1の方が郵便が少なくて窓口が多くなり、郵便が9万人、窓口が16.6万人です。それとあと、貯金、保険はこの上に書いてありますが、事務センターの要員はそれぞれ貯金、保険という形になっておりまして、その意味では郵便局という段階では、貯金会社、保険会社の職員はいなくて、窓口会社と郵便会社に分けられるということでございます。
 ケース2は、貯金と保険は全く同じで、0.8万人、0.4万人という形ですけれども、ケース2の方は郵便の方が、無集配特定局の外務員が移っている関係で、郵便の方が3万人ぐらい増えていて12万人、それとあと、窓口はその分だけ3万人ぐらい減っていて13.5万人という形でございます。前提は以上でございまして、繰り返し述べますけれども、資産の切り分けについては、先ほど大臣も言っておりましたけれども、基本的には業務用の資産は分けますけれども、一番大きい現預金、これを4等分しております。
 次が9ページ目以降、これは各会社のP/L、損益計算書でございます。最初は、郵便でございますけれども、郵便は、一番上の収益合計、その下に郵便営業収益という形を見て頂くとわかると思うんですが、徐々に減るという形でございます。数字的には、1%から2%の減という形を織り込んでおりまして、将来ともその数字で伸ばしていって、減っていくという形でございます。
 それとあと、費用の方は人件費と物件費、租税、窓口委託手数料という形がありますが、人件費、物件費は1%程度減らしております。その意味では、この人件費、物件費の減りがかなり主要な部分でございます。
 税金は、固定資産税とか印紙税も払いますので、横置きという形でずっと置いております。
 窓口委託手数料、これは窓口で取り扱う郵便については、一定までは窓口に払うという形で計算をしております。そこでいきますと、経常利益は最初は600億円程度ですけれども、最終的には173億円という形で、平均すれば400億円強だと思いますけれども、そのぐらいの収益になります。傾向的には、郵便の減少がありますので、だんだん低下していくという形です。
 法人税を払った残りが当期利益なんですけれども、これは400億円弱から100億円程度という形で、平均すると200億円ぐらいと思いますけれども、減少していくという形になっております。
 次が、貯金でございますけれども、貯金の前提、これは大臣も申し上げましたけれども、人員の切り分けは先ほどのケース2というのを基本にしております。ですから、この人件費だけを見ると、先ほど0.8万人と申し上げた通り、非常に少ない数字なんで、かなり少ない条件という形になっております。もう1個の前提は金利等残高の数字でございます。金利は今の低金利というか、金融環境が一定維持されるという前提でございまして、例えば長期金利で申しますと、1.5%ぐらいの金利がずっと続くという形でございます。
 それとあと、残高がどういうふうになるかということなんですけれども、このP/Lではちょっとわかりにくいので、B/Sを、貸借対照表を見て頂きたい、これは14ページにございます。
 この14ページの貸借対照表の負債の部で、郵便貯金をごらんになって頂ければと思いますが、2006年度は大体214兆円程度だと思いますけれども、それが大体3分の2の142兆円程度に減るという前提でございます。こういう形で預金は減っていくという前提で計算をしております。
 そういう前提のもとで計算をしますと、恐縮なんですけれども、また前に戻って頂きまして、貯金の10ページ、全体から減っていきます関係で、当然のことながら運用収益も減っていきます。ただ、一方で残高が減っていきますので調達費用も減っていくという形になっておりまして、収入合計だけでいきますと、当初は大体1兆6,000億から7,000億円、最後は1兆3,000億円ぐらいという形が得られます。それから費用が差し引かれまして決算が行われますけれども、この人件費、物件費は、少額でございますので、先ほどの郵便とは違って横置きという形です。これは別に多少減らしてもいいんですけれども、ほとんどが影響ないので、計算の簡便上、横置きをしております。
 あと、租税なんですが、これは印紙税と固定資産税などを払いますが、さらに、分社化をしますので、窓口会社に委託手数料を払うわけですけれども、その委託手数料につきまして、窓口会社は消費税を負担します。負担しますが、窓口会社が払う消費税は、貯金に転嫁して貯金が払うというそういう前提を置いております。そこで、それが加わりますので、大体1,000億円弱の租税という形で出てきます。
 それと、預金保険料は今の残高に0.08%を掛けるという形で保険料を大体計算しています。貯金の場合ですと、最初に通常貯金、50兆円強ですけれども、それが最初から預金保険料の負担は結構大きくて、それが残高が増えるに従い、さらに旧勘定が減り、新勘定と入れかわるという効果もありまして、最終的には1,000億円ぐらいの預金保険料を払うという形の計算になっております。
 窓口会社の委託手数料は、これは先ほど人員はほとんど持たない、貯金と保険は事務センターと本社だけでありますので、郵便局の段階ではほとんどないので、これは窓口に委託手数料を払ってやっているという形になろうと思いますけれども、これは大体残高に比例する形で払うという形で、最初は8,000億円ぐらい、それと最終的には貯金の残高は減ってきますので、6,000億円程度という形の委託手数料を払うという計算にしております。
 そういう形でやりますと、経常利益が出まして、おおよそ最初の費用は4,000億から5,000億円出て、最終的には2,000億から3,000億円という形になろうかと思います。そこの数字が経常利益という形であらわれております。
 当然のことながら、これに法人税を払うわけでございますけれども、大体1,500億円程度法人税を払う、それも払った上で当期利益が確定しまして、2,000億から3,000億円程度の当期利益になるという試算でございます。
 次が保険でございます。保険は、実はP/Lという形で、きちんとした項目で分けるのが難しゅうございましたので、保険の分析をする方でしたら非常になじみのある三利源分析という形をとっております。これは、最終的にはP/Lをつくるときにこの科目を入れかえたりして、保険料収入をそういうふうに全部分けるわけなんでございますけれども、保険の経理とか保険の分析をする人は、恐らくこの三利源の方が実態を把握しやすいと思いますし、我々もこれで分析をして、まだP/Lという形で直しておりませんけれども、最後の帳尻というか、経常利益のところは同じになります。
 保険というのは、いろいろな要素から成り立っているわけなんですけれども、死亡率が仮に予定より高ければ保険金が出て、保険会社は大変になるんですけれども、死亡率が低ければそれは利益になるという形となっております。それを死差と申します。
 それと、保険の契約を結んだときに、長期にわたって保険契約の予定利回りというのを決めるわけなんですけれども、実際問題、保険契約というのは20年、30年続くわけでして、実際保険料が入ってくるのは、もうそのずっと後なわけですね。ですから、最初に結んだときの予定利回りと後の運用するときの利回りの差があれば、要するに、最初に、低い予定利回りで保険契約を結んだ後で、後の収入が入ってくるときに利回りが高ければ、これは利益が出るので、利差になります。逆に、最初の保険契約の予定利回りが高くて、実際保険料が入ってくるときの利回りが低いときには損が出ますけれども、これも利差といいます。
 最後、費差、これは最初に予定していた事業費というのがありまして、その後のいろいろな関係でそれが増減したりします。その関係で、これらも損益、プラスマイナスが出てくるので、それを費差と呼んでおります。この3つを足しますと三利源という形で、一応基礎的な収支というのは決算に出ています。
 保険を見てみますと、平均余命等々が延びるという関係もありますので、死差というのはこの程度、4,000億から5,000億円は発生すると見込まれております。あと利差、これはずっと三角(△)がついておりますが、これは過去に高い予定利回りで結んだ保険がたくさんまだ残っています。今現在は低金利ですね。この骨格試算でもこの低金利は続くという前提がございますので、過去に今の低金利より高い予定利回りを結んでいたものは、全部逆ざやになります。そこの逆ざやが発生している関係で、こういう大きな数字が並んでおりますが、保険もどんどん新しいものに入れかわって、かなり長期のものですが、新しいものに入れかわりまして、最近のものは非常に予定利回りが低いです。ですから、この利差という逆ざやは、ずっと経年的に減少するという形になります。
 ですから、最初に2007年で1兆円を超えるものがありますけれども、2016Nではそれは3,000億円程度になるのではないかというふうに予想しております。
 次に、費差ですけれども、これを構成するのは人件費、物件費、租税等々なわけなんですけれども、人件費、物件費は、これは先ほどの人員の切り分けでおわかりのように、ほとんど人がいないので、これは横置きという形でしております。それから、租税ですけれども、これは固定資産税と印紙税、結構印紙税が多く、さらに、委託手数料に伴う消費税の転嫁を受けて、それも払うという形にしております。
 保護機構負担金、これは生命保険契約者保護機構負担金というのが正確な名前かと思いますけれども、やはり預金保険と同じような意味で残高及び収入に一定率を掛けましたものを負担するという形になっています。この保険の場合は、新規業務、新会社はゼロからスタートする形になって、この保護機構の適用になる保険というのは、最初はほとんどないです。いわばゼロからのスタートなので、そういう意味では小さいですけれども、それがどんどん大きくなりまして、最終的には80億円ぐらいの負担をするというふうに計算ができます。
 それと窓口手数料、窓口手数料は、窓口会社で保険を売ってもらって、保険を売ったことに対して手数料を払う対価でございますけれども、これは大体新規の保険料収入をとるという形で計算をしておりまして、6,000億から5,000億円ぐらいという形です。
 こういう形ですけれども、あと前提としまして、残高と金利の話がありますけれども、ちょっと前後してしまいましたけれども、金利の前提は貯金と全く同じです。その意味では、今の低金利の関係は続くという形。残高の前提は、残高というのは新規の保険料収入が減るということによって残高が減っていくということになるんですけれども、その残高の話につきましては、15ページのバランスシートをごらんになって頂くとよろしいかと思います。
 保険会社のバランスシートですけれども、保険会社の大きさを見るときに、先ほど貯金会社では預貯金という項目が大きく負債の方にありましたけれども、保険会社の場合は、よく見るのはこの保険の責任準備金という単位で、要するにどの程度保険を払うべきかというような負債項目ですけれども、これの大きさで見ています。
 2006年は大体110兆円ぐらいだと思われます。それが大体3分の2程度になるということで、70兆円程度ということを前提としております。こういう形で保険料収入が下がるということは、新規の保険が減るということを意味していますけれども、そのもとで収支を計算したのが、また恐縮ですけれども、前にお戻り頂いて11ページになります。今言ったようなことで全て計算しますと、三利源の合計というのが最初はマイナスになるもわけなんですけれども、経常利益というのは過去のストックを多少取り崩したりして、最初は低いですけれども、2,000億から3,000億円という形で経常利益でプラスが出てくると思います。それに対して、法人税を払いますので、初年度は多分赤字だと思いますけれども、その後、順調に回復しまして、300億円程度の当期利益が発生するというふうに計算をしております。
 最後に、窓口会社、12ページでございます。この窓口会社は、収入はそれぞれの3会社からの委託手数料です。ここに上がっております郵便系収益、貯金系収益、保険系収益と書いてある数字は、実はこれまでの3会社のところに計上されていた窓口委託手数料でございます。郵便系ですと3,000億円程度、それが郵便物の減少に伴いまして若干減少すると。貯金系は最初8,000億円ぐらいですけれども、最後は6,000億円ぐらい。これはなぜかと申しますと、残高が減っているからでございます。保険系は、新規保険額に連動する形でずっとやりますので、かなり横ばいという形です。ただ、新規保険額そのものの水準がかなり低いので、残高は落ちていくということです。
 一方、費用は人件費、物件費なんですけれども、これは大量に人員を抱えております。ここで10数万人の人員を抱えているので、人件費というのを置いておりますけれども、それが郵便と同じ程度、1%程度ですけれども減少するという前提で計算をしております。
 窓口の租税は、実は先ほど消費税と言いましたけれども、消費税はすべて3会社に転嫁して負担させるという形になっていますので、実際上、ここに出てくるのは、固定資産税等々でございます。P/Lの段階では、転嫁する消費税については損金になりませんので、そこは計上してございません。
 こういう形でやりますと、経常利益、これが最初は3,000億円程度ですけれども、これからずっと下がっていって、最終年度には1,000億円ぐらいになるという形に計算ができます。そこで、法人税等を引きますと、2,000億円から大体700億円程度に当期利益は変化していくということです。この変化する要因というのは、貯金の残高が減っていくという、サれが主な原因でございます。あと、郵便も取り扱いが減っていく、そういうことが原因になって変化していくという形になっております。
 13ページ以降は、これは各4会社のバランスシートです。先ほど大臣からも話がありましたけれども、資産項目の現預金を4等分している関係で、流動性資産がそれぞれみんなちょっと大きくなって出てきており、郵便のバランスシートは、2006年度では1.6兆円の資産超過という形に計算できます。
 次は貯金でございますけれども、14ページの貯金、ここも現預金を均等に4分割している関係で、2006年度には2.5兆円という形で資産超過が出てきています。自己資本が2.5兆円でございます。それが、その後その収益が積み増す関係で、2016年度では5兆円という形になるというふうに試算ができます。
 次は保険ですけれども、保険も自己資本が最初は1.4兆円という形でございますけれども、収益が上がり1.6兆円になります。それと、最後に窓口会社、窓口会社は全く何もなくて、2006年度からスタートするわけですけれども、現預金は最初は2.3兆円ほどありますので、自己資本が2.1兆円という形でスタートして、その後、収益を積み増すので3.3兆円になるという計算でございます。
 最後に、17ページ、これは感応度分析であります。今まで、9ページからから16ページまで述べたことは、前提は、人員についてはケース2、それとあと、金利については今の金利水準が継続されるという前提、それとあと、ボリュームにつきましては、先ほどもちょっと言いましたけれども、郵便につきましては1%から2%ぐらい減少、それと貯金につきましては、大体残高が3分の2になると。総資産でいきますと、200何兆円が150兆から160兆円ぐらいで、貯金ですと140兆円ぐらいと、先ほどのB/Sで示したという前提です。保険でやりますと、責任準備金が大体3分の2という前提です。
 それぞれ人員がケース1になったらどうなるかというのが、この人員の切り分けという欄です。それぞれ郵便、貯金、保険、窓口が収支、これは経常利益で出ていますけれども、多少変化しているので、その変化の幅とか大きさを書きました。
 ボリューム減、例えば、郵便ですと、先ほど全体で1%から2%減少としていると申し上げましたが、具体的に言えば、例えば第1種郵便というのがほとんど、主な普通の郵便物なんですが、これは2%強です。それを更に3%強減少するという形を考えております。
 それで、貯金につきましては、先ほど大体貯金で140兆円と言いましたけれども、それが更に減少すると、そういう形で計算をしております。保険も、新規保険額というのが更に1割ぐらい減少するという仮定を置きます。新規保険額は1割ぐらい減少しますので、残高は更に低下します。
 ということになるとどうなるか、経常収支ベースで計算をしまして、その結果はここにまとめてありますが、例えば郵便が更に減少するというときにはどうなるか。実は、これは人件費の方もそれと同じ程度減らすとほとんど変わりありません。先ほどの収支でわかると思いますけれども、郵便というのはほとんど人件費です。ですから、その意味では余り変化がない。もし人件費が一定という形になると、その分、収支、利益が下がった分だけ悪くなるという、そういうことでございます。
 貯金は、更に残高が減るとこれは結構大きく収益が悪くなります。三角(▲)というのはそういう意味です。
 保険は、実は保険も新規保険額が少なくなると収益が悪くなります。悪くなりますが、実は窓口に払う委託手数料も減るんです。その2つが結構相殺して余り変化がないんです。窓口の業務は、収益はどうなるかということですが、窓口は先ほど貯金の残高とか新規の保険料額に依存するわけなんで、そこは下がります。収益は悪くなります。ですから、その意味でボリュームが減りますと、手数料がと減りますので、窓口は悪くなるという形です。
 それから、金利が上昇したらどうなるかというのも試算しています。先ほど説明したのは、今の金利で横ばいということなんですけれども、これが大体1年に0.2%程度上がっていくという仮定を置いたらどうなるかという計算でございます。
 まず郵便でございますが、郵便は金利の上昇では影響がございませんので、影響はなしです。
 あと、貯金ですけれど、ある一定のポートフォリオと、先ほど大臣がきちんとしたALMと仰っていましたけれど、短期、中期、長期、うまく配分すると、金利が上がっても余り影響がないという形になります。今の実際の公社もそのようなポートフォリオだというふうに聞いておりますけれども、短期、中期、長期をよく持つと、金利が上がってもほとんど収支には影響はございません。
 あと保険はですね、先ほど逆ざやがたくさん出ると申し上げましたけれども、それは過去の高い予定利回りを約束して、現在の低「金利で運用していることが原因だと申し上げましたが、金利が上がりますと、運用環境の方は改善されます。一方、過去に約束した予定利回りは変わらない。その意味では、金利が上がりますと、保険はかなり収益は改善いたします。
 最後、窓口ですけれど、窓口は基本的には金利には関係ない。先ほどもちょっと言いましたけれども、これは委託手数料の考え方としましては、一定、貯金の残高とか、保険の新規計画、そういうのに依存して手数料が決まってくる関係でですね、実は金利には余り関係がありません。
 以上でございます。

2.質疑応答

(問)窓口のP/Lで、収入の合計とですね、それから3会社からの収益の合計、どうも合わないんですけど、手数料以外のもの、何かあるんでしょうか。

(答)印紙の売りさばきなんかがほんのちょっとあります。今、郵便局でやっているのはいろんな業務があって、それをその他と置いています。

(問)それとB/Sで、窓口のB/Sは、これ新たにつくられたと思うんですけれども、もう一度、窓口の自己資本の2.1兆円、これどのようにして決めたかというのをお願いします。単純にちょっと切り分けたということですが。

(答)単純に切り分けました。先ほど、事業資産で、郵便局は実は窓口と郵便で半々で分けるとか、そういう前提がありますけれど、この大きなものは現預金ですね。現預金が2.3兆円あるということでして、先ほど、この今の公社の現預金は9.2兆円なんですね。それを4で割ると2.3兆円ですから。それを窓口に配分すればこういうことになっている。

(問)細かいことなんですけれど、消費税は、支払いは現行水準のままということでよろしいですか。

(答)ええ、そうです。ただし、その水準なんですけど、これは計算上やった話なんで、政策意図とか、そういうのとは違うということはちょっとご理解頂いて、それを準備室の方で容認したとか、そういうこととは違うということはご理解頂きたいと思います。これは念のためでございますけれども。

(問)2点確認したいんですが、各事業会社の窓口委託料なんですけども、先ほど、貯金の場合は残高の一定割合とおっしゃっていたんですが、具体的に何%とというような形でもう少し詳しくお願いしたいのと、あと、2007年の開始時の人員については示されているんですけれども、ケース2ということで。2016年はどうなっているか、各事業会社ごとにお願いしたいんですが。

(答)最初のご質問は、収益の方から割り戻してもらうとですね、多分、20%弱とかそういう数字が出でくると思いますけれど。
 あと、人員の方の話はですね、これは最初だけ決めていて、あと人件費ということしか決めていません。人件費は、要するに給与と人員数の掛け算ですよね。ですから人件費だけ決めて試算したんで、具体的な人数は、実は計算しておりません。

(問)これは、ただ人件費についても減っていくという、特に郵便と窓口について、人件費が減っていくというような仮定での計算ですが、これは公社が考えてやっているものですか。あるいは、ただ自然減の範囲というような形で計算されているんですか。

(答)自然減というのは、恐らくこれから退職する人、それとあと定年退職する人、あと自然退職する人と思います。人件費の削減がこの程度であれば、ほとんど給与が同じであってもですね、自然減の範囲で全く対応は可能だと思います。

(問)感応度分析のところで、貯金のボリュームがマイナスになった場合、その影響はどのぐらいですか。

(答)1,000億円オーダーだと思います。こういうのは桁数しか意味がないんですけれど、100億円とかそういう話じゃないです。

(問)窓口も同様ですか。

(答)そうです。

(問)1つ前の質問の関連なんですが、確認の意味も込めて。各社の人員の割り振りというのは、これ郵政公社の現状の計画では、毎年7,000人ぐらいの割合で毎年減っていく自然減と、新規採用の抑制で、7,000人ぐらい減っていくという想定で、10年後ぐらいには20万ぐらいというのが大体の我々の理解なんですが、ここに出されている人件費というのは、その辺の経営数字は織り込まれているものとしていいんですか。

(答)織り込まれているというか、人件費で減らしますから。実は人件費というのは今言ったように、給料と人員の要するに掛け算できているわけなんで、多分、給料は一定ぐらいでもですね、そのぐらいの数字と大差ないと思います。

(問)各社の人員割り振りの表がありますけれど、10年後は何名ですか。

(答)正直言って、そこは人件費で計算してありますんで、人数は計算してないんですけれど、恐らくですね、今おっしゃったような数字と大きくは違わないと思いますけどね。

(問)ただ人件費と比べるとですね、いわゆる非常勤の割合も当然、郵政公社側は入れてきていると思うんですね。正規分がいネくなる分だけ非常勤を入れますので。その辺は。

(答)恐らくそういうのは経営のシミュレーションみたいなところでやるような話だと思います。私らの方はP/Lの中でやっています。人件費が1.1%減るというのが、給料が仮に一定だったら何人ぐらい減るかとか、具体的にどこをどういうふうに減らすか、そういうのはちょっと計算していないですね。あえていえば1%ぐらい人件費を減らすということは、自然減で多分年1万人ぐらい減るのが公社だと思いますけどね。それの半分程度というか、そのくらいは補充してもですね、1%程度の人件費減は達成できるんじゃないかと思います。

(問)確認ですけれど、そちらは郵政公社からデータを提供されて、例えば10年後のシミュレーションもしているわけですよね。ということは当然、人件費では公社側のプランに沿った形でできているんですか。

(答)プランと申しますか、基礎データをもらっているんです。人件費をどういうふうに減らすとか、そういうことではないんです。

(問)10年後のデータはないわけですか。

(答)いろんなデータを提供は受けていますけれど、我々は物量に応じて減らすという、そういう機械的な計算をしただけですから。

(問)いわゆる現状のものからこう落ちていくよという前提、公社の元データが10年後まで……。

(答)我々はあくまでも機械的な、1.1%で減らしたらどうなるかという、それだけを計算したんです。

(問)あくまでも公社から、公社側から出されていたデータ、現状のものを分析されてシミュレーションされたということなんですか。

(答)そうです。

(問)それに関連するんですが、職員の切り分けは、ケース1、ケース2がありますよね。アルバイトの話なんですが、10何万人加わるんですが、その割り振りはどのように想定しているのか。

(答)アルバイトは全部人件費に入っていればですね、それはもう比例的にとしか、明示的には言えませんけれど、比例的な形で言外に前提としております。

(問)比例的というと、どういう……。

(答)比例的というのはですから、こういうふうに減ればですね、全体が減ればその部分も減る。

(問)アルバイトの張りつけ方は。

(答)それは経営の話であると思うので、私たちは……。

(問)シミュレーションの前提として結構大きいと思うんですけれど。

(答)ですからそれは人件費という減少の中で考えています。要するに、アルバイトの話も人件費に入りますんで、人件費全体を減らしていくという……。

(問)それはわかったんですが、そのアルバイトのところの4会社の割り振りですね、それをしないと試算がずれてくると思うんですが。

(答)(籠宮参事官)基本的にまず3会社で人件費の配分があるわけですけれど、それのどれぐらいを窓口会社に持っていくかという計算をしているわけですね。で、窓口に移った人数にプロラタで人件費も移るわけです。
 そうすると、その人件費の内訳はあえて明確化していませんけども、あえてアルバイトの人件費とか、それ以外のものとか、全部プロラタに移せば、これとプロラタになります。それ以外のやり方は、それはいろいろあるかもしれません。それは経営判断だと思います。ここでは、あくまで人件費については、3事業の人件費を、窓口へ移った人数にプロラタで人件費を移した、それだけです、機械的に。

(問)そうなると、正社員にくっついた形で加算しているということなんですか。

(答)(籠宮参事官)ですから、そこは何も前提を置いてません。ただ、そういうふうにすればこの計算に合うような、アルバイトの配分はつくれると思います。

(問)委託の手数料、3事業の会社から、それぞれの計算式をもう一度教えてもらえませんか。

(答)計算式と申しますか、先ほど、大ざっぱに言えば、郵便は取り扱いの2割弱ですね。

(問)取り扱いの2割弱というのはどういうことですか。

(答)郵便の収入がありますから、それに一定割合という意味ですけど。

(問)郵便の収入の2割。

(答)大体2割弱ですかね。

(問)2割弱で18%とかそういうことですか。

(答)あと、貯金の方は残高を割り算して頂くとですね、大体わかると思うんですけれど、大体0.5%程度ですかね。0.4%とか0.5%とか、そういう数字だと思います。

(問)そこは明確にできませんか。まず、そこを固定してやっていると思うんで。そこは固定されて10年間ということでやっていると思うんで。

(答)大体0.4%ぐらいだと思いましたけど。

(問)後ほどでも結構なんですが、それを明示してください。何%、各事業会社で窓口手数料が何%であるかということを出して頂きたい。そうでなければ、どんぶりでやったというふうに取られかねないですから、きちんとした資料を出してください。

(問)それは、表で出してもらえないかな。3社分、4社の。事務方の方、具体的なデータだから出された方がいいですよ。

(答)それはちょっと考えます。

(問)それから、感応度分析のボリューム減のところなんですが、そうすると1,000億円オーダーということなんですが、窓口会社ですけども、1,000億円オーダーで利益が減少した場合には、経常損益の段階で赤になるというケースというのもあるんですか。1,000億円オーダーで、マイナスの可能性があるというふうに先ほど仰っていたと思うんですが。

(答)大体とんとんぐらいになるんじゃないですかね。

(問)そういうケースはないということですか。

(答)全然ないかどうかはあれですけれど、これを見て頂くと、要するに700億とか800億円ですから、その意味では赤になるというのも何年かあるかもしれません。

(問)そういう計算しているわけですね。そういう計算をして、赤になるケースはあると……。

(答)総じて、平均的には赤にはならないと思いますけれど、各年度によってはあり得ると思います。

(問)委託手数料で、例えば貯金のところなんですけど、残高に対して、0.4%から0.5%程度ということでしたけれども、0.4%という数字は何を、なぜ0.4%が妥当だと……。

(答)これも計算なんで、何が妥当かというのはちょっと違う話なんですけれど、例えば、店舗がある効用というのはどのくらいなのか測りますと、店舗がある銀行の預金と、店舗がない銀行の預金の金利差を見ますと、例えば0.3%とか0.4%差があります。ですから店舗の効用というのはその程度であるというふうに思っておりますけれども。

(問)保険は何%、新規契約。

(答)何%というか、保険というのは結構民間の例があるんで、わかりやすいんだと思うんですけれど、大体、保険は長い契約ですけれど、大体1年分程度もらうというのが普通の契約だと思います。

(問)1年分。

(答)はい。

(問)保険料なのか……。

(答)保険料です。

(問)17ページの感応度分析のところで、保険はボリュームが減っても、窓口会社に払う手数料が減るから影響は軽微だと仰っていたんですが、貯金もボリュームが減ったら窓口会社に払う手数料は、これは……。

(答)減ります。それは手数料の決め方だと思うんですけれど、保険の方は新規に保険をとったら幾らというふうな形にして計算しておりますし、貯金の方は残高に比例するんで、残高の影響が大きいんですね。

(問)保険の初年度の保険料の収入というのは幾らぐらいというのは……。

(答)そこはですからP/Lがきちんとできないので、この三利源というのを全部ばらしてですね、保険料収入というのをしなきゃいけないんですけれど、それちょっとできてないです。

(問)連結決算という形では示していないんですけども、4社の合計を比較して理解できるような数字というのは。

(答)それをやると、多分今の公社のそのままという意味ですか。連結って足し算すれば、大体連結になりますけれど。

(問)旧勘定の損益の帰属は新しい会社にということですけれども、この4分社においては、どういう格好で反映されるんですか。

(答)旧勘定は新勘定と一体として運営するということになっていますんで、この計算上は新旧を分けていません。もちろん、先ほど、預金保険料とかを計算するときには、残高は分けておりますけれど、その意味ではちゃんと分けて計算したものであると。一体として全部計算しております。

(問)例えば保険の利差なんかは、新旧一体としての利差になっているんですか。

(答)そうです。

(問)それから、その関連ですけれども、貯金の会社の預金保険料でありますが、残高が減っていくにもかかわらず、預金保険料は増えていっているのはどうしてですか。

(答)これは新勘定の分だけ預金保険を払いますんで、残高の中で新勘定の分と旧勘定の分に計算上分けますので、その新勘定の残高に預金保険料の料率を掛けて預金保険料を計算しています。

(問)新勘定で、新しい受け入れが積み上がっていくという前提で……。

(答)そうです。従来の旧勘定はほぼゼロになると思いますけれど、そのうち新勘定が最後にいくと140兆円になりますけれど、旧勘定はほぼなくて、新しく新勘定が140兆円、そういう意味であります。

(問)旧勘定からの収益は窓口なり郵便には全然回っていないということなんですか。

(答)一体として貯金で全部経理しておりますので。

(問)貯金と保険で全部。

(答)貯金で経理してですね、その部分の一定割合を渡すという形ですから、この貯金を旧会社と新会社には分けてないということです。

(問)これ先ほど竹中さんに聞いた持株会社の人員なんですが、どのぐらいと考えればいいですか

(答)多分、3,000から4,000人程度だと思います。

(問)保険のP/Lのところで、一部過去フストックを取り崩してという話が出ていますが、これはどういうことですか。

(答)これはですね、保険、簡易保険っていうのは、追加責任準備金というのを以前に積み立ててですね、将来の支払いに充てるという形になっておりますので、その追加責任準備金の取り崩しです。

(問)ほかにはそういう過去のストックで計算に必要なものは……。

(答)基本的にはそれだけです。

(問)基本的なことですみません。ケース1も計算したけれども、今日はケース2だけ示されたという意味ですか。

(答)ケース1を計算した結果っていうのは、最後の感応度分析というところで一応定性的に示したつもりなんですけれど。

(問)それで出たのは数値も示されているですか。

(答)実はケース1とケース2というのは、定義上貯金と保険は全然関係ないというのはご理解頂けると思うんですけれど、郵便でいきますと、ケース1の方が郵便の人間が3万人ほど少ないですね。3万人ほど少ないので、実は人件費がその分少なくなっちゃうんですけれど、その一方で、委託手数料は増えちゃうわけですね。そうすると、それが2つ合わさって費用が余り変わらないということを、ここの感応度分析では書いてあります。もちろん完璧に同じになるわけじゃないんですけれど、計算ですから、本質的には余り変わらないという意味で軽微というふうに書いたんです。

(問)感応度分析の金利上昇のところのですね、1年で0.2%上昇と仮定した場合という想定ですね。そうすると、10年後は2%アップということですか。

(答)そうです。

(問)これはALMをやれば問題ないということ……。

(答)金利が上がったときに、収益がなぜ変化するかっていうのは、負債、貯金の方がある一定期間の間に満期が来て、新しい預金になり、それは金利が変わる。金利が上がると当然その費用が増加になりますね。
 一方で、資産の方もですね、ある一定期間の間に満期がきて、新しい投資をすると。それは金利が上がったときには収益の増になるわけですよね。そうしますと、その負債の方が、どの程度金利がアップになるか、資産の方はどの程度金利がアップになるか、それによって収益は変化するわけですよね。
 極端な話言えばですね、短期債をたくさん持てば、負債、貯金の満期がくる以上に短期債を持てばですね、短期債の方はどんどん新しく更新されるので、金利が上がればどんどんどんどん利回りが高くなると思うんですね。今申し上げたのは、要するに、負債というか、負債の貯金と運用の資産の長さということで大体収益が決まってくると。そういう形でいきますと、負債の方の長さに、これはデュレーションといいますけれど、負債の方の長さに合わせる形で資産を調整すればですね、実は金利が上がったときの負債の調達コストの上昇と、資産の方の運用利回りの上昇はかなり一緒にできるわけですよね。そういうことを普通の金融機関ではやっているわけで、それをALMというのです。そういうふうにすると余り金利の影響はない。それはALMをきちんとすれば影響はないという意味でして、郵便貯金でいえばですね、短期、中期、長期をバランスよく持つと、金利が上がったときに、預金コストの上昇をある程度短期債の運用ということで常にカバーできると、そういうことになっていると思います。ですから、金利が上がっても余り収益は変化がない。

(問)郵貯は安全、大丈夫だということですか。

(答)これは計算の話で、実際に安全かどうかっていうのは、オペレーションの話ですし、特に経営の話なんで、保証することは誰もできないと思います。

(問)郵貯の運用は国債中心ということでいいですか。

(答)そうです。

(問)保険のB/Sで、2010年以降、窓口手数料がずっと一定になるのは何で……。

(答)それは、先ほど申し上げました、新規の保険料に応じた手数料をとっている。新規の保険料っていうのが、今の水準よりもかなり低くなって横ばいに進むわけですね。新規の保険料を低く横ばいにずっとしますと、実は残高が落ちていく。ですから、新規の保険料というか、新規の保険契約が低位のままずっと横ばいに進むと、徐々に残高が落ちていくという、そういう仮定を置いているんです。その仮定で、先ほどありましたが、保険の委託手数料は大体1年分ぐらいの保険料といいますから、保険委託手数料はずっと同じ、そういう仮定ということです。

(問)保険料の委託手数料の数字から逆算すればわかるわけですね。先ほど、初年度幾らかという……。

(答)それは、何と何が……。

(問)初年度、07年度の新規の保険料の……。

(答)それはそうかもしれませんね。

(問)幾らですか。

(答)ちょっと手元にないとわからないですけど、大体それは同じかもしれませんね。

(問)さっきの説明なんですけど、これ一体、2010年から一定になる理由は何ですか。

(答)これは、保険料の委託手数料を取るときに、1年目でもし全部もらえばですね、ずっと横ばいで同じです。ただ、その手数料の取り方っていうのが、これ民間保険なんかですけれど、ある程度分けてもらうんですね。はっきり言えばその4年間で分けてもらうと。そういう仮定を置いているんで、ちょっとずれただけです。

(以    上)